【29】一般的ながん保険の例~『がん保険』のトリセツ~
前回は『がんへの備えの3つのお金と優先度』というタイトルで、治療費や生活費への備え、またその優先度について触れてみました。今回は、一般的ながん保険の例をあげて、がん保険が、必要なお金に対してどのように備えになるのかについて、一緒にみていきたいと思います。。
『がん保険に入っているから、がんは安心!』と思っているあなたへ、お届けしたいおはなしです。
がん保険は組み合わせの保険
以前4つのタイプのがん保険(第20話 あなたのがん保険はどのタイプ???)について、お伝えいたしましたが、実際みなさまが加入されているがん保険は、以下のもののどれか、またはいくつかの組み合わせでできています。ちなみに代表的なものをあげましたが、ここに出ていないものもいくつかあります。もしお手元に、加入しているがん保険の資料があれば、照らしてごらんになってみてください。
①がん診断給付金 100万円
②がん入院給付金 1日当たり10,000円
③がん手術給付金 1回あたり20万円
④がん通院給付金 1回あたり5,000円
⑤抗がん剤治療給付金 1回あたり10万円
⑥3大治療給付金 1回あたり10万円
⑦先進医療給付金 最高2,000万円まで、かかった金額をお支払い
⑧ホルモン剤治療給付金 1回あたり10万円
⑨緩和ケア給付金 1回5万円
⑩保険料払込免除
※ 金額などはすべて例で、実際は違う金額での設定もできます。また、個々の名称も、商品により多少違います。
生活費への備えは・・・
がんで、万が一離職してしまい、収入が途絶えてしまったことに対して、助けになってくれるのは、
①がん診断給付金
⑩保険料払込免除
だけです。①は、がんと診断されたことに対して、100万円、200万円といった一時金を受け取れます。仮に
私は治療をしない
となってもお金を返す必要はありません。当然ですが、使い道は自由です。ここが手厚くなっていると安心感が大きいと思います。がんの診断書が出たら、自分の銀行口座にお金が入ってくる、すなわち貯蓄残高が増えるわけです。
前にもお伝えしましたが、チェックポイントは、
再発した時などに、再び払ってくれるか?1回もらったらおしまいか?
その場合の条件は、1年に1回?2年に1回?診断だけでいい?入院が必要?
といったあたりです。ひと昔前の商品は、1回目は診断だけだが、2回目は入院が必要というものが多かったです。2回目以降の方が、入院の確率は低いと思います。ここは要注意です。
また、⑩は、お金はもらえないですが、家計負担を少なくする効果があります。すなわち、今まで毎月支払っていた(引き落とされていた)お金(保険料といいます)を、今後払わなくていいですよというものです。しかも保障は継続していきます。
がんになってしまうと、あらたにがん保険に加入することは、かなり困難になります。自動的に今の保険を大事にするしかないのですが、負担がないのは助かると思います。
あらゆる治療への備えは・・・
②~⑨までの保障は、入院、通院、具体的治療に対して払われるものです。②~⑨全部加入していれば、たいていの場合、支払いがされると思います。
注意点は、健康保険適用の治療だけが対象か?先進医療に対応するか?先進医療以外の自由診療にも対応するか?このあたりは、押さえておく必要があります。
最近がん保険ランキングで、上位に来ているものだと、それ以外にも、遺伝子検査や、がんになったストレスにより発生した病気に対してもお金を払いますなどというものもあり、至れり尽くせり感があるのですが、ひとつ考え方として、以下のような考えも・・・。
オプションで付けれるものをたくさんつければ、保障範囲は広くなり、あらゆる場合に対応できそうです。ただ、毎月のあなたの負担(保険料)は、オプションをつけるごとに高くなります。で、がんの診断を受けて、治療を受けたとします。どれかにはヒットする可能性はありますが、ハズレのものもあります。がんになったのに、ハズレもある、それに対して毎月お金を払っている・・・。しかもがん治療がもっと進み、上にある保障では対応できないものが主流になってきたら・・・しかもそれに気づかないまま時間がたって、その時にがんになってしまったら・・・。
想像してみてください。
これらは、あくまで今のがん治療に対応する保障だということを覚えておいてください。がん診断ではなく、がん治療に対するがん保険は、クルマの車検と同じくらい定期的な点検が必須だと思います。
がん診断時に悩まないように・・・
私は、がんへの保険での備えは、やはり
がん診断のみという、早さとわかりやすさ
がある①と⑩が主体であるものが望ましいと考えています。まず、ご自身のがん保険に、この2つがあり、上で触れたチェックポイントについて、内容を押さえていただきたいと思います。①の金額が大きくて、かつ毎月のあなたの負担(保険料)が、家計を圧迫していなければ、安心感があるように思えます(もちろんその安心感は、資産状況等その他いろいろな背景を分析しないとはっきりはしませんが)。
②~⑨に関しては、基本的には治療が終わらないともらえるかわかりません。受ける前でも支払対象かどうかは問い合わせできるのでは?と思うと思います。もちろん問い合わせは可能です。ただし保険会社は必ずこう返答します。
『最終的には診断書の内容を確認してからになります』
と。診断書は、入院して手術を受けた場合ですと、通常、事前もしくは入院中に保険会社から手続き書類(保険会社所定の診断書)を取得し、退院時に窓口でその作成を依頼します。大きい病院だと3週間くらいかかったりします。実は、受け取れるかどうかわかるまでには、結構な時間を要します。
人によってはストレスとなりそうです。
次回は『がん保険の注意点』というタイトルで、今回触れた以外の注意点に触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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