G検定 G2023#5 合格体験記
今後G検定を受験しようかとお考えの方向けに、勉強期間やその方法の経験を共有いたします。
2023年11月にG検定の試験に合格した榛村純一です。この記事が今後G検定の受験予定の方に少しでも参考になれば嬉しいです。
(※1年ほど前のG検定合格時の勉強方法をLinkedInのブログで記事にした内容の転載ですが、ご活用いただけることもあるかもしれないと思い、noteでも公開させていただきました。)
そもそもG検定って何?
念のため、G検定の簡単なご紹介をしておきますと、一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するAIやディープラーニングの民間試験です。G検定は「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する」試験とされています。(JDLAのウェブサイトより)
G検定に合格した榛村はどのような仕事をしているのか?
受験当時、外資系の総合清掃機器メーカーにて、ECプロデュースやデータマネジメントなどを行っていました。IT/デジタル/データサイエンティスト系の資格などは特に持っておらず、AIや機械学習の知識のないAI初学者でした。
G検定をどこではじめて知ったか?
MBAの授業をしている際のディスカッションにて、G検定の存在を知りました。
G検定受験に至った背景やきっかけは?
今後の自身のキャリアにおいて、2つの潮流(サステナビリティとAI)に関する分野の理解を深めることが必要と考えていました。特にAI分野では、ディープラーニングに関する記事がビジネス系ニュースアプリやYahoo!ニュースなどで目にする頻度は日々増えていく状況で、ディープラーニングの基礎知識の理解はAIの世界では必要不可欠なのだろうと思っていました。
しかし、ニュースに出てくる機械学習やAIやディープラーニングの違いがわからないくらい知識がなかったため、何か体系的にディープラーニングのことを学べるものがあるといいなと思っていた矢先に、G検定というものがあることと、AIのビジネス活用の現場では、ビジネスサイドとエンジニアサイドのそれぞれの人が協力することがAIビジネスの成功には重要であることを知りました。
もちろん私はディープラーニングの分野のエンジニアサイドの人ではありません。そのため、ビジネスサイドでAIに関する基礎知識を持って、少しでもデータサイエンティストの方々や機械学習エンジニアの方々と共通言語でお話しできるようになることで、よりスムーズに会社や社会の課題解決の現場における新しいビジネス価値創出に貢献する役に立てればと思いました。
G検定のウェブサイトの内容を読み進めていくと、AI、機械学習、ディープラーニングの違いもよくわからない初学者の私には、ちょうど良い最初のマイルストーンのように感じられ、G検定受験を目指すことにしました。
G検定の受験勉強に取り組んだスタンスは?
これまでの合格率は50%以上という結果ではありますが、私はまったくのAI初学者ですし、横文字の新しい言葉や初めて知る概念も多いため、あせらずにコツコツと受験勉強をしようと決めて進めました。
会社によるサポートは?
ちなみにですが、私が所属している会社による受験料の免除や会社からの補助、報奨金の支給、給与アップ等のインセンティブは特にありませんでした。
いつからG検定の受験勉強を始めたか?
2023年11月上旬の試験日の約1か月半くらい前の10月から勉強を始めました。
G検定の受験勉強にどのくらいの時間を費やしたか?
G検定に限りませんが、受験勉強では合格と時間にはある程度の相関関係があると言われています。私の場合は、LinkedInとGLOBIS学び放題などのオンライン学習プラットフォームにて約15時間ほどAIやディープラーニングの関連動画を視聴しました。その他に公式テキストと問題集を使って約30時間ほど学習をしました。ですから私が合格に至った総学習時間としては約45時間です。
G検定の合格のために使った具体的な教材や活用した動画は?
【動画】LinkedInラーニング 10動画 + GLOBIS学び放題 1動画
【書籍】公式テキスト 1冊 + 問題集 1冊
具体的には、私は以下のものをG検定受験の学習に使いました。
【動画】
LinkedInラーニング 10動画(概括的な理解は動画がわかりやすいです!)
GLOBIS学び放題 1動画(これのおかげで合格後の手続き漏れを防げました!)
【書籍】(勢い余って公式テキストは2冊も買ってしまいました。(^^;)
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版 単行本(ソフトカバー)-(翔泳社)
※こちらは2024/5/27に以下の新版が発売される予定ですのでご参考まで。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版 (EXAMPRESS) 単行本 -(翔泳社)
一見分厚いので初学者には存在圧がすごいですが解説が丁寧で超助かりました。
G検定合格のためにこれらの動画や書籍を使った学習方法は?
上記教材を使用しての、おおよその学習スケジュールやペース、学習において工夫した点、学習時間の確保やモチベーション維持のために工夫した点などは、以下のような感じです。
試験1ヵ月半前の10月から勉強を始めました。といいますのも、それまでは進めていた仕事のプロジェクトの山場で多忙であったため、受験勉強に割く時間をとることが難しかったためです。
最初に、受験勉強の1か月半(6週間)を、2週間×3というように、3つに分けて予定を立てました。最初の2週間を概括的な全体理解、次の2週間を具体的な内容の理解、最後の2週間を問題を解いて記憶の定着化という具合です。
まず、概括的な全体理解のために、動画視聴をしました。オンライン学習プラットホームにあるAIやディープラーニングの講義を見ることから始めました。なぜなら、それまで私は、ほとんどAIやディープラーニングのことについての知識を持っていなかったためです。 私は目が悪いことやもともと活字を読むスピードが大変遅いため、概括的な全体理解は、動画と音声のほうが適していると考え、そのように工夫しました。
そして、知識ほぼゼロから概括的に全体理解をした後の、次の2週間で公式テキストを読み進めました。私にとってここが一番苦労しました。公式テキストの内容は、シラバスに沿って7つの章と事例集に分かれており、各章の最後に理解を確認する練習問題を解いていくのですが、とにかく読むスピードが極端に遅いこと、新しい言葉のオンパレード、年齢的な記憶力の低下など、当初予定していたペースで読み進めることができませんでした。そのため、2週間の予定のところ、1.5倍も時間を使ってしまい、3週間以上かかってようやく最後まで読み終えました。
そこから最後の2週間は、予定では問題集を解いて記憶の定着化をする予定でした。しかし、前述のとおり、公式テキストを読んでいくペースが遅すぎて、この最後の2週間のうち、前半1週間は、公式テキストを読む時間と、問題集を解くといった2つの予定をやらなければなりませんでした。ペースは余計に遅くなり、最後の1週間は、問題集を解くことを中心に勉強をしましたが、記憶したかった内容も自分的に曖昧であったため、その都度、問題集と公式テキストと行ったり来たり確認しながら問題を解くことで、とにかく内容理解と記憶の定着化に努めました。
G検定に合格できたからこそではありますが、自分のG検定受験勉強を振り返って、良かったかなと思ったことは3つでした。
1つ目は最初にざっくりでも予定を立てたこと、2つ目は予定通りにはいきませんでしたが、できるだけその予定に近づけようとしたこと、3つ目は自身のキャリアに必要であると考えていたことです。特に3つ目のことがモチベーションの維持に繋がり、1つ目と2つ目の行動に至ったように思います。
学習の中で難しさを感じた分野や、それを乗り越えた工夫は?
学生時代に数学が得意だったわけでもなく、聞いたことのない新しい言葉や概念が多く、機械学習の具体的手法、ディープラーニングの概要、ディープラーニングの手法は、学習を進めるに連れて、何が何の手法であるのか混乱しました。しかし、自分でその内容をノートに書いて繋がりや関係性を自分で理解しやすいように工夫することで、理解を深めました。特に人に見せるノートではありませんので、自分さえ理解できれば良いという気持ちでノートを見開きにして、マインドマップ的な書き方で頭の整理に努めました。もともとが内容や分野を簡単・難しいと言えるほどの知識を持ち合わせていませんでしたので、全般的に難しさを感じつつも、とにかくコツコツと学習を続けました。
学習を進める中で苦労した点、それを乗り越えた工夫は?
前述したとおり、当初計画した通りにいかなかったことが苦労しました。しかし、何のためにG検定受験をするのかに立ち返ることでモチベーションを持続できたことが、これを乗り越える力になったように思います。
G検定を受験してみて、良かったと思うことは?
現在のところは3つです。1つ目は、実際に機械学習のプロダクトを作っている方と話をさせていただいた際に、受験勉強をする前には知らなかった専門的な言葉を使われても理解することができたことです。2つ目は、自分の業務において、どういったことに機械学習を活用できそうか、その検討をつけやすくなったことです。3つ目は、G検定受験が、機械学習やAIやディープラーニングなどに関するより学びを深めたい意欲が湧き、2024年1月からMBAの卒業生向けの授業(アルムナイコース)の「AIリテラシーとビジネスプランニング」を、卒業後に再び母校で学ぶきっかけになり、G検定受験のその先のマイルストーン設定に繋がりました。
学習したことを活かして、今後挑戦してみたいと思うことは?
現在、ECプロデュースやデータマネジメントを業務としているため、それらの分野における機械学習の可能性を強く感じられるようになりました。そのため、ほかの手段では難しく、機械学習であれば生産性を大きく向上させることができるような課題が発見できた場合には、挑戦してみたいと思います。 例えば、Amazonに代表されるECでのレコメンド機能は、すでに実証された成功例としてすでにビジネスインパクトを残しています。すでにあるライブラリや、現在の社内で蓄積されているデータを活用することで、G検定の受験のために学習したことを活かしたシステム構築の挑戦も外部の専門企業の方々と協力して、色々できそうに思いました。また、既存のビジネスへのインパクトだけではなく、これまでのキャリアで新規事業開発を行ってきた経験と掛け合わせて、新規ビジネス創出にも挑戦し、より会社や社会の課題解決に貢献していきたいと思いました。
今後G検定を受験しようかお考えの方に、1つでもお役に立てていただける情報が含まれているようでしたらとても嬉しいですし、これからG検定受験をお考えの方を心より応援しております!