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フィッシング対策に日本語力は重要だよね、というお話

みなさん、こんにちは。セキュリティマーケターの古溝です。
欧米のセキュリティ動向に常にアンテナを張り、日本企業を攻撃者の魔の手から守る製品・サービスを、24時間あれこれ考えて生活しています。まさに、現代に蘇りし軍師の如く、です。
ということで(ん?)、今回は軍師ではなく釣師=釣り、と日本語について話していきます。
 
IPA)情報セキュリティ10大脅威2022の個人部門で堂々の一位に輝いた「フィッシングによる個人情報等の詐取」ですが、フィッシング=fishingだと思っていませんか?サイバー攻撃におけるフィッシングはphishing と表記します。なぜ”F”ではなく”Ph”なのか、は諸説あって定かではありませんが、総務省は「魚釣り(fishing)と洗練(sophisticated)から作られた造語であると言われている」と言っていますので、日本にお住まいの方は総務省説で覚えておきましょう。
 
さて、みなさんのお手元にもフィッシングメールが日々届いているかと思いますが、よ~く読んでみると大部分が「日本企業のテンプレビジネス文」になっていないことが多いのではないでしょうか。
日本でのビジネス文は季節や謝意の言葉から始まりますが、フィッシングメールのほとんどは単刀直入に主文から始まるケースが多く、文章力のある方なら、助詞の誤用も併せてよくよく見直すと違和感ありありなメールであることに気づきます。
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ニコニコニュース 「本当に騙す気ある?」面白い迷惑メールの文面を紹介
 
フィッシングではないですが、言語的な問題が露呈したケースとして有名な事例は、2012年に起こった、かの有名なハッカー集団「アノニマス」による霞ヶ浦河川事務所サイトの改ざん事件です。(事の経緯は省きます。興味のある方はググってみてください。)霞ケ関を狙うはずが、間違って霞ヶ浦を攻撃してしまったという、言語由来のターゲット設定ミスでした。東京の中枢機関を攻撃するはずが、茨城が誇る水郷を攻撃しまったというお話です。
 
また、”かすみがせき”でも使い方を間違うと、とんでもないことになってしまうので要注意です。
・霞が関 ・・・ 言わずと知れた東京都千代田区にある地名
・霞ケ関 ・・・ 大きい”ケ” 霞が関最寄りの駅
・霞ヶ関 ・・・ 小さい”ケ” 埼玉県川越市にある駅
また、霞が関に日本の中央官庁が集まっていることから、政府中枢を
表現する場合に使用
 
ちなみに、”かすみがうら”も複数ありますので、無駄な小ネタとして覚えておくとよいでしょう。
 ・霞ケ浦 ・・・ 大きい”ケ” 茨城県南東部の湖の正式な地名
 ・霞ヶ浦 ・・・ 小さい”ケ” 霞ケ浦の一般呼称
また、三重県四日市市にある駅
 
日本語って、世界的に難解な言語として常にトップにランクインするし、日本人でもビジネス文はハードルが高かったりしますよね。ここはひとつ、日本語力をアップさせることが肝要かも知れませんね。学び直し、大切です。