【27】本当に心配なのはどこなのか?~『がん保険』のトリセツ~
前回は『がんのお金は治療費だけ???』というタイトルで、治療費以外にも、生活を維持するために費用が掛かる場合について触れてみました。今回は、あらためて、『がんの治療』と『生活維持』の2つについて、一緒にみていきたいと思います。
まさに今、がん保険の必要性について検討しているあなたへ、お届けしたいおはなしです。
がんに関してかかるお金を、俯瞰してみる
今までがんの治療とお金に関することや、前回で治療費以外に生活維持のための費用が掛かるケースがあることについて見てきました。
上の図で、それをまとめてみました。列挙すると、以下の5つになります。
① 標準治療に対する治療費
② 自由診療に対する治療費
③ 緩和ケアに対する費用
④ 補完代替療法に対する費用
⑤ 生活費に対する費用
あなたのケースで想像してみてください。
どこを守るために、がん保険に入ろうと思っていますか?
①がん入院費用保険
②がん標準治療費用保険
③がん治療費用保険
④がん保障保険
また、前に見た4つのがん保険のタイプのうち、どれがふさわしいと思いますか?
標準治療、緩和ケアについて
がんの治療を受けると、いくらくらいの費用が掛かるのでしょうか?
私は、自分のお客様には、がんのはなしをする時には、よく質問をするのですが、
100万円とか、300万円くらい
といった回答が多い印象です。やはり多くの方は、がんはお金がかかるという印象を持っています。
まず標準治療と緩和ケアの、健康保険が適用となる治療を受けた場合で、かつ再発・転移も繰り返して、10年などといった、長期の期間となれば、トータルで300万円くらいかかるかもしれません。ただ、ドカンと300万円払うわけではなく、
毎月数万円
というイメージです。期間に応じて出費のトータルも大きくなるということになります。だから、
早期がんで、手術で切除でき、転移もなく、経過観察のみ
という方は、トータル20~30万円程度で済みます。
これをどうとらえるかで、選択が変わるのではないでしょうか?
・300万円程度ならば、緊急時用に確保してある貯蓄で払える
・月々数万円というレベルであれば、家計からやりくりできる
という方は、わざわざがん保険に加入して、保険会社に毎月お金を払うくらいならば、そのお金でさらに貯蓄を増やしていく方が良いという考えもできます。
貯蓄で確保は難しいという場合は、がん保険の加入がひとつの手段となります。現在の治療に対応するがん保険を選べば、ある程度カバーできると思います。4つのタイプのうちであれば、
③がん治療費用保険
④がん保障保険
がふさわしいと思います。
自由診療、補完代替療法について
最初から健康保険がきかない、自由診療を受けるぞ!と決めている人はあまりいないと思いますが、いろいろ情報に触れて、
あらゆる可能性に賭けたい
と考える人は少なくないと思います。がんの自由診療による治療だと、
1回の治療で数百万かかる
と思っておく必要があります。ちなみに、以前先進医療のはなしでご紹介した、
がんの粒子線治療は、1回あたり300万円くらい
かかります。また、自由診療の場合、
標準治療と並行して行う
こともありますので、ダブルの出費になることがあります。
補完代替療法に関しては、物が多すぎて、ひとことでは語れません。例えば、がんにいいとされるサプリメントをとるため、毎月数千円払っているなどといったものもあれば、数十万、数百万円払わされるものもあるようです。
こちらの健康保険がきかない治療などを視野に入れるならば、1,000万円単位で余裕がなければ難しいと思います。一般的ながん保険でも、ここをなんでもかんでも、500万、1,000万円と払いますというものはありません。
がん保険で考えたい場合は、治療に対して払われるものではなく、がん診断300万円などといったタイプだと、一定の備えになるかと思います。4つのタイプのうちであれば、
④がん保障保険
でしか、備えはできません。
生活費への備えについて
万が一、がんが全身に転移してしまったことによる肉体的な苦しさ、抗がん剤治療などの副作用の強さなどにより、仕事を継続することが困難になってしまい、収入を失うケースもあるかと思います。一番怖いことかもしれませんが、是非想像してみてください。
どの程度お金があれば安心でしょうか?
これについては、生活水準がそれぞれなので、断定的には言えません。あと、どのくらいの期間の備えになればいいのか?それによって金額も変わってきます。何十年スパンで考えると、何千万円というはなしになってしまいます。
私自身の考えとして、ひとつ目安をお示しします。立て直し期間という意味合いで、
2年分で、500万円
という考え方です。家賃、食費、光熱費、雑費など、消すことができない費用として、月々20万円、それの24か月(2年)ということで480万円、区切り良く500万円という計算です。2年間はお金の心配をせず生活できる、その間に治療も行いながら、その後の人生設計を立て直す。
もちろん、この2年は私の目安です。月々の金額や、期間についてはそれぞれあると思いますが、こうして考えれば金額は出しやすくないでしょうか?
それに対しての備えとして、やはり貯蓄が第一ではあるのですが、長期間収入がなくても耐えられる潤沢な貯蓄がある人は、それほど多くないかもしれません。
そこでがん保険となった場合ですが、やはり、がん診断だけで、まとまった一時金のお金を払ってくれて、使い道自由の
④がん保障保険
でしか、備えはできません。
いかがでしょうか。今回は、がんになってしまった時のお金を数字も交えながら見てみました。次回は『がんへの備えの3つのお金と優先度』というタイトルで、今回見た、3つの費用の優先度に触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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