SILENT HILL2 (PS5)
2024年にコナミデジタルエンタテイメントから発売されたゲーム。2001年に同社より発売されたPS2向けゲームのリメイク版。
開発はBloober Team。
サイレントヒルシリーズに関する個人的な思い出は下の記事のとおり。
この中で書いたとおり、トレーラー発表の時点ではあんまり期待してなかったんだけど、やはり思い入れのあるシリーズ、かつ2は昔遊んでかなりのめり込んだので結局購入した。
結論から言うと最高。期待できないとかナメた発言してすみませんでした。
ビジュアル
リメイクのトレーラーが出た時個人的に一番引っかかったのがジェイムス含めたキャラクターの外見がかなり変わっていることだった。
オリジナルのジェイムスは表情があまり動かない、何を考えてるかわからない男だったので、トレーラーで発表された新たなジェイムスの如何にも苦悩してまっせ的な顔で期待感が吹き飛ばされた。さらに続報で他のキャラクターのビジュアルが発表されるごとにおいおい全然イメージと違うじゃないか、という思いが高まっていった。
実際にリメイクをプレイしたら、上記の懸念は完全に杞憂に終わった。フェイスキャプチャで取り入れられた表情の演技はキャラクターに深みを持たせることに完全に成功している。英語音声でプレイしていたが、セリフを言い淀んだりするときの演技が極めて自然なのも驚いた。完璧だと思います。あらためてすみませんでした。
コンバット
戦闘シーンを集めたトレーラーを見た時、なんかすげぇ違和感あるなと思った。TPSにカメラが変更されたこともあって、ジェイムスの角材フルスイングの迫力が増して見えたのも違和感の原因だったと思う。
実際プレイしてみると、限られた視界の中で敵を倒すというシチュエーションにおいてこの命懸けのフルスイング感はかなりリアリティのある表現だと感じた。ジェイムスから漏れる半ば悲鳴のような声も没入感に貢献していて、ゲームとして敵を倒すという概念を超えて、暴力を振るっているのだというイヤーな実感があるレベルの表現になっていると思う。
ちなみに、今作の回避は結構性能が高くて、攻撃モーションの割と途中でも回避に切り替える事ができる。ハードだと敵の攻撃が結構痛いので、この仕様はとても助かった。疑ってかかった事、反省しています。
サウンド
サイレントヒルといえば、敵の接近をノイズで知らせてくれるラジオ。今作ではdualsenseのスピーカーから流れてくる仕掛けになっているんだけど、これがかなり良かった。ノイズ自体かなり不快指数の高い音なので、これを止めたいがために敵を全滅するという動機付けになるレベルで不快。鳴り止んだと思って一息つくと、曲がり角で静止していたマネキンに殴られる(静止している敵には反応しないため)のもめちゃくちゃ怖かった。
足音や風の音なんかの環境音もめちゃくちゃこだわりが感じられて、サイレントヒルの実在感をマックスまで高めてくれる。文句なし。
エンディング
元々の6種類に新たに2つ追加されて合計8つ。
今のところMariaとUFO以外は到達。
追加されたBlissエンドが個人的には至高。ジェイムスはもう現実には帰って来られないし、罪にも向き合えない男だと思っているのでこのエンディングは個人的にもっともしっくりきた。
In Waterの時のジェイムスの表情もかなり良かったけどね。リメイクの恩恵極まれりという感じ。
不満点
ほぼ100点満点の体験だったんだけど、個人的に少し気になったのはマップに書き足される文字のフォント。
これがもう少し手書き感のあるフォントだったらなぁ。まぁほんと重箱の隅をつつくような指摘だし、対応言語を考えれば無理なのは理解しております。
あと、アパートの落書きの部屋の謎解きは日本語だけだと解きづらかったかも。これもまぁ仕方ない部分というか、かなり上手く翻訳されてるレベルだとは思うけど。
まとめ
自分の見る目のなさを恥ずかしく思うほど、予想の正反対の傑作!プレイした後でどっと疲れが出るくらいの精神が削られるホラー体験でありました。KONAMIとbloober teamに最大限の賛辞を贈ります。トロコンも目指します!