【パイオニア】バントスピリットでチャンピオンシップ予選を巡る旅路【サイクル1】
待たせたな。
久方ぶりに戦績報告の筆をとったジェスカイサカイだよ。
7月より始まったチャンピオンシップ予選を店舗予選・プレミアム予選と併せて走り込んできて、ひとまずサイクル1については出られそうな大会には全て出たので一区切りとして執筆した次第。
一応先に言っておくと抜けていないので弱者の言葉、負け惜しみログ。
○デッキ選択とその過程について
この1ヵ月半、使用してきたのはバントスピリット。
デッキの選択の理由は消去法。
というのも、先日の禁止改訂によってこのジェスカイが愛してやまない《表現の反復》が禁止になってしまったのが主な要因。
それまでは元々イゼットフェニックスを中心にパイオニアは回しており、たまにデッキを変えるにしても身内が提供してくれた青赤コントロールだったりと基本的にはあまりに強すぎる«表現の反復»への依存体質極まれりといった感じだったので、この禁止改訂は非常に痛かった。
普段パイオニアをメインフォーマットとしてプレイしている人種では無いのでデッキを新しく作るという選択肢も特になく、メタゲームと手持ちのカードプールを天秤にかけて考えた結果、食指が動いたのがパイオニア黎明期に作ってそのまま放置していたバントスピリットだったというのが正直なところ。ちなみに久々にデッキケースから出してみたらまだショックランドが対応色分がっつり入ってて笑った。
バントスピリットというデッキについての詳細、そして他のデッキを選択しなかった理由については次項以降にて。
○バントスピリットについて
最終的な使用レシピがこちら。
①デッキの特徴
デッキの特徴を語るのも今更ヤボだが、部族をスピリットに寄せた飛行クリーチャーによるビートダウンを、ロード2種による打点サポートと《集合した中隊》による展開サポートで支えるデッキ。
《呪文捕らえ》や《鎖鳴らし》からくるイメージでインスタントタイミングでの妨害行動を主軸にしたクロックパーミッションのような振る舞いをとると思われがちで、実際そのような立ち回りをすることもできなくはないのだが本家の所謂クロパに属すデッキ群と比べると真っ当な打ち消し呪文は全く採用されておらず、生物主体のゴリゴリのビートダウンであることはレシピを見れば明らかだ。
なので実際の体裁としては「回避能力で固めた純アグロ」であり、基本的に「黙って飛行フルパン」を地で行く脳筋寄りのデッキだったりする。
このシンプルなコンセプト故の扱いやすさが個人的な好み。
コンバットなんて極力考えない方が楽でいいのだ。
瞬速クリーチャー達による干渉も確かに重要なファクターではあるが、正確には「飛行ビートで先にライフを詰めて、後々インスタントアクションによる妨害で相手の行動への裏目を大きくしていく」といった傾向が強いデッキだ。
ここでいう裏目とはそれこそ《呪文捕らえ》や《鎖鳴らし》による除去の回避、ロード連打による打点の急上昇、そしてそれら複数をインスタントタイミングで展開しうる《集合した中隊》などなど。瞬速故の見えにくい脅威に対応させるためのライフというリソースを序盤に奪い去って、相手のプレイ選択に付随するリスクを上げていくアグロ志向である。
それゆえ、下手に《呪文捕らえ》らを構えて見せたりするよりも素直に展開してライフを詰める方が正着になりやすいと感じることが多い。
②他デッキとの相性について
ざっくり言ってしまえば、「自分より遅いデッキに極端に強く、自分より速いデッキに極端に弱い」のがバントスピリットのデッキ相性における大まかな傾向だ。
自分より速いアグロに弱い点は明確だろう。
メインボードのまともな除去が《スカイクレイブの亡霊》くらいしかなく、あとは盤面干渉できるのが《鎖霊》のようなタッパー程度のもの。クリーチャー個々のスタッツもまともにブロックできるものではないため、受けに回りたくても回り切れない。これはデッキ全体の性質として仕方のない部分、サイドボードを含めても劇的な改善は見込めない。
他方、自分より遅いデッキには先にクロックを展開して速やかに殴り倒せる。先の項で少し述べたが、先手でライフリソースを奪って相手の行動に伴うリスクを高める動きこそがこのデッキの真骨頂。
基本的には遅い(コンボ・コントロール)デッキを咎めるのが本業だ。
また別の角度からの切り口だと、クリーチャーデッキの常として除去の多いデッキやスイーパーは単純なウィークポイント。
ピン除去の連打がクロック減退・シナジー分解を生むのはもちろんのこと、それの究極系がもろとも吹きとばす全体除去。
コンセプト破壊のわかりやすい例といえる。
「クリーチャーデッキが除去連打されて負けました」なんてじゃんけんの言語化がそのまま通りま〜すみたいなデッキが環境に存在していていいわけないので、こちらに関しては《無私の霊魂》等をはじめとした見たままある程度の対策措置はとられている。
とはいえ、これらの除去がきついことには依然変わりない。どこまでいっても生物デッキは生物デッキだ。
以上の傾向に照らし、今パイオニア環境の主要なデッキとの相性についてこのサイクル1挑戦当初の自分の認識では
くらいの脳内想定で「悪くないじゃん!」とお気楽に考えていた。
このデッキが苦手としているアグロ傾向のデッキがフィールドに少なかったからだ。
それぞれのデッキについての印象と、この脳内想定が実際どうだったのかについては後ほど。
○他のデッキについて
一応他のデッキの使用否定材料を環境のデッキ紹介がてらにサクッと説明。
・ラクドスミッドレンジ
禁止改訂後のトップメタ筆頭。ハンデス・除去でハイコストパフォーマンスのクリーチャーをバックアップする王道マジック。言わずと知れたパワーカード《鏡割りの寓話》を使用できるデッキの一つ。緑単には滅法弱いが、それ以外のデッキには全て五分以上をとれるイメージ。
このデッキを使わなかったのは、ざっくり言ってしまえばハンデスとコンバットが苦手すぎるのでボツというだけ。ミラーが発生した時にどうしてもこのテのミッドレンジは自分のマジックが下手な部分が浮き彫りになるので、それがトップメタともあればミラーの発生率が高いわけで避けたい選択肢だった。
要は弱者ゆえの理由、俺にはこのデッキで格上に勝つ自信がない。
・青白コントロール
プレイスタイルの都合使用候補にはあがったものの、この時代に《ドビンの拒否権》《吸収》をフル投入の勢いで使うのが精神的苦痛を伴うためボツ。
真面目にいえば特に低マナ域の要求値が高めな割にリソースを取り返すカードが高マナ域に寄りすぎているため、ハンデスが致命打になりやすい印象が強かった。
これはコントロールがハンデスに弱い、という当然の摂理を長めに言い換えただけである。言語化が下手。
つまりメインから《思考囲い》撃ってくるデッキがトップメタを走る環境で、青白コンを使うのは抵抗感があったというのが正直なところ。
パイオニアにおいて「受けデッキ」が弱い、というフォーマット全体に対する個人的バイアスもこの評価を手伝っている。このバイアスが正しい傾向かどうかは諸説。
まあ今サイクルの各地大会でTOP8に残りまくった割に殆ど予選突破していないとのことなので、つまりはそういうことだったのかなと。
・緑単信心
ラクドスに強いと評判のアレ。爆発力と受けにくさが魅力のビッグマナデッキ。最終的には今サイクルでは最も勝ち組のデッキとなった。
自分でも借りてチョロっと回したり、回してる人のを見る感じだとそこそこ事故るなという印象が強く、あまり食指が動かず。
ラクドスに強いのは良いのだが他のデッキ、特に青白コンに対してそこまで強い感じを受けなかったのも印象が悪かった。
・イゼットフェニックス
《表現の反復》を失ってなおメタゲームに居座り続けていたが、《氷の中の存在》が黒の確定除去増加とアグロデッキの衰退により環境的に弱体化した結果《孤高のフェニックス》の振れ幅に左右されやすいデッキになってしまった感を受けて使用候補に上がらず。
極端に有利なマッチアップがない印象、最も競合した相手である「ナヤウィノータ」が禁止改訂で消滅したのもマイナス要因。
要するにデッキパワーがかなり落ちた上に立ち位置も上がっていないこのデッキを使う気が起きなかった。
・ロータスコンボ
キルターンの遅いデッキに対してめっぽう強いビッグマナコンボ。
イゼットや青白コンの多いフィールドでは強力な選択肢になるが、やはり青白の否定材料同様にメインからハンデスかけてくるミッドレンジと高確率でマッチするならあまり使いたくなるデッキではなかった。
・青単スピリット
バントスピリットから色を絞ってクロックパーミッション要素が色濃くなったスピリット。緑単の隆盛時には注目されたアーキタイプ。
印象としては「尖ったスピリット」といった感じで、メインターゲットの緑単をはじめとした除去がまともに搭載されていないコンボデッキや、単純に動き出しの遅い青白コンのような大振りなデッキに対してより強くなっているのが長所。
ただ先鋭化の代償として仮想敵にしているデッキ以外へのガードが下がりすぎており、長いスイスラウンドの大会に持ち込むにはリスキーすぎるデッキという印象が拭えなかった。緑単や青白が極端に多いフィールドではない環境においては線の細さも好みではなく、候補に上がらず。
・パルヘリオンシュート
《パルヘリオンⅡ》のリアニメイトを目指す墓地利用型コンボデッキ。
1ショットキルとまでいかないが、事実上盤面を一撃で反撃不能に追い込む程度の爆発力がある。
コンボの体裁としては2枚コンボなので成立条件達成は簡単な方だが、クリーチャーを噛ませて完成するコンボである都合除去に弱いので妨害自体は難しくない。
当初はマルドゥカラーのレシピだったが、最終的にはアブザン・エスパーと派生するまでに至った。
前述通り《大牙勢団の隊長、脂牙》を除去さえできれば止めることのできるコンボではあるが、それ故除去のないデッキに対しては強く出れるのは勿論のこと、除去のあるデッキに対しても「構え」を強要できる点は強力。
個人的な印象は登場当初からあまり良くないデッキ。
敬遠の理由は爆発力と引き換えの墓地依存度の高さ。特にサイドボード後は墓地対策されることが確実な割に、軸をずらす器用なアイデアがないため「対策カードを対策する」という消極策になりがち。
比較的洗練されたアブザンパルヘリオンの登場・流行後も「ラクドスとの相性若干マシになったな」程度の評価で結局使用候補にはあがらず。
とまあ全体的に「食指動かず印象悪し」くらいの雑まとめで使いたくない理由を並べては、自分好みのデッキを使うことを正当化していくコーナーでした。
じゃあ御託はここまでにしておいて、ここからは実際に回ってきた大会の戦績ログと所感及びそのフィードバックを流していきます。
ここからちょいちょい身内ネタ入って寒いかもしんないので、お前の個人戦績なんか知らねーよって人はここらでぶらーざばっく。
〇戦績レポート
①7/3 店舗予選@宮崎BIGRED
参加者:34名(6回戦+SE2回戦)
サイクル1開始後初の店舗予選参加。
他県からの参加者も数多く参加、店舗予選なのにしょっぱなからめっちゃ人いてビビる。
負けた緑単信心は同じ人。
負けたゲームはいずれも先手を取られて1-3-5の理想的ジャンプアップで動かれてしまい、対応する間もなく盤面を作られた。
マナクリの存在があるため、先手後手の差が大きいとはいえ連続してキレイに動かれているのはさすがに辛い。
この時点ではサイドボードのカウンター枠として《霊気の疾風》《軽蔑的な一撃》を採用していた。緑単信心へのサイドボードとして考慮すると特に各種マナクリやトロール、キオーラなどの軽いカードへの対処としてはやや扱いにくい印象があった。この辺はサイドボードを煮詰めていなかった甘さがでている。
それ以外に関しては環境も当たり方も概ね想定通り、かつ大きな事故もなく安定して勝ちを拾っている。そこそこ上振れていたので、ここで抜けておきたかったのが本音。
なおR5のマルドゥパルヘリオンは身内切り。
デッキ相性を相手も理解しているので、マッチが決まった瞬間は「い、嫌じゃ…」とはだしのゲンみたいな着席拒否反応を示していた。
すまんな。(まあメインゲーム落としたけど)
②7/18 店舗予選@カードプレイス大分
参加者:16名(5回戦+SE25回戦)
地元開催の店舗予選には初参加。
基本店舗予選は16名に参加人数を絞るところが多かった模様。
まあ必然身内大会みたいになる。
負けは青白コントロールとラクドスミッドレンジ。
青白コン相手の負けは《放浪皇》《ポータブル・ホール》のピン除去連打を咎めきれず1本を落とし、サイド後のゲームはダブルマリガンからのマナスクリュー。
こちらは基本的に有利マッチなのでとっておきたかった。
ラクドスミッドレンジ相手の負けは、メインゲームは後半のトップデッキ勝負でフラッド負け、サイド後は1マリガンからのマナスクリュー。
ランドトラブルはバントスピリットの負けパターンとしては起こりやすい方なので仕方がない。
土地に関するサポートが一切ないため、特にマナスクリューへの耐性は低い部類。ほとんど青白タッチ緑の形とは言えどパイオニアでは少数派にあたる3色デッキということもあり、カラー面でのトラブルも他の2色デッキ群と比較すれば勿論起こりやすい。
頻発するトラブル、というわけでもないのでこのあたりはデッキの振れ幅として妥協しなければならない部分。事故らぬデッキなど存在しない。
③7/31 店舗予選@遊ing熊本
参加者:32名(5回戦+SE2回戦)
3回目の店舗予選行脚。
このあたりからだんだんやる気が減退してきた。
遠征の道すがら「帰りたい…」とかいいながら会場へ向かう奴がいるらしい。
負けはイゼットフェニックスとラクドス。
イゼットフェニックス戦、メインゲームではライフを詰めにタップアウトしたらラストターンで《感電の反復》+《時間への侵入》を揃えられ、その過程で追加で落ちたフェニックスの分ライフが足りず負け。サイド後は初動からクロックを片っ端から《神秘の論争》連打でテンポよく阻害されてしまい、その片手間でキャントリップなどで手を進められ除去が温存される形に。ゲームががっつり遅滞し、勿論《集合した中隊》も通らず負け。
ラクドスミッド戦はメインサイド共に《致命的な一押し》《砕骨の巨人》を序盤から連打され、流石に息切れ。サイド後に至っては除去連打の挙句《思考囲い》をトップされ虎の子の《集合した中隊》も抜かれてしまい、完膚無きまで叩きのめされた。
デッキ概要の部分でも述べたが、クリーチャーデッキなので除去の連打は当然負け筋。「そんな都合よく~」的な感想になりがちだが、ミッドレンジを名乗るということは「そういうこともできる」器用さをもっているからなのだ。
「ラクドス相手は五分以上くらいはあるかな~」と考えていたが、この辺から流石に認識を改めサイドボードの改良にとりかかる(そもそもトップメタ相手に五分以上ならもうちょっと使われていいデッキだろ)
本当は別のデッキ使うことも考えていたが、次回のプレミアム予選まで間隔が空かなかったため断念した。
④8/11 プレミアム予選@MUGEN熊本
参加者:76名(7回戦+SE2回戦)
九州では唯一の開催となるプレミアム予選。
店舗予選とは異なり一発抜けの魅力は大きく、個人的にはサイクル1では本命の大会だった。
余談だが、この辺までくるとまあまあ連戦でグロッキー気味になっており当日も権利獲得者が2人になるくらい会場に人が溢れているのを見て憂鬱な大会開始を迎えていた。参加人数とラウンド数が発表された際、大会参加者達のLINEでのやり取りがこちら。
またしても一没。
負けはスイス・SEで当たったラクドスミッドレンジのみ。
スイスラウンドではメイン戦で《集合した中隊》1HITのハズレを引き展開負け、サイド後は1マリガンから4枚目の土地が引けず《集合した中隊》が撃てず負け。
SEでもやはりラクドスに負け。
メイン戦はお相手1マリガンから、前回の予選で当たったラクドスと同様片っ端から除去を当てられ続け、《集合した中隊》も引くことなく敗北。
サイド後は逆に《集合した中隊》連打で取り返すも、三本目は盤面作られてしまってから何かしらめくらないと負ける「お願い《集合した中隊》」をやるハメになって、見事めくりが弱すぎて負け。
今回はかなりラクドスを意識してサイドを構築していたので、そのうえで全敗のSE1没はまあまあショック。
この辺の反省については後程詳しく。
⑤8/14 店舗予選@レアルトマト別府
参加者:16名(SE5回戦+SE2回戦)
失意の中参加した最後の店舗予選。
こちらも身内多数。
結局ラクドス全敗じゃねーか!!!!!
対策はどうなってんだ対策は!!!!!
〇所感
サイクル1の挑戦結果を客観的に見れば、マジでただ「トップメタに勝てないデッキを握り続けた雑魚」というとんでもないプレイヤーと化していた。
一番遭遇率の高いデッキに全部負けるデッキ握ってるってマジ?
①対ラクドスについて
一応検証という名前の言い訳を書き連ねておくと、脳内想定ではあくまで「地上ビートダウンVS飛行クリーチャー」の認識があった。
除去の枚数で押される連打プラン(本編では大体これで死んでるが)は仕方ないにしても、ある程度は除去をかわしつつダメージレースで押し合う展開になればこちらに分があるパターンも存在するだろう・・・という甘い考えを覆してきたのが主にこいつだった。
《墓地の侵入者》の「日暮」は構える展開を得意とするバントスピリットにとって一度出ると夜への変更を余儀なくされるパターンが多い。
打点もさることながら、問題は墓地掃除に付随するライフゲインの方。
序盤の掃除されてしまったクロックを種にライフを回復され、ダメージレースを逆転させてくるのが非常に厄介。
盤面で止めようにも、《スカイクレイブの亡霊》による直接的な除去にしても《鎖霊》によるタップを試みるにせよ護法で触れ辛い。
除去とクロックを兼ねる《砕骨の巨人》の方も十分に嫌だが、あちらはクリーチャーを出す順番でケアする等プレイング面での回避が可能だ。
あちらにとって不要牌だと思っていた地上クロックに悩まされることになったのはかなり誤算だった。
メイン戦の相性がよくないと感じ、単純に母数が多いことも含めてより明確に意識したサイドボードの構築が必要に迫られることになる。
②サイドボードの再構築
戦績レポートの項で少し触れたが、7/31の熊本遠征での敗戦を受けいい加減に認識を改めるべきだと考えサイドボードの改良に着手。
最終的には冒頭で紹介した形となったが、直近のMOパイオニアチャレンジの5-0リストを参考にした。
ほとんどあちらのコピーになるが、主に従来のバントスピリットのサイドとは異なる点だけ簡潔に述べることにする。
・《高尚な否定》
従来は《霊気の疾風》+《軽蔑的な一撃》の組み合わせ(少量《神秘の論争》が採用されることもある)が多かったカウンターの枠がこちらに挿げ替えられている。
これはまずカウンターがサイドから必要になるマッチアップがほぼ「緑単」「青白コントロール」の2つだけに絞られたという点が大きい。
そして特に緑単に対しては、3マナ~5マナ域にカウンターしたいアクションがそれぞれあり、かつ生物・非生物スペルが混合していることから《否認》《軽蔑的な一撃》では守備範囲に不安が残ってしまう難点があった。
《霊気の疾風》ならマナ域はカードタイプを問わず対応可能だが、「脅威の先送り」にしかなっておらずこちらが一方的に攻めている展開でしか有効性が発揮しえない。
また《霊気の疾風》に関しては対ラクドスにおけるサイドボードしての側面もあったのだがこのカードは基本的に軽量なカードが多いラクドスにそこまで有効なサイドカードではないと感じていた。
この点《高尚な否定》はこのデッキではほぼほぼ4マナ要求のカウンターとして運用可能で、カードタイプを問わず確定カウンターと遜色ない威力を発揮する。
マナが伸びてしまうと軽いカードに対する圧力が下がってしまうが、そもそもバントスピリットはロングゲームをするデッキではないためほぼ無視できるデメリット。これによりカウンターの枠を若干節約することが可能になった。
・《墓所の照光者》
微弱な墓地対策と、《未来予知》系のアドバンテージ能力を兼ね備えた生物。元々《集合した中隊》以外カードカウントを増やすことのできないデッキなので、ラクドス含めた除去を使ってくる相手への息切れ防止要員。一応以前から採用実績はあるカード。
単体だけで見るとやや重く、アドバンテージの獲得は不確実な部分もあるので消耗戦対策オンリーで見るとそこまでのカードだが《鎖鳴らし》《集合した中隊》からのインスタントプレイが非常に強力だった。改良前はサイドにしか登用していなかったが、ラクドス対策としてメイン・サイド併せて複数採用する形にした。
・《救出専門家》
ニューカペナから参戦した期待の新鋭。
スピリットではないため部族サポートを受けることはできないが、リアニメイトの能力が強力。
序盤の攻防で捌かれがちなクリーチャーは全てシステムクリーチャーとしての側面を持つので、戦闘に参加できないデメリットよりも「戦場に戻ってくる」こと自体が重要であることが多い。
《集合した中隊》にも無論対応しており、CIPによる即効性で息切れ防止に素早く届くアドバンテージを提供してくれる。対ラクドスにおいては地上戦力とはいえダメージレースを押し戻すライフリンク持ちでパワー3であるのも非常に重要。
不意に苦手なアグロデッキに遭遇した際にもサイドインできるユーティリティがあるなど、これ以上にないサイドカードだと気づかされた。
スピリットではない点についても、サイド後除去が増えてくることを想定するならロードクリーチャーによる打点バフの恩恵はそもそもスピリット部族にこだわったところで受けにくくなることからサイドアウト候補になりがちな《天穹の鷲》とはチェンジしやすいカードである。
そう、後はこいつさえいなければな!!!!
相手の墓地からも追放できる《墓所の照光者》はともかく、《救出専門家》の方は特に序盤の攻防で手札に温存していると突如として裏目を踏みうぼぁーするという看過しがたいかみ合わせが発生する。実際プレミアム予選のSE1でこれをアテにしたキープで見事《墓地の侵入者》が3T目に登場して椅子から転げ落ちるハメになった。
総合して通常の息切れ防止手段としては素晴らしいものを持っているカードだが、肝心のラクドス戦では割と裏目におびえることになってしまう点では若干の不満が残ったといえる。
③結論
〇旅は続く
というわけでサイクル1における予選は突破できずじまいに終わりました。
とはいえ11月名古屋に開催されるプレイヤーズコンベンションなるイベントはパイオニアで行われるとのことで、引き続きパイオニアの調整を怠るわけにもいかなさそうですね。
そして10月からドミナリアの発売後の環境でチャンピオンシップ予選のサイクル2が実施されます。
また懲りずに九州各地に出かけることになりそうです。
対戦の際は皆さまよろしくお願いします。
以上、大変長くなりましたが今期チャンピオンシップ予選を抜けられなかった敗北おじさんの反省文約10000字でした。夏休みの宿題みたいなアレということで一つ。
お読みいただき感謝。
また次回、どこかの大会でお会いしましょう。