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旅先アルバイトで「する・しる・ささえる」スポーツツーリズム~高知県土佐町

スポーツの基本理念は「する・見る・支える」ですが・・・

国が推進している「スポーツ立国戦略」でも取り上げられている、スポーツの基本的な考え方といえば、
・する:競技やアクテビティをする
・見る:観戦
・支える:ボランティアや指導
がよく知られています。

地域を楽しむスポーツツーリズムには「知る」もアリ?!

スポーツツーリズムにも、この3つの考え方が大いに当てはまりますが、ツーリズムという側面においては、地域を「知る」という要素も重要です。
今回は、令和6年度スポーツ庁実証事業を通じて行われた「アルバイト旅」でのスポーツツーリズム事例をご紹介します。

「アルバイト旅」は、以前からリゾートアルバイト(冬季のスキー場などでのシーズンバイト)などがありますが、最近では、地域の人手不足を解消する手段として活用され、農作業の手伝いなど体験によって旅先を決めたり、1泊2日の旅行のついでにお小遣いを稼ぐといった気軽なものまで、仕事内容や拘束時間も様々です。

地域で働きながら滞在することになるため、必然的に滞在日数を長くすることも可能で、仕事で関わることにより地域の方々との交流も生まれやすくなります。
より地域を知ることができるので、魅力的なスポーツ環境がある地域への移住や二拠点先を検討されている方にとっても、お試し滞在の手段として有効かもしれません。

山間の土佐町は広範囲に広がる棚田も有名。もちろんお米もおいしい!

実際、アルバイト旅ってどんな感じ?

舞台となったのは、このnoteではお馴染みの土佐町スポーツコミッション。
土佐町やスポーツコミッションについては、昨年実施したプログラムのリポート記事もご参照ください↓↓

土佐町スポーツコミッションは、さめうら湖の湖畔にカヌーやSUP、キャンプ場などの拠点施設である「さめうらカヌーテラス」と「さめうらテントパーク」を運営しています。今回のアルバイトは、拠点施設の接客や清掃、イベント準備の補助や併設されている宿泊施設の簡易業務などをしながら、地域観光とスポーツアクテビティが体験できる、業務時間32時間・滞在6泊7日のアルバイト旅として募集しました。

気になるアルバイト代は、旅費補助と併せて約60,000円ほどの収入。
今回は実証事業として実施したため、参加者への旅費の補填もあり、通常よりも手厚い補助が付いています。
補助含めた全収入で、交通・宿泊・食費などの自己負担額の全額を賄うことはできませんが、実質的には、通常滞在する費用のおよそ半額くらいで1週間滞在できる計算になります。

今回は、関東近県からお二人の方がアルバイトに応募し、参加されました。そのうちお一人は、自家用車で道中、四国を回りながら高知県まで来られたそう!とってもパワフル!

初日は、湖を見渡す屋外テラスで歓迎会を開催!この日は特別企画としてバーテンダーによる、さめうら湖をイメージしたオリジナルカクテルのふるまいも。美しい景色を見ながらのお酒は格別!

アルバイト開始前に地域観光とアクテビティ体験!

土佐町スポーツコミッションがどんな事業を行っているの??土佐町ってどんなところ??⇒習うよりやってみる!行ってみる!ということで、業務を開始する前の最初の1日は、アクテビティ体験と地域観光に参加します。

カナディアンカヌーは、お互い声を掛け合わないとうまく操縦できないので、初めましてでも自然と距離が縮まります!

2人一組で乗船するカナディアンカヌー。進む、止まる、曲がるときは、それぞれ前後の人に役割があり、声を掛け合って協力しながらパドルを操縦します。

ツーリズムに留まらず、地域に惚れ込んで移住地の候補にも

この日は、偶然、カヌースプリントの元世界チャンピオンでハンガリー出身のジョコシュ・ラヨシュさんにお会いすることができ、直近の世界大会で獲得した金メダルを見せて頂きました。

貴重な金メダルを触らせてもらいました!

ラヨシュさんは、家族と一緒に土佐町へ移住されて、地域の小学生から高校生までを指導する「さめうらカヌーアカデミー」というクラブチームを立ち上げています。

ラヨシュさんのお話しを聞く参加者一行

この日は平日でしたが、同じ時間帯にSUP(スタンドアップパドル)を楽しんでいた方がいらっしゃいました。
お話を伺うと、関東在住の方とのこと。旅行者かなと思いきや・・・高知の川や湖の自然環境に魅力を感じて、仕事を早期退職し、短期賃貸の家を借りて地域でアルバイトをしながら、SUP三昧の3か月限定移住を実践されているそう。
ご家族やお友達も、週末には関東から遊びに来られて、一緒にSUPをされるそうで、とっても素敵な二拠点生活をされています。

木々に囲まれて穏やかな水面の湖上で身も心もリラックス

今回、アルバイト旅に応募された方も、ゆくゆくは地方への移住を検討されているということで、こうした体験旅がきっかけで地域との接点が生まれ、人々との出会いや地域の就労事情、暮らしなどを知ることができ、移住や長期滞在などのご縁に繋がる可能性を感じました。


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