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【実行団体紹介】ワールドフレンズ天草(熊本県天草市)

本記事では、2020年度の休眠預金活用事業「外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成」事業を経て実施した「外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成2」事業の実行団体について、ご紹介しています。

取組紹介内容:地方在住外国人散在地域における遠隔地での繋がりと緊急避難先整備事業~国際交流カフェ、オンライン日本語教室、外国人女性・母子支援の構築

この事業では、社会的に孤立してしまっている『外国人住民が安心して休める居室を備えた事務局スペース』を整備しました。


1)団体の概要

 ワールドフレンズ天草は、天草地域に居住する700人の外国籍の方の暮らしを支えながら天草の地域資源を発掘し、多文化共生社会を目指して活動しています。
 10年前に支援者と外国籍の方との仲間作りから始めた活動も、現在では①外国人総合相談窓口、②日本語教室、③異文化交流、④OMOTENASHIの4つの柱に成長しました。

活動① 総合相談窓口
活動② 日本語教室
活動③ 異文化交流
活動④ おもてなし

2)直面する課題

 10年間活動拠点を持たずに活動を続けてきましたが、上天草市・天草市にまたがる天草地域は東京23区よりも広く、遠く離れた方との対面による接触の機会が困難であることが課題の一つになっていました。
 本事業で『外国人住民が安心して休める居室を備えた事務局スペース』ができると、予約した会場でしか接触できなかった人たちに何時でもぶらりと訪れていただくことができ、これまでにできなかった活動の枠が広がります。

3)取組概要

①企画構想・設計(2023年3月~7月)

 当初3ヶ月は前年度の休眠預金等活用事業による「地域の居場所」となるカフェのリノベーションが工事中でした。その工事にはワールドフレンズ天草の仲間である外国籍の方をはじめ関係者による壁塗りや家具の設置など参加型の工事を行いました(DIYリノベ)。
 そこで、具体的な設計に入る前に、DIYリノベ参加者による今年度事業で建設する施設についてのアイデアを出してもらいました。そんななかで地域の方たちにも親しみを持ってもらうために天草にある古民家を移築して新施設を作るというアイデアが出され、関係者の実家にある築130年以上の牛小屋を移築することになりました。

②牛小屋の解体(2023年9月)

 6月、7月と牛小屋のある河浦町での調査に引き続き、牛小屋の移築と施設の基本計画が平行して進められました(8月)。検討の結果、牛小屋をそのまま移築することは困難であることがわかり、牛小屋を解体して得られる柱等の部材を新施設の構造材の一部として使い、小屋の形状を再現することになりました。
 9月に牛小屋を解体し部材を取り出すとともに、設計条件が確定したので実施設計を完了させ、工事業者を決定するとともに工事費の見積を依頼し、予算内で可能な工事へと調整を行いました。

牛小屋の解体の様子

③工事着工と工事(2023年10月~2024年2月)

 10月15日に工事請負契約を締結し、基礎工事を着工しました。牛小屋から取り出した部材と新材料を合わせて柱梁を組み立て、12月21日に地域住民の方にも呼びかけ上棟式を執り行いました。
 年があらたまり、1月には屋根および外壁工事を行い、続いて内装工事、建具工事を行い2月15日に工事が完了しました。

上棟式
内部工事中の様子

4)今後の課題(管理運営)

 今後、施設の活用を図るためには、①施設の保守清掃計画、②設備等の維持管理計画、③施設の経営計画を立案し、持続可能な施設の管理運営を行うことが望まれます。特に、当団体の活動を支える経営計画の立案が重要になります。

(冨士川一裕/Jsurp会員)

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