うちの子吠えるんです・・・
トレーナーであることを伝えると話題に出ることが多いのが、この「吠え」と「お散歩の引っ張り」のお話です。
あ、記事ではあまりそれ(トレーナー)らしくないともっぱらの噂、どうも遠藤です。
今日は「吠え」について一つの考え方を書いてみようと思います。
色々な要素が絡んでくるので、これという決定打が打てない部分ではあるのであくまでも参考程度にお読みいただけると嬉しいです。
特に訓練を生業にされている方から「それはちがう」とか「こうするべき」とか言われても正直困ります。そんなレスが来た日にはもう気になって気になって夜しか眠れなくなります。
吠えている我が家の犬を見て皆さんは何を考えますか?
犬たちが吠えるのってなぜだと思いますか?
これを考えることが私的には第一歩です。
・何かを守っている(テリトリーとか家族とか)
・何かを欲しがっている
・遊びたい
・怖がっている
・さみしがっている
などなど、理由はいろいろあると思います。
何かを守る、怖いなどからくる吠えはいわゆる「警戒」と言われる部類、何かが欲しい、さみしい、遊びたいなどは「要求」という部類としましょう。
ちょっと考え方の整理をしてみましょう。
①犬が吠えている
②犬が吠える環境になっている
①は犬に責任を持たせています。吠える犬、吠えない犬と犬の性質で分けていますね。
トレーニングを考えるならば、「吠えさせない」という方向性になりますかね。若干矯正的な印象を受ける方もいるかもしれません。
②は吠えてしまうような環境にしてしまっている、つまり人間もまた責任の一端を持っています。
トレーニングを考えるならば、「吠えにくくなるような環境設定」などが挙げられますね。人、物、音など周りから変えていく感じです。
では次にこちらを想像してみてください。
「あなたはどうして怒るのですか?」
①私はもともと怒るのが好きな性格です。
②怒るようなことがあったからです。
①という人もあるとは思いますが、怒りたくて怒っている人は少ない気がします(個人見解)。「あーあ、怒らせるようなことをするからだよ」なんて言葉も耳にしますよね。
ではお宅のワンちゃんはどうして吠えると思いますか?
吠えなくてよい環境を作れていないからという考えを一つ入れてみてほしいです。
実際に環境整備となると情報がかなり必要になり、何に吠えているのか(原因)、どういう吠えなのか(吠えの種類)、なぜ吠えているのか(環境はどうか)・・・など情報を得たうえで「じゃあどうしたら吠えなくて済むのか」を考えていきます。
イベント先で「うちの子が吠えるんですが、どうしたらいいですか?」とご相談いただいても、その場でお答えできないのはこういう背景もあります。
今回は、一つの考え方をご紹介しました。もちろんこれがすべてではないのはご理解いただけると思いますが、私たち日本介助犬協会は「犬が」「犬のせいで」という考え方で犬だけに責任を持たせないようにしています。
もちろんどう思うかは人ぞれぞれです。
が、本当に犬たちだけの責任でしょうか?何か吠えてしまうような要素がありませんか?
「うちでは暴れん坊なんですけど、トレーナーさんが来るといい子になるんです」
私たちは魔法を使っているわけではなく、好ましい行動になるように設定をしています。そしてその後に犬たちにも学んでもらいます。「吠える必要がなければ吠えなくていいんだよ」と。
ちょっと難しいお話だったかもしれません。
でも時々、こういうのをやらないとただのふざけているおっさんになりそうなので、今回は少しトレーニングのお話をさせていただきました。
ではまた!
遠藤大輔