【前編】10社集結!まちづくり・都市計画コンサルタント就職相談会2024を開催しました
2024年2月10日(土)に、「まちづくり・都市計画コンサルタント就職相談会2024」(日本都市計画家協会主催)を開催しました。就職相談会は、学生や転職を検討している方々には、まちづくりや都市計画の仕事について直接聞くことができ、同時に企業側にとっては、自社の取り組みを効果的に伝える機会となります。まちづくりや都市計画の仕事に就きたいと考えている方を対象に、JSURP所属のプランナーが各々の実績や事例をお話しするだけでなく、プランナーの皆さんと直接話をする時間も設けました。多くの方に参加いただいた当日の様子を前編・後編と2回に分けてご紹介させていただきます。
前編では、冒頭の「都市計画・まちづくり関係のコンサルタント業界超概説」と、10社のうち5社の紹介をします。後編では、残り5社と会の最後に開催された「個別相談会」の様子をお伝えします。
都市計画・まちづくり関係のコンサルタント業界超概説
Jsurp副会長の原さんから、「どんなことに携わっているの?」、「コンサルタントっていつ頃からあるの?」、「実際の仕事って何してるの?」、「誰から仕事頼まれるの?」、「どのくらいの会社があるの?」といった都市計画・まちづくりに携わっているコンサルタント業界の概要が説明されました。
「超概説」と言いつつも、コンサルタントの多岐に渡る業務範囲がわかりやすく紹介され、大きく分けて「プランニング」、「政策立案」、「コーディネート&マネジメント」、「合意形成」の4つの領域があることや、近年は様々な専門家との協働によって取り組むことが多くなってきていることも説明がありました。会社の数も正確には把握できないものの、コンサルタント企業の多くが所属する協会の会員法人数の紹介や、会社の規模や各社得意な分野やクライアントの傾向、社内の雰囲気も様々であり、今回出席している10社のプランナーからもその様子を感じ取ってもらいたいということで、超分かりやすい業界説明を終え、次は各社説明の時間に移りました。
各社概要説明
①株式会社アルテップ
同社プロジェクトリーダーの楠亀さんから紹介がされました。社名にAが付く会社の多くは「Architect」を意味するようですが、アルテップのAは「Advisor」!会社は昨年設立40年を迎えて、従業員数は16名で、行政との仕事がメインとのこと。大きくは「現場系まちづくり(場所づくり、コミュニティづくり等)」と「まちづくりの社会システム(法律・制度、計画、施策等)」に取り組んでおり、コミュニティレベルから国の仕組み作りまで行き来できるのがアルテップの強みとのことでした。業務分野としては特に、住まい・建築に重きを置いていて、業務内容として8つの内容(例えば、市街地の再整備・再編(町田市都市計画マスタープランの改定業務)や密集市街地の再編(渋谷区本町地区における木造住宅密集地域改善)、団地・ニュータウンの再生等)が紹介されました。その他にも、内閣府の仕事で未来技術の社会実装にも関わる機会もあるようです。
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②株式会社アルメック
同社執行役員の内山さんから紹介がされました。内山さんはJsurpで『地域が主体になるまちづくり』の普及活動も担当されています。『みんなのまちづくりNOTE』もぜひ、ご覧ください。アルメックは1971年に設立され、53年目の会社で約70名の社員がいる中堅規模の会社とのこと。技術者は国内事業本部と海外事業本部に分かれていて、他の会社と違うのは、国内事業本部はプラットフォーム型の運営をしている点にあるとのことです。セクションが決まっていてリーダーがいるのではなく、それぞれが自分の分野を開拓していく中で、獲得したプロジェクトを社内でチームを組んで進めていて、10年同じ仕事だけをやることは少なく、その時その時に必要な仕事は変わってくることから、この形の運営となっているようです。また、育成システムとして新卒入社10年を目途に先輩がアドバイス等をしながら一人前になれるようにサポートする体制がとられているのも特徴のようです。最近の業務実績の紹介から、現在、特に興味を持っていてもらいたいテーマも紹介されました。
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③株式会社KRC
同社地域計画室長の小林さんから紹介がされました。社名のKRCは公園(Kouen)、緑地(Ryokuchi)、設計事務所(Consultant)の略で、公園・緑地が日本語読みのローマ字読みとなっているようです。3年前に創立50周年を迎えた、長野と安曇野に拠点をもつランドスケープ事務所です。職場環境は非常に整っており、職場から山が見るのも大きな特徴のようで、山が見えて癒されるときも多いとのことでした。以前は公園の設計が中心だったものの、近年は様々な規模分野の公園、キャンプ場や登山道など、設計だけでなく構想や計画、運営まで様々なフェーズの業務に携わっているとのこと。さらに、造園だけでなく、建築設計業務や、まちづくり業務、計画策定支援や制度設計・調査業務を請けることもあり、公園緑地を軸に多岐に渡る業務範囲となっているようです。自治体単位だけでなく一定範囲の中で将来ビジョンを描く支援や合意形成、伴走支援、社会実験の支援等も実施しており、ミッションとして「優れた社会資本の創出で地域に貢献」を掲げていることや、求めている人物像についても詳しく案内がありました。最後にメッセージとして「わたしたちと100年先の風景をつくりませんか」との言葉で説明を締められました。
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④株式会社シグマ開発計画研究所
同社プランナーの山本さんから紹介がされました。主には、都市開発事業のコンサルティングをしている会社で、都心部や地方部/観光地で都市の更新が求められている場所でデベロッパーや地権者の方と仕事をすることが多いようです。都市開発事業の流れ(シグマの業務範囲)についても、流れ(調査⇒構想⇒企画⇒事業計画⇒事業推進⇒運営管理)に沿って、業務の売上比率なども交えながら詳細に紹介されました。また、「エリアマネジメント発想に基づく都市開発事業の推進」ということを大事にして業務に取り組んでいること、その想いを踏まえた業務実績の事例が紹介されました。例えば、名古屋市内での案件での開発概要や開発の際の想い、持続的な仕組みを作るための取組例、集客とともにまちなかへの送客を促す仕組みを検討している事例の紹介では、民間事業者との連携・協働で様々な仕掛けを生み出していることや、各種エリアマネジメント組織の事務局運営支援でどのような取組をしているかも紹介され、多岐に渡る業務紹介がされました。
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⑤株式会社地域計画連合
同社取締役の中川さん、同取締役の栁坪さんから紹介がされました。「まちや地域の様々な困りごとに向き合い、まちの未来を考え、課題解決のお手伝いをしている<まちづくりコンサルタント>の専門家集団です」というメッセージから始まりました。本社は東京都豊島区にあり、これまで各地の震災後に現地に事務所を構えて復興支援にも携わってきていることも紹介されました。拠点となる東京事務所には、まちづくりグループと、地域経営・福祉まちづくりグループがあるようです。まちづくりグループでは、都市施策・手法検討や都市マスタープラン、地域計画・まちづくり、防災セミナー等の業務分野に関わり、5年10年と地域と長く関わることも多く、スタッフの得意分野等からも様々な提案をするようにしているとのこと。また、地域経営・福祉まちづくりグループでは、総合計画・基本計画や地方創生、地域福祉や福祉のまちづくり、子ども・子育て等様々な分野の業務に関わっているようです。
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後編で紹介する企業について
後編に登場するのは、⑥株式会社東急設計コンサルタント、⑦株式会社都市環境研究所、⑧有限会社ハートビートプラン、⑨街角企画株式会社、⑩株式会社マヌ都市建築研究所の5社です。また、会の最後に開催された「個別相談会」の様子も紹介しますので、ぜひ後編もご覧ください。
(編集部:高野哲矢/Jsurp理事・アンドプレイス合同会社)