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おばあちゃんになっても


こんばんは、SILK/micahのmicahです。

今週3月17日から開催する個展『UNTITLED』

このnoteはSILK/micahで共著しています。
撮影秘話だったり、私たちの中にある気持ちをほんの少しお見せするnoteになればいいなと思っています。

開催を目前にして皆様とお会いする時間を待つのみとなりました。準備をしているときは間に合うだろうか、もうわたしには無理だ!!!!ってたくさん弱音を吐いてそれでも作業の手は止められなくて、なにより締切は待ってくれなくて。
そんな怒涛の日々がすでに懐かしくも感じる開催直前のドキドキしてそわそわして心がふわふわする時間がたまらなく好きだったりします。


そして開催目前にタイトル 突然どうした?!ってなるやつ。


撮り溜めた2年分の展示作品を見返しつつ、いろんなことを思い返して、そんなこんな日にこのnoteを紡いでいます。
覗いてくれたあなた、ありがとうね。
ちょっとわたしの内面に踏み込んだ内容を投稿したいと思います。

突然切り込んだ話


ふとした時にSILKに伝えたことがあります。
まだ個展のこととか全然決まってなくてふわふわした段階の頃。1年くらい前かな。

「歳とっても、おばあちゃんになっても撮ってほしい」

めっちゃくちゃ突然。
なんで伝えたんだろ、ロケ撮帰りにめちゃくちゃ美しい景色を目の当たりにしてあと何回こんなすてきな景色を見れるんだろうって考えて撮影中ちょっぴり泣いちゃった時かな。
個展が近づくにつれて終わりが待っているようで寂しくなって切なくなって
個展が具体的になればなるほど、当たり前なんだけど現実味を帯びてきて個展が終わった先に何が待っているんだろうって考えるようになって

なんとなく伝えたくなった。

個展が終わってもその先の約束がほしくてそんな無謀とも思えるお願いをした。
何年経っても一緒に美しい景色を探して、体いっぱいに感情を落とし込んで嬉しい楽しい哀しい愛おしい表現を一緒にしたくて。
でもそんなこと望んでもいいのかなって思ったこともある。そんな先の約束を伝えて、困らせないかなって。


SILKからの返事はあっさりしたものでした。

「当たり前じゃん。撮るに決まってるよ」

軽!めちゃくちゃ軽率な返事きた!
さっきまで無謀なお願いをしてた気持ちだったのにぜんぶひっくり返された!
むしろちょっと返事が分かりやすすぎてこっちの反応が一瞬遅れちゃうやつ。
でもすごくすごくありがとうって気持ちだった。
心の中でつっかえていたモヤモヤがなくなっていく気持ちだった。


界隈でよく聞く話

カメラマンさんからモデルさんに向けて
「ずっと君を撮らせて欲しい」
そんな話はよく聞くけど逆ってあまり聞かない。
何故なんだろうって思いました。

わたしはずっと思ってた
最初こそ伝えられなかったけどSILKにずっと撮って欲しいって。
きっとこの人ならそれができる人なんじゃないかって思った。
お母さんになってもおばちゃんになっても、おばあちゃんになっても表現者のmicahとして撮って欲しいって。

でもさ、SILKがカメラを写真をいつまで続けてるかわからないから言い出せなかったんですよね。
私の場合、写り手をやめても、体型がどうとかは置いておいて身体はもちろんあるからどうであれ写ることはできる。
でもカメラをやめてしまったら、手元にないかもしれないから物理的に撮ることが出来ないっていう問題が出てくるから。

きっとモデルさん側には事情は各々あれどそんなジレンマもあるのかなって思った。

でもそんなの関係ないなって思ったふとした瞬間というか出来事があったんです。


カメラをやめた

2020年の秋に私たちも参加させていただいたリアルポートレート名古屋にお越しいただいた方は覚えていらっしゃるでしょうか。砂と傘とわたしの写っている作品。(めちゃくちゃ雑な紹介になってしまった)
展示作品の中にブックが2種あって、作品解説じゃない方に私たちの2人が好き勝手に文字を綴ったブックがあったことを。

そのSILKの冒頭が『僕はカメラを辞めた』でした。

実はあのブックの内容は各々が何を書くかなんて打ち合わせをせず本当に好き勝手に書きなぐって、そのまますり合わせをすることなく編集、印刷、設営。当日現物を見るまで何が書かれているかわからないものでした。

ブックを開いた瞬間のSILKの第一声がそれ。
やっぱりそうだよね、って私の中で答え合わせをした気持ちでした。


2020年の春、はじめての緊急事態宣言が発令されて嫌でも撮影に行くことがなくなって、何ヶ月か先のSILKとの予定もいったん無くなったりしていた。
当時SILKのnoteから『この人カメラやめちゃうかもしれない』という感情とも感覚とも分からぬものがが漏れ出しているのに気がついてしまったんです。

わたしは居てもたってもいられなくて連絡した。
媒体はなんでもいい、撮影の感覚を、楽しさを忘れないでほしいと思ってSNSで流行っていたリモート会議にも使用されているzoomを用いた遠隔撮影に誘った。
その時間はただただ楽しかった、一眼カメラがなくても何かを一緒に作る事がこんなにも楽しいのかと思えたのが。カメラを辞めてほしくなくて私から誘ったはずなのに、むしろ私のほうがカメラの前に立つことが楽しいのではなく、SILKと何か一緒に表現することが楽しいと気づかされたのです。
媒体なんて関係なかったんだって。

それから感染拡大も一旦は落ち着き、撮影も徐々に再開、撮影スタイルは現在の天空メインとなります。

SILKの撮影スタイルがカメラから天空撮影に切り替わった時も違和感は一切ありませんでした。
特に疑問にすら思わなかった。
何か言われたわけでもなかったけど感染対策とか考えたら距離感的にも適正だし、なによりSILKが楽しそうで自由だったから何も言わなかった。
言う必要がなかった。

一緒に作る楽しさを知っていて、媒体なんて何も関係ないことに気がついている私は無敵でした。
だから先のことなんか考えてたら言えるものも言えないよね!って。

カメラから天空撮影に変わったように、次はまた違う表現方法になってるかもしれない。
もしかしたらフィルムになってるかもしれないし、動画になるかもしれないし、絵になってるかもしれないしダンスになってるかもしれないし音楽になってるかもしれない(跳躍しすぎ)
そういえば、とある撮影をきっかけにまたカメラでも撮るようになった。その時も2年ぶりにSILKにカメラを向けられて一瞬戸惑いはしたけど違和感はなかった。違う切り口での表現を見つけてより一層活動が楽しくなりました。
とあるSILKの投稿にみんな口をそろえて「おかえりなさい」ってSNSでコメントしてたけど、逆にそれが違和感を覚えるくらいだった。

媒体はなんでもいいんだ。
SILKと表現できたらわたしはそれでいいんだ。

だから言った。
だから言えた。

そしたら想像以上の返答もしてくれた。
びっくりして声も出なかった。
嬉しかった。

双方向の気持ち


撮りたい気持ちと撮られたい気持ちが、お仕事とか責任とか全部放り投げて、フラットな気持ちで双方向一緒じゃないときっとこれって成立しなくて

私が思っていた上記をSILKも考えていたかもしれない。
写り手をやめたい、カメラじゃないと嫌なんじゃないか、とかね。
そういうことも含めて、いまの私たちは共有する。

一緒にやるってこういうことなんだなって思った。
やりたいこと、やりたくないことを素直に共有できるってすごく安心できるんだなって。

いろんな考えがあると思うし、一個人の考えなのでもちろん誰かの活動に対して否定、意見しているものでもありません。
あくまで私たちはこの活動の形が思っていた以上にしっくり来ていて心地よいと気が付かされたってかんじの話です。

SILKとは撮影をし始めて5年目になるけれど、ちゃんと伝えられてよかったって思います。
言葉にするのは怖いけど、一歩踏み出してみないとわからないことは沢山ある。
1人ではできない表現だからこそ、自分のやりたいこと、信念、好きなことを信じていけばどこかで誰かと道が交わってそんな相手を見つけられるんだなって思います。

そして私たちが積み上げた先に何が待っているかわからないから、個展を前に思い出した小さな小さな約束かもしれないけれどシンプルで心の中にしまい込んでいたこの気持ちをあえて言葉にすることで大切にしたいなと思ったのです。

そして、ついに始まります

ついにやってきた個展『UNTITLED』
3月17日からの4日間がどんなものになるのかいまからたのしみで眠れないかも。きっと一生忘れられない4日間になるなって今からワクワクしてる。
どんな方が来てくれるのかな、どんな話ができるのかな。

初日のオープンは13:00となっていますのでご注意くださいませ。

私たちの感じた美しい世界をぎゅっと詰め込んだ黒部屋
私たちの記憶の一部、等身大の世界をまとめた白部屋
想像以上のゆったりとした空間で見ていただけるかと思います。


会場でたくさんの方にお会いできることを心よりお待ちいたしております。



あ、おばあちゃんになっても
よろしく頼みまっせ!!!!!

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UNTITLED
SILK / micah PhotoExihibition
2022.3.17(木)-2022.3.20(日)
Gallary White Cube Nagoya 
〒460-0002 
名古屋市中区丸の内2-15-28
ビッグベン丸の内4階
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