石垣と用水とスポーツコミッションと
金沢文化スポーツコミッションにお邪魔してきました。
金沢は言わずもがなの文化都市。金沢城を中心に兼六園や市場、茶屋街が広がる城下町です。
立派な文化や名勝があるから、映えてる観光が可能といえば、そうかもしれませんが、お城や美術館など立派な建造物以外にも、街の一角にさりげない魅力があると気付かされました。
金沢は、二つの大きな川に挟まれて、山の上から海に向かって流れる生活のための用水路が今も多く現存していて、市役所の裏手や住宅と住宅の間を縫うように流れています。
大雨が降ると溢れたりしませんか?と金沢文化スポーツコミッションの越村さんに尋ねると、そんなことはほぼ無いと。
コンピューターもない時代に、緻密に計算された都市作りがされたのだと感心です。
そんな金沢文化スポーツコミッションでは、「金沢謎旅」という街歩きをしながら謎解きをするプログラムを提供しています。元々は、コロナ禍にデジタル版で遠距離でも楽しめるプログラムとして開発されたものですが、現在は、リアル版として現地で楽しめるアクテビティになっています。
金沢駅の土産物店でも販売されていて、この売上がコミッションの運営資金の一部にもなっているそうです。
こうした謎解きや街歩きは、目玉的な観光スポットでなくても、むしろ、地元の人が当たり前すぎて見過ごしてしまうような日常の風景を切り取ることで、他所から来た人々は、その地域に魅力やシンパシーをより感じられるかもしれません。(私もその一人)
とは言え、さすがにこれだけの観光資源があるのですから、らしさを発揮したイベントも充実しています。お城の中にある広場から城門をくぐって1周1.5kmのランニング大会から、かの有名な「金沢マラソン」も金沢を代表するスポーツイベントです。
毎回倍率は高く、今年は2.5倍の倍率だったそうです。
現在、金沢文化スポーツコミッションには、金沢マラソンを立ち上げられたレジェンド市役所職員(当時)の里見さんがおり、越村さんは、民間からコミッションにやってこられましたが、元々陸上に縁の深い方で、ゲストランナーの招聘をお手伝いしているうちに、市長(当時)からコミッション立ち上げ時にお声が掛かったそうです。
やはりここまで大きな大会をスタートさせるとなると、それはそれは大変な思いと苦労を乗り越えて実現され、今の大会に至ったそうですが、現在の事務局には、立ち上げ当初のメンバーは、多く残っていないようです。
金沢マラソンに限らず、スポーツコミッションなど、あらゆる組織で言えることですが、数年も経つと、退職や異動などでメンバーが変わっていきます。
設立当初の想いをどう繋いでいくか、更に回数を重ねるごとに新たな課題やブラッシュアップすべきことなど、熱意を持って継続していくことの難しさを感じますが、里見さんや越村さんのように、これまでの経験を活かして、スポーツコミッションに所属されることで、当時とは違う立場で、現在もイベントに携わることができ、さらに今もなお活躍することができるのは、理想的な形の一つだと思いました。