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”組織変革”を諦めない!!        カンファレンス2024「秋」           10月26日開催を前に

こんにちは、JSHRM=日本人材マネジメント協会です。
まもなく開かれる今秋のカンファレンスのテーマはこちらです↓↓

【組織変革の仕掛け方                   ~人事から始まるイノベーション~】


 
○参加申し込みはこちらから
https://jshrm-site.my.canva.site/jshrmconference2024autumn       (カンファレンス特設ページ・10月24日まで受け付け)

 カンファレンス準備委員会では、基調講演を依頼した東京大学大学院経済学研究科講師の舟津昌平さんに、事前にインタビューを行いました。
そこで舟津さんが語ったこととは…。
開催を前に、改めてここでまとめたいと思います。
          (会員向けメールマガジンの内容を再構成しました)

 舟津さんは、著書「Z世代化する社会: お客様になっていく若者たち」や「組織変革論」等で知られ、経営組織論をはじめ、イノベーションマネジメントを​専門とする若手研究者です。その舟津さんが探求する組織変革の視点を通じて、現代の組織が直面する課題に対する洞察が深められる場を作りたい。準備委員会ではこうした思いで、今回、基調講演をお願いしました。

 舟津さんはJSHRMのカンファレンスで「組織変革論」を語ることについてどうお考えでしょうか?カンファには、人事や労務、キャリアなどを専門とする”人材マネジメントのプロフェッショナル”が集います。  

舟津さん
ーーーありきたりな言い方かもしれませんが、「変革は人がするしかない」ですよね。しかもそこにあるのは、やはり「主観」なんです。客観的に変革することはできなくて、「主観」がめちゃめちゃ大事ですよね。「主観を持って人が行うのが変革」と考えれば、組織における人事の方は大きな役割を果たすことになります。人がきっかけとなるなら、人事の方がそれを支えるんだと思っています。
 

 今回のカンファが”変革における人事の役割”を捉え直す機会になることが見えてきました。講演で舟津さんは、あるキーワードで変革について示したいといいます。  

舟津さん
ーーーーこれはいま進行中の案件なんですが、ある企業と共同研究を進めています。変革というのは、「結果的に変わらないように見えても変われる」というのがすごく大事だと思うんです。どういうことかというと、これを「アイドリングしている状態」だと思ってください。 アイドリングしているとき、車は走っていませんが、実際は、”いつでも走れる状態にするためにアイドリングしている”と言えます。組織も同様です。 ”見た目には変わっていないけど、いつでも変われるような状態にある”。このことがすごく重要だと思います。 いつでも変われる状態が起きているとする。やはりそれは、リーダーだけではなくて、ほかの従業員も、変革に対して肯定的だからアイドリング状態になれるということだと思います。組織的にそういう状況を作っていくことはすごく大事じゃないかと思っています。そう考えると、やはり人事の方の役割は増えてきますよね。

 一般に使われる”アイドリング”という言葉を組織に置き換え、変革に動き出す準備とするわかりやすい考え方ですね。では、こうした組織変革についてまとめた著書について、舟津さんはどのように捉えているのでしょうか。

舟津さん
ーーーー 組織変革論については類書もありますが、わたし自身が今回、特徴的と思っている点があります。この本は実は「そもそも組織変革は必要なのか?」という問いから始めていることです。これまでのほとんどの本は「組織変革は必要だ。変革をしないことや反対することは悪である」という内容が多くありました。
しかし、わたしは「そもそも変革は必要ないかもしれないのではないか」、あるいは「変革とは何なのか」と問うことから始めました。これは、主流派に対するアンチテーゼというよりは、”そういう柔軟さをもつことでいろいろ可能性が広がるのではないか”ということを提案したい考えからきています。
 
そして、読者の1人、実務家の方からある話を聞きました。その方は、「うちの会社では、変革するときは『変革する』と言わないんです。しかし、わざわざ変わると言わずにさらっと進めていくと、実は違和感なくいつの間にか変わっているものである。うちでは変革をこのように捉えています」と言うんです。「これをどういう風に解釈されますか?」と。
さらっと進める。このような柔軟性を持つということが、本書の1つのテーマでもあります。「変革するときに、変革すると言わずに結果的に上手くいくことがある」「それらはなぜ上手くいくのだと思うか?」
ぜひ皆さんと一緒に考えたいし、考えていただくきっかけになればと思っています。


 では「組織変革論」にあわせて、自分はどう変われるのか?カンファを機会に、「自己変革」についても考えたいと個人的には思っています。インタビューでは、組織変革と自己変革について紐解くヒントが提示されました。

舟津さん 
ーーー世の中でよく言われる変革とは、「環境に合わせていく」ということ。すなわち外的要因がきっかけになって中を変えていくことになりがちですが、それをいかに、自己変革=内部から自分たちで変えていけるかも重要です。
それでいうと、著書の中では、「キヤノン」のケースをひも解いて何がすごいかを考えています。それは”後から考えるとよくある話だけど、ちょっと早く取り組んでいること”。結果的に、ほかの企業は後追いか、やらざるを得なくなっていったという実態を書いています。
 
つまり、変革としてはあまり重要視されないのですが、実は「タイミング」というのがあるんですよね。往々にして、突飛なアイデアや、誰も思いつかないことというのはあまり必要でないです。ただ、誰かほかの人より少し早くやるのが重要なポイントになりうる。必要に駆られてからやるのではなく、ちょっと早く、ほかの人より先にやる、というのは自己変革に紐づくことになるかなと思います。
 

 舟津さんの著書では、日本を代表する企業を舞台にした詳細な組織論が展開されています。特に、元日産のカルロス・ゴーン氏に焦点を当てた事例では、”日産リバイバルプランを断行したのはゴーン氏ですが、アイデアはもともと社内にもあったはず”と記され、ゴーン氏のリーダーシップに触れたうえで、「組織」や「セクショナリズム」ついて多角的に捉えていて、勧善懲悪といった単純なものではない組織論が印象的でした。
 カンファレンスでも、参加者自身が、自分の置かれた環境や、所属する組織に置き換えながら、複合的な視点で思考を深める時間になるのではないでしょうか。


 さらに、後半のパネルディスカッションでは、株式会社サイバーエージェントCHOの曽山哲人さんにもご登壇いただきます。

 サイバーエージェントの人事部門を統括し、その道の先駆者である曽山さんの経験や知見からさぐる「組織変革の仕掛け方」とは何か、その秘訣を直接聞​くことができる貴重な機会となります。

 10月26日は、舟津さんや曽山さん、そして参加者との対話を通じて組織変革に関する課題感の共有や情報交換を行い、気づきを得る場として実りの多い時間となることを期待したいと思います。

改めて
○参加申し込みはこちらから(カンファレンス特設ページ)
https://jshrm-site.my.canva.site/jshrmconference2024autumn
 
 

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