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令和4年度土木学会選奨土木遺産
土木学会事務局です。
土木学会では2000(平成12)年度から、顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、選奨土木遺産を認定しており、2022(令和4)年度で22年目となりました。
本日、2022年9月12日に令和4年度選奨土木遺産を公表し、22年間の累計で認定した土木遺産は496件となりました。選奨土木遺産には、大規模なものから小規模なものまで、また誰もが知っているような有名なものから、日常生活の中に溶け込んでいて気がつきにくいものまで、さまざまなものがあります。そこにある土木施設にどのような背景があり、どのような役割を果たしているか、多くの方に知っていただければと思います。
以下、今年認定された23件の概要を、参考となるサイト・ページとあわせてご紹介します。
また、それぞれの遺産は見学を前提とした整備がされていないケースもありますので、見学施設等が整備されていないところについては、施設管理者に問い合わせし、ご自身の安全や周辺地域の生活環境等にご配慮ください。
選奨土木遺産を訪れた感想など、「#土木学会選奨土木遺産」「#土木遺産」 のタグをつけて記事をご投稿ください。マガジン「土木学会選奨土木遺産」では、タグの付いた記事を集めています。
室蘭港港湾施設群
むろらんこうこうわんしせつぐん
室蘭港港湾施設群は、東洋一の石炭積出港として我が国の近代化と鉄の街の飛躍的発展に貢献した港湾の歴史と技術を伝える構造物群です。
[北海道室蘭市・南防波堤:1938(昭和13)年度/北防波堤:1927(昭和2)年度/旧大黒島灯台:1926(大正15)年度/旧国鉄埠頭:1959(昭和34)年度/旧国鉄埠頭(北外防波堤へのケーソン流用):1967(昭和42)年度/旧北荷埠頭:1940(昭和15)年度/本輪西埠頭:1959(昭和34)年度/北日本埠頭:1959(昭和34)年度]
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室蘭港の詳細は、国土交通省北海道開発局のホームページで。
標津橋
しべつはし
標津橋は、アーチリブにフィーレンディール構造を持つ国内唯一の橋梁形式で、戦後の北海道の土木技術の発展に寄与した土木遺産です。
[北海道標津郡標津町・1962(昭和37)年]
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旧茂喜登牛水路橋
きゅうもきとうしすいろきょう
旧茂喜登牛水路橋は、PC技術黎明期に建設した当時国内最大クラスのPC桁であるとともに、約60年間以上北海道の電力安定供給に貢献した水路橋です。
[北海道足寄郡足寄町・1958(昭和33)年]
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福島の石橋群
ふくしまのいしばしぐん
福島の石橋群は、近世から明治期に伝承された信州や九州の石工技術を地元の石工が磨き育てた歴史を顕彰できる貴重な土木遺産群です。
[福島県福島市、他・1772(安永元)年~1914(大正3)年と推定]
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丸森橋
まるもりばし
丸森橋は、戦前に作られたプラットトラス道路橋として宮城県内で唯一現存している石張りの橋脚も特徴的な貴重な土木遺産です。
[宮城県伊具郡丸森町・1929(昭和4)年]
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渡良瀬遊水地
わたらせゆうすいち
渡良瀬遊水地は、河川の増水時に横溢する洪水を一時的に貯留するわが国最大級の治水施設で、建設と環境の両立を具現化した歴史的な土木文化遺産です。
[栃木県栃木市、小山市、下都賀郡野木町、群馬県邑楽郡板倉町、茨城県古河市、埼玉県加須市・1972(昭和47)年[第2調整池概成まで]]
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豊海橋
とよみはし
豊海橋は、関東大震災の復興事業で架橋された国内初の鋼フィーレンデール橋で、技術的に優れ景観に配慮した貴重な土木遺産です。
[東京都中央区・1927(昭和2)年]
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豊海橋は「ドボ博 東京インフラ解剖」でも解説しています。
設計図や土木図書館デジタルアーカイブスの建設当時の写真を紹介しています。
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清水谷戸トンネル
しみずやととんねる
清水谷戸トンネルは、全国鉄道網へと広がる端緒となった現役最古の鉄道トンネルであり、建設時の煉瓦構造など明治期の鉄道技術を今に残す土木遺産です。
[神奈川県横浜市保土ヶ谷区、戸塚区・上り線:1887(明治20)年/下り線:1898(明治31)年]
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豊川放水路
とよがわほうすいろ
豊川放水路は、豊川の洪水被害を軽減するために戦後に建設された、我が国を代表する放水路の一つです。
[愛知県豊川市・1965(昭和40)年]
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豊川放水路の詳細は、国土交通省中部地方整備局豊川河川事務所の「豊川放水路完成50周年記念シンポジウム」のページにまとめられています。
中川橋
なかがわはし
中川橋は、中川運河とともに竣工したブレーストリブタイドアーチ橋で、平成末に「横取り工法」で改修して次世代へつながれた貴重な土木遺産です。
[愛知県名古屋市港区・1930(昭和5)年 [2022(令和4)年改修]]
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平成において実施された改修事業に挑んだ土木技術者のコメントが、名古屋市役所の採用ページで紹介されています。
波切の石積構造物群
なきりのいしづみこうぞうぶつぐん
波切の石積み構造物群は、当地の石工たちが整備した漁港や集落の石積みであり、大王崎を含む波切のまちの発展を支えた貴重な土木遺産です。
[三重県志摩市・1860(安政7)年頃~1930(昭和5)年頃]
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揖保川畳堤
いぼがわたたみてい
揖保川畳堤は、眺望への配慮など住民の意見が反映された特殊堤で、住民の防災意識の高さが結実した貴重な現役の土木遺産です。
[兵庫県たつの市・1957(昭和32)年頃]
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大阪市水道創設期及び拡張初期の施設群
おおさかしすいどうそうせつきおよびかくちょうしょきのしせつぐん
大阪市の大手前配水場、柴島浄水場取水塔及び旧第1配水ポンプ場は、わが国の近代水道創設・拡張を象徴する貴重な土木遺産です。
[大阪府大阪市中央区、東淀川区・1895(明治28)年]
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春日野道 桜橋
かすがのみち さくらばし
春日野道 桜橋は、福井県の成立期に嶺南と嶺北を結ぶために建設された春日野道の構造物のうち、特に良好に保存された土木遺産です。
[福井県南条郡南越前町・1886(明治19)年]
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高野山森林軌道の遺構群
こうやさんしんりんきどうのいこうぐん
高野山森林軌道の遺構群は、わが国で最初の森林軌道をルーツとし、その後の産業発展に貢献した森林軌道の盛衰を記録する歴史の証人として重要な土木遺産です。
[和歌山県伊都郡九度山町、高野町・1909(明治42)年 ※九度山貯木場~塵無土場]
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南海本線紀ノ川橋梁
なんかいほんせんきのかわきょうりょう
南海本線紀ノ川橋梁は、明治期と大正期のトラス橋が上下線に並ぶ現役の鉄道施設であり、橋梁技術の進展や維持管理の重要性を伝える貴重な土木遺産です。
[和歌山県和歌山市・上り線:1903(明治36)年/下り線:1922(大正11)年]
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箱ヶ瀬橋
はこがせばし
箱ヶ瀬橋は、下津井瀬戸大橋をはじめ日本の長大吊り橋建設に寄与し、「夢の架け橋」と呼ばれ親しまれている現役の土木遺産です。
[福井県大野市・1967(昭和42)年]
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不動川砂防歴史公園の砂防設備群
ふどうがわさぼうれきしこうえんのさぼうせつびぐん
不動川砂防歴史公園の砂防設備群は、明治初期のデ・レーケの手による現役の堰堤と関連施設であり、市民に愛される土木遺産です。
[京都府木津川市・1875(明治8)年~1922(大正11)年]
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摩耶大橋
まやおおはし
摩耶大橋は、当時前例のない1本主塔の斜張橋であり、摩耶埠頭と新港突堤を結んで、神戸港の発展に寄与した貴重な現役の土木遺産です。
[兵庫県神戸市中央区~灘区・1966(昭和41)年]
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神戸大橋
こうべおおはし
神戸大橋は、我が国最初のダブルデッキ構造を有する橋梁であり、新港第4突堤とポートアイランドを結び神戸港の発展に寄与した現役の土木遺産です。
[兵庫県神戸市中央区・1970(昭和45)年]
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翁橋
おきなばし
翁橋は、大正から昭和初期に橋面が煉瓦舗装された数少ない橋梁のうち、当時の舗道煉瓦が全面に残っている極めて貴重な橋梁です。
[岡山県津山市・1926(大正15)年]
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山国橋
やまくにばし
山国橋は、昭和初期に建設されたRC造の長大橋であり、ゲルバー桁や二穴式の煉瓦積み橋脚を有する貴重な地域の土木遺産です。
[福岡県築上郡吉富町~大分県中津市・1934(昭和9)年]
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赤尾木港の岸岐と築島
あかおぎこうのがんぎとつきじま
赤尾木港の岸岐と築島は、巻石構造を有する堤防及び護岸で、江戸期鹿児島の離島における築港技術を伝える貴重な土木遺産です。
[鹿児島県西之表市・岸岐:1781(天明元)年 [昭和初期に改修]/築島:1862(文久2)年]
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土木学会選奨土木遺産
土木学会のページでは、過去に認定した選奨土木遺産を認定年別・地域別に紹介しておりますので、あわせてご覧下さい。
令和2年度・令和3年度の土木学会選奨土木遺産はこちらのnote記事でも紹介しています。
また、絞り込み・検索しやすいテストページを公開しています。(令和4年度の遺産は掲載準備中です)
Togetter編集部のイチオシに選んでいただきました
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