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当たり前の価値について考えてみる

教育小委員会副委員長の秋山です。職場への通勤はつくばエクスプレスを利用しているのですが、先日通勤時間帯に運転見合わせに遭遇しました。そこには、寝坊をしなければ、職場に遅刻せずに到着するという当たり前があるのですが、事故により当たり前ではなくなったわけです。そこで、当たり前ということについて考えてみようと思います。

先月、土木学会全国大会が広島で開催され、聴講した空き時間で岩国市にある錦帯橋を訪れました。錦帯橋は、錦川にかかる橋長約200mの5連木造アーチ橋で、1673年(いまから350年前)に当時の岩国領が建設しました。さて、川を安全に渡ることができるという当たり前に要した費用を、1953年に実施した再建工事の費用から推定すると、約50億円であり、岩国領の石高から推定した歳入は約36億円です。つまり、川を安全に渡るという当たり前に、国家予算の1.4倍をつぎ込んだ、すなわちそれだけの価値があると考えたということになります。

現代社会での社会生活の当たり前は、社会インフラによって支えられ、その社会インフラは土木技術者の皆さんの日々の努力によって支えられています。これからも、土木術者が社会生活を支えているという誇りをもって日々研鑽に励んで頂きたいと考えています。教育小委員会では、若手技術者向けの教育コンテンツの発信を行っております。その活動がその研鑽の一助になれば幸いです。

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