【No.1】 大型犬と共に生きる
初めて書きます。
拙い文章ですが、どうかお手柔らかにお願い申し上げます。
【犬と暮らす現在の私】
我家には、ゴールデンドゥードル
と、ゴールデンレトリバー
の大型犬2匹が居る。
実際には3匹だが、この子の事は後述する。
ゴールデンドゥードルが兄(先に迎え入れた)今年10歳。
ゴールデンレトリバーが弟。今年9歳。つまり、2匹共にシニア期の男である。
兄は神経質で弟はマイペース。
そんな我が子達。
【ゴールデンドゥードルという犬種】
ゴールデンドゥードルという犬種を知ったのは、遡る事2010年頃...だったか...
イギリスの車番組、TopGearという番組を観ていた時だった。
くりくりとした毛並み、何とも愛くるしい顔のもふもふな大型犬で、(後に違う犬種である事を知ったのだが)直ぐに虜になった。
当時は「可愛いなぁ」と、その犬が出演するのを楽しみに待つ、程度の印象だった。
【犬と暮らすなど考えもしなかった私】
私には、犬にまつわる幼少期のトラウマがあり、犬と暮らすなどという事は考えもしなかった。
昭和生まれの私が子供の頃、野良犬がそこら中にいた時代だった。
今なら保護活動センターや保健所の体制が整っていて、直ぐに保護されるだろうが、その当時は違った。当たり前に野良犬がいたのであった。
例外なく、私の家の周りにも野良犬はいた。
ある日、1匹の野良犬が私に懐いた。今思えば、歳は4〜5歳くらいの中〜大型犬程の体格だったろうか。
毛並みは濃い茶色の雑種で、お腹を空かせていたのだろう。何となくわからないなりに食べ物を与えた。それから懐き、朝や夕方に食事を求めて家に来ていたのだった。
【無知故の過ち】
ある夕方、家族で夕飯を食べていると、その野良犬がいつものようにご飯を貰いに来た。私は家族に食べていた骨付きの唐揚げ(鶏肉)を「あげてもいい?」と聞いた。「いいよ」と言われ、私は窓を開け、骨がついたまま庭に投げた。
「バリボリバリボリ...」音がする。
食べてる、良かった。
しかし、今考えれば本当に恐ろしい事。
鶏の骨は縦に裂け、鋭利な形状になる。最悪、喉や内臓に刺さる。
とても危険な餌やりを、無知な私はやっていた。しかも人間が食べる、味付きの唐揚げだ。
当時は知る由もなく、骨付き唐揚げを音を立てて食べる野良犬を見て、無知な私は無垢に喜んでいた記憶がある。
【仔犬を連れてきた野良犬】
いつもご飯を貰いに来ていた野良犬を、暫く見ていなかった。
その事を、気にも留めていなかった私。その程度の気持ちだったのだろうか。
そんなある日の午前中、野良犬が突然現れた。1匹の仔犬と一緒に。
今思えば、母親になったのだろう。
当時は性別すら認識していなかった。
子供だった私には全く意味が解らず、単に野良犬が仔犬を連れてきた、それだけの印象だった。可愛いね、可愛いね、それだけだった。
仔犬と遊んでいると、我が家の玄関先でその仔犬が何かを吐いた。私の母親もそれを見ていて、犬を追い出すように掃除を始めた。
「どっかにやりな(連れて行きな)さい」的な言葉だったか、怒られた印象がある。
犬を玄関先から外に出し、その母犬は何かを察したように、仔犬と共にどこかに行ってしまった。
それ以降、その野良犬を見ることはなかった。
居なくなればそれはそれで寂しかったのだが、成長期の私は、テレビゲームやサッカーに夢中になっていき、いつしか野良犬の事など忘れてしまっていた。
【なぜか野良犬の事を思い出す】
成長し少しずつ大人になって、野良犬の事をふと思い出す事が幾度となくある。
どんな思いで母犬は私のところに自分の仔犬を連れてきたのか。
助けを求めてきたのか。
お腹が空いていたのか。
仔犬と共に私と一緒に居たかったのか。
母犬の事を思い出すと、やるせない気持ちになった。
当時の私に知識は無くとも、何か出来たはずだった。
家族にお願いして、家で飼いたいと言えたはずだ。
「助ける」なんて人間のエゴ、烏滸がましい考えではなく、最初に食べ物を与えた責任というか...漠然とした罪悪感、何かを感じた。
母犬を思い出し、自己嫌悪に陥る時もある。
そんな母犬に対する罪悪感があり、私が犬を飼うなど考えもしなかったのだ。
その2に続く。