夏と外部実習
定期試験も終わり、季節は7月。夏です。6月初旬くらいから私たち研修生には「担当犬」が割り振られ、それぞれの犬たちのケア(グルーミングなど)やトレーニングを中心に毎日が流れていきます。
私たちはG胎(兄妹で頭にGが付く名前で統一します)とH胎が担当になりました。私の担当は1歳になって入所したばかりのがく(ラブラドールとゴールデンのMIX)とハリー(黒ラブラドール)でした。
興奮が高めでやんちゃ坊主という表現がぴったりのハリーは、トレーニングにおいてはテンションを上げて犬たちを興奮をさせやすい私に「落ち着いて対応すること」を教えてくれた犬です。
がくは不思議なところがあり、何と言うかつかめない感じでした。始めて間もない未熟者の私と、トレーニング中に一緒に迷い込むことが何度もありましたが、その都度「いやそうじゃない」「それは納得できない」と表現するがくに「じゃあこれはどうだい?」「こういうのはどうかな?」と犬たちと相談することを教えてくれたのはがくでした。これは今でも私のトレーニングの真ん中にあって、「トレーニングは犬たちと相談しながらやってます」とお話させていただくことも多いです。
Sitの位置が少し後ろなので・・・
マグネット誘導で少し前に動かします。
もちろん、レッスンや講義も変わらずびっしりありました。何となくトレーニングについて少し理解し始めたころ、夏休み期間がやってきます。夏休みは約1ヶ月、27歳の私にとっては学生時代以来の夏休みでした。
ダウンの練習
パブリックトレーニングの様子、貴重な3ショット
外部実習始まる
しかし!日本介助犬協会研修生の夏はただのお休みではありません。この期間に他の育成団体への外部実習が待っていたのです!
今思えば本当にすごい事です。いや、夏休みが休みじゃないってことじゃないですよ。
全国にある盲導犬育成団体さんに1週間から長くて10日間も実習生として受け入れていただくことがどれだけ大変か。今じゃ考えられないカリキュラムだったなと思います。ちなみに私たちが希望したのは
・北海道盲導犬協会さん(北海道札幌市)
・東日本盲導犬協会さん(栃木県宇都宮市)
・日本盲導犬協会さん 富士ハーネスの里(静岡県富士宮市)
の3団体にそれぞれ2名ずつ伺わせていただきました。私は宇都宮市の東日本盲導犬協会さんを希望しました。
実習はとにかく内容が濃かったです。私が東日本盲導犬協会さんを希望したのには訳がありまして、私が研修生として所属している日本介助犬協会と規模や地域感が一番近い育成団体に行きたかったのです。
北海道盲導犬協会さんは対応するエリア規模(北海道全域)がとても大きいです。日本盲導犬協会さんは全国に4拠点を構える業界の牽引者ですので、これも違うと・・・
東日本盲導犬協会さんの素晴らしいと感じたところは地域との連携意識が高く、足元からの支援強化や地域大学との共同事業などが魅力的でした。そして「ふつうこんなところに実習生が入っていいの?」と思うような会議などにも「勉強になるから」と参加させてくださる温かさ、BBQでご飯をごちそうになったり、地域大学との共同プロジェクトにも同席させていただきました。犬舎管理の作業中に若い職員さんの「将来は私も訓練士に」という夢をお聞きしたりして、私もグッと力が入りました。本当にありがたい1週間でした。
外部実習その2
そしてもう一つ、研修生全員が行かせていただく研修先が「アニマルファンスィアーズクラブ」さん、通称AFCです。
アニマルファンスィアーズクラブHPより
詳細はぜひHPをご覧いただければと思います。
約1週間、住み込み形式でお世話になりながらトレーニングのみならず、動物との共生について学ばせていただきました。
1週間の研修はあっという間でした。
今回はここまで、この後研修生の私たちは忙殺の後半戦に入るのですが、それはまた別のお話です。
介助犬1組の育成には240万円~300万円ほど費用がかかります。 みなさまのご支援をよろしくお願いします!