1882年創業!福助さんに足袋ソックスについて聞いてみた。
靴下の企業の中でも最も古い歴史を持つ「福助」
日本の服装の変化と共に歩んできた企業と言える。
その福助に2024年秋冬の新作「福助人形足袋ソックス」について話を聞いた。
―まず、このアイテムの誕生の理由について教えていただいてもいいですか?
福助担当者
当社は足袋で創業した会社でして、足袋を履く文化が減っている中でも足袋ソックスは一定の人気があります。ただ、市場でも取り扱いが限られているせいか、手前味噌ではありますが「福助さんの足袋ソックスなら間違いない」というお客様の有難いお声を頂く機会がこれまで度々ございました。
足袋ソックスに関しては直営店舗のスタッフからも多くの要望がありました。ただ、無地の足袋ばかりではつまらない。一方で柄物にするとややお土産感が出てしまい、普段履きには使いづらいので、いかに足袋の福助と日常のファッションとしても着用いただける遊び心を融合させるか、スタッフとの会話も踏まえながら企画が進行しました。
そこで今回初めて足袋ソックスの柄として福助キャラクターを採用しました。
実は2020年頃にお寿司などの和モチーフを、日本ならではの繊細なハイゲージで再現したことがありました。
福助キャラクターをいかに可愛らしく、遊び心を持って表現できるか、デザイナーが工夫と試作を重ね完成した靴下です。
―大手の靴下メーカーで自社IPをしっかり持っているところって、福助さんしかないですよね。
福助人形柄の足袋ソックスが今回初だと言うのは意外ですね。
福助担当者
そうですね。
IPを省略化したものを単色で刺繍だけ、というものはあったのですが、このくらいリアリティのあるデザインで再現したのは実はなかったんです。
―なるほど!細かいこだわりなどはありますか?
福助担当者
難しかったのは、このふっくらしたお耳の感じ。
あと実は1か所だけ、お辞儀をしているんですよ。
―あ、本当だ!
福助担当者
あと、この「福」のマークも、当社が創業当時「丸福」という屋号だったことから、ちょうど後ろにあるのれんの、「福」の漢字を施しています。福助のIPになる前は「丸福」というIPだったのですが、当時の商標制度の問題で変更せざるを得なくなり、偶然伊勢参りに行ったときに出会った福助人形からインスピレーションを受けて、「丸福」から「福助」に社名を変更したんです。災い転じて福となった、という当社の創業エピソードです。
―今、現存している靴下メーカーの中で一番古いのって福助さんでしたっけ?
福助担当者
明治15年(1882年)に足袋装束商として創業したので、今年で143年目を迎えました。足袋の大量生産に成功し、当時高価だった足袋を手頃な価格で販売したことで、足袋の普及に一役買ったといわれています。靴下の製造は昭和7年(1932年)に開始しました。
―この靴下、デザインのお話を聞かせていただいたので、他にこだわりのポイントはありますか?品質などに関してなどはどうでしょうか?
福助担当者
日本製なので、細かい指示にポジティブに応えてくださる工場が多いんです。例えば、張り具合とか口ゴムの部分。
ゴムをちょっと柔らかめのものを使うことで、締め付けがそれほどキツくならない仕様になっています。
やはり工場がこういう足袋ソックスの仕様に慣れていらっしゃるんですよ。
だから、ちょっと親指部分を見ていただくとわかるんですけど、
ここに少し余裕があって、マチのようなものが付いているので、中で指がギュッと固まらないような仕様になっています。こういった細やかな配慮が日本の工場さんは得意なんです。
―なるほど!足袋ソックスをよく作るからこそ阿吽の呼吸で叶えてくれるのですね。
福助担当者
特に指の部分は、きついのも嫌だけど、緩すぎるのも気持ち悪いじゃないですか。そういうバランスや長さも大事ですよね。
親指の爪が2ミリぐらい伸びているだけでも、ここに引っかかってしまうので、指周りに適度な余裕があるっていうのは本当にすごく大事ですね。
―なるほどありがとうございます!皆様にメッセージがありましたらどうぞ!
福助担当者
靴下は面積が小さく形が決まっているからこそ、だれでも「おしゃれ心」や「ユーモア」を取り入れやすいアイテムです。
これからも品質を守りつつ、日常に花を添えられるような気分の上がるデザインをしていきます。
11月11日はくつしたの日
今回ご紹介したアイテムも「くつしたの日 LIMITED SHOP」で発売中です。
是非ご覧ください!
くつしたの日 LIMITED SHOP
http://www.js-hosiery.jp/kutsushitanohi2024/