見出し画像

進捗レポート(JR西日本SC開発㈱)

こんにちは!
JR西日本SC開発です。
経済産業省の「みらいのファッション人材育成プログラム」に採択され、もう2か月が過ぎようとしています。あっという間の2か月でしたが、これまでの取組みを簡単に振り返りたいと思います。


改めて自己紹介

改めまして、私たちはJR西日本グループで、西日本の駅ビルを中心にショッピングセンターを運営しています。
昨今、ファッションビジネスが抱える様々な環境問題が取り上げられていますが、私たちショッピングセンターもこの問題は他人事ではなく、私たち自身も解決に向けて本気で解決したいと思っています。
事業概要はこちら

これまでの振り返り

私たちショッピングセンターが起点となり、ファッションビジネスの大量廃棄問題について取組み、お客様・ひいては事業者の皆様の意識を変え、日本中で「衣料品は回収するのが当たり前」という状態になれば理想だな~と思っています。簡単に言えば、ペットボトルと同じ感覚!
もちろん、私たちだけでは「衣料品は回収するのが当たり前」の状況を作るのは難しいです。長期的な視点で、様々なパートナーとも協力しながら、共創していきたいと思っています。
影響力を持って、ファッションビジネスの課題解決に本気で取り組もうと考えている中で、この「みらいのファッション人材育成プログラム」に出会い、応募しました。
採択された時は、うれしい反面これから忙しくなるな、、と覚悟しました。
ということで、前置きが長くなりましたが、これまでの取組みを簡単に振り返ります。

私たちのこれまでの取組み、今後の課題

私たちは、昨年から衣料品の回収に関して動き始め、2月と4月にルクア大阪で衣料品回収の実証実験を行いました。
たくさんのお客様から衣料品を回収でき、また好意的なご意見も多数いただき、回収の必要性を改めて感じました。
皆様に共感していただき、この実証実験にも多くご参加いただきましたが、でもまだまだペットボトルと同じ状態ではない!まだまだ規模が足らない!と感じています。

2024年4月 衣料品回収の実証実験(@ルクア大阪)

ちなみに、日本でどれぐらい衣料品が生産され、廃棄されているのか。
環境省によると、1年間で供給される衣料品は、約80万トン。そして、ごみとして廃棄される衣料品は約50万トン。こんなにあるんですね、衣料品廃棄物。

50万トンには到底追いつかないですけど、やるからには私たちも回収量を増やさないといけない!と思っています。
そして、回収したものをしっかりと循環させる!回収した衣料品が結局海外に輸出されて「はい終わり」ということではなく、複数の手段を用いて、お客様や事業者の皆様に循環できる仕組みを構築したいと思っています。
①いかに回収量を増やすか
②いかに回収した衣料品を循環させるか
という2点をこれまで検討してきました。
この点も踏まえながら、昨年に続き衣料品回収の実証実験をして、検証したいと思っています。

①いかに回収量を増やすか

「いかに回収量を増やすか?」を考える上で、生活者により参加してもらえるようなサービス設計が必要だと考え、メンターからのアドバイスももらいながらサービス設計の組み立てを中心にこれまで取り組んできました。
過去2回ルクア大阪で開催した衣料品回収実証実験に、参加しなかったお客様の行動や心情について解像度を上げることで、「衣料品回収への障壁」、「行動するキッカケ」や「タッチポイント」についてもリサーチを行い、今回のプログラムのサービス設計の骨組み部分を検討してきました。
特にターゲット層(衣料品回収イベントに参加してほしい層)の
Ⅰ.服の購入~服を手放す瞬間までのサイクルやインサイトを深堀り
Ⅱ.世の中にすでに存在しているリセールサービスや回収サービスの評価
の2点を中心にヒアリングし、そのデータをもとにメンターに現状と今後の進め方のアドバイスをもらいました。

<メンターからのアドバイス>
・ターゲット層を絞る上で、昨年の実証実験参加者の情報は重要。
 ただし、より生活者を巻き込み回収量を増やすためには、回収モチベーションがあるにも関わらず参加しなかったお客様のインサイトをさらに深堀りが必要。
・ターゲット層が思い描く、理想的で心地よい回収案を案出しをしてみる。
古着買取や回収サービスは世の中にすでに溢れており、特にリセールバリューがある古着は積極的な買取りや回収を行っているサービスが多い。
 逆に、リセールバリューの低い古着の行き先に焦点を当てることで社会的なインパクトがあるのではないか。
・検証するタイミングで、「何を検証するのか?」を念頭に置きながら検討をするほうが、進めやすい。
といったアドバイスをいただきました。

<アドバイスを踏まえたアクション>
・古着回収イベントに参加しない人のインサイトを深堀りリサーチ
・ゴミとして衣料品を捨てている人の行動やインサイトをリサーチ
・リセールバリューが低い衣料品をカバーしている買取業者、回収イベントや回収BOXの世の中のサービスを調査
・ターゲット層が思い描く、理想的で心地よい回収イメージの案出し
・実証実験で行う検証ポイントを具体的に検討
8月は、アドバイスを踏まえてこれらに取り組んでいきたいと思います!

②いかに回収した衣料品を循環させるか

回収した衣料品を複数の手段を用いて社会に循環させることは、先ほど書いた通りですが、大量に回収される衣料品をどう仕分けていくのか。
お客様に直接届くBtoCとして「リセール」や「アップサイクル」、お客様には直接届かないけど、企業に向けて大量に活用することができるBtoBとして「ダウンサイクル」、「ケミカルリサイクル」この4つを軸に検討し、勉強してきたところです。

この回収の取組み自体を私たちが継続するためにも、最低限の収益は生み出さないといけません。
回収自体で私たちが収益を生むことはできません。となると、回収した衣料品からキャッシュを生み出す必要があります。特にBtoBが大量に回収したい衣料品を活用でき、且つ収益が生むことができるのではないか、と考えています。まさに持続可能性!サステナビリティですね。
きちんと収益を確保しながら、お客様に伝わるように循環させていく方法を検討していきたいと思います。8月中には具体的なビジョンが描けるように進めます。

この「みらいのファッション人材育成プログラム」は25年2月で事業完了というスケジュールですが、「衣料品は回収するのが当たり前」の状況を作り出すには、長期的な視点で事業継続性を確保しながら進めていきたいと思っています。

まとめ

今回はこれまでの私たちの取組みと、私たちの課題を振り返りました。
「いかに回収量を増やすか」、「いかに回収した衣料品を循環させるか」
この2点は、私たちの取組みの中で常に出てくる課題です。
お客様が「回収に持っていこう」と思うようなサービスを設計し、回収量を増やす。また、事業自体を継続させるために、キャッシュを生みだすポイントを探しながら、回収した衣料品を社会に循環させる。
この課題に向き合いながら、「衣料品は回収するのが当たり前」という状態を作っていきたいと思います。
また、取り組みの進捗状況などを投稿していきますので、引き続きよろしくお願いいたします!最後まで読んでいただきありがとうございます😊