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2023.05.17【Interview】浅草橋駅周辺エリア BtoBの関係から地域共創パートナーへ

手芸、革製品などの専門問屋が多く立ち並ぶものづくりのまちであり、オフィス街でもあり、生活感も感じられる下町情緒あふれるJR総武線の浅草橋駅周辺エリア。こちらの高架下は、駅周辺には飲食店が立ち並び、隅田川に向かって歩いていくと駐車場や倉庫など落ち着いた雰囲気になっていきます。
今回は、当社でこのエリアを担当する中村なかむら卓也たくやさん、早川はやかわ実尋みひろさん、松村まつむら叡英あきひでさんに、浅草橋駅周辺及び台東区柳橋エリアに関するお話を伺うとともに、昨年2022年10月に当社が協力させていただいた「東東京市 2022@柳橋」(主催:東東京市実行委員会)をご紹介します。


ものづくりのまち浅草橋

今回ご紹介する台東区柳橋エアは、浅草橋駅から江戸通りを挟んだ隅田川のほとりにあり、かつては料亭が数多く立ち並んでいた花街で、新橋とともに「柳新二橋りゅうしんにきょう」と言われ、現在も江戸の商人や文化人が集った旧花街の奥ゆかしさが残っている歴史を感じるエリアです。
一方、近年浅草橋駅周辺では、JR総武線、都営地下鉄との乗換駅であることや、都心へのアクセスも良好といった立地を活かし、駅近辺に大型のオフィスビルの建築が計画され始め、徐々に専門問屋街からオフィス街へとまちも変化し始めています。


まちとの結節点を考えるきっかけに

そのような歴史ある台東区柳橋エリアで2022年10月21日(金)~23日(日)に開催された「東東京市2022@柳橋(以下、東東京市2022)」について、当社が協力したきっかけを中村さんに伺いました。
中村:浅草橋駅前エリアから江戸通りを渡った東側にある台東区柳橋エリアは、総武線高架下沿いをそのまま進むと隅田川に突き当たってしまうことから、駅前に比べると人通りが少ないことが課題でした。当社としても浅草橋駅前から台東区柳橋エリアへ人の流れを作るため、今後この周辺についてどのようなまちづくりをしていくべきかを検討していたところ、高架下をお借りいただいている日本コパック株式会社様より「このイベントをきっかけに、柳橋に関わる人と人とが交わるコミュニケーションの場をつくり、柳橋のまちが連携することを目指した東東京市2022の会場として、高架下を使ってみたい」とお声がけいただき、その思いに共感したためご協力させていただくことになりました。


点から面にひろがった3回目の試み

中村:過去2回の東東京市は、拠点であるCPK GALLERY(日本コパック本社)でのマーケットイベントを中心に行われていましたが、今回は柳橋のまちや隅田川へ飛び出し、まち全体を巻き込んだ内容のイベントとなっていました。隅田川では柳橋に根づく屋形船が、新たなエンターテインメント会場になった「YOSE by Z落語」が開催されました。Z世代の視点で落語を再定義、発信するクリエイティブチーム「 Z落語 」が、コロナ禍で運航数が減ってしまった屋形船を盛り上げるため、地場に根付く伝統芸能である落語の寄席とクラブミュージックを掛け合わせることで新たな芸能へアップデートしました。そのほか、せっかく東東京市をめざして柳橋に来たのであれば、このお店にも行ってほしい!という思いが詰まった「柳橋めぐり・東東京市マップ(柳橋めぐり商店街協力)」は会期中、持ち歩く人と多くすれ違い、10月22日(土)には柳橋エリアをチンドン屋さんが練り歩き、盛り上げていました。


道路を占用することで空間がひろがる

続いて、早川さんに東東京市2022での高架下を利用した新たな取り組みについて伺いました。
早川:「高架下ハック」では、普段は時間制・月極駐車場として利用している鉄道高架下スペースが、イベント期間中は端材ワークショップ、チャリティーショップ、フードマーケット会場に様変わりしました。メインイベントである多種多彩な今を感じられる選りすぐりのマーケット「東東京盛上マーケット」の会場であるCPKGALLERY前には、隅田川につながる堤防敷で行き止まりとなる道路と高架下があり、道路占用によりキッチンカーや屋台が出店し、高架下が飲食スペースとなることで空間にひろがりが生まれました。今回は高架下も賑わいの会場となり、地元の方々や来場された多くの方々に柳橋エリアを知っていただいたことにより、新たな浅草橋・柳橋エリアのまちづくりの可能性を期待させる3日間となりました。


大家と店子から地域共創のパートナーへ

最後に松村さんより今回のイベントで得られたもの、今後の試みについてお話いただきました。
松村:今回協力させていただいた「高架下ハック」では、私たちでは思いつかないような東東京市のみなさまならではの新しい発想で高架下空間を利用していただき、今後柳橋エリアへの人の流れをつくるための高架下活用方法として大変参考となりました。また、今回のイベントでの協力を通じて、これまでは単なる駐車場の大家と店子といったB to Bの関係だった日本コパック様と柳橋エリアのまちの魅力を高め、一緒にまちの将来を考える地域共創パートナーへと関係性が変わったことを大変心強く感じています。
東東京市2023についても、今秋の開催に向け、引き続き日本コパック様をはじめとした実行委員会の皆様にご協力させていただき、様々な地域へ東東京、柳橋エリアの魅力をつなげていく新たな試みを考えています。ぜひみなさまご来場ください。



【参考 東東京市2022@柳橋】
会期:2022年10月21日(金)〜10月23日(日) 11時~18時
会場:CPK GALLERY・柳橋地区
〒111-8625 東京都台東区柳橋1-28-1
JR総武線浅草橋駅・都営浅草線浅草橋駅より徒歩5分

主催:東東京市実行委員会(Riddle Design Bank | DAYS. | 諸橋拓実 | MUTE | 日本コパック株式会社)
共催:柳橋町会
協賛:台東区(区が目指す”縁側のあるまち”の実現に資する取組みとして協賛。)
協力:株式会社日建設計・NAD(Nikken Activity Design Lab) | 柳橋めぐり商店街 | 屋形船東京都協同組合 |株式会社ジェイアール東日本都市開発 | 中川装身具工業株式会社 | コバヤシ企画 |

取材編集/くらしづくり・まちづくり室



株式会社ジェイアール東日本都市開発
総武支社 開発管理二部 開発管理課

中村卓也(右側)
2010年入社
当社では主に総武線の新規開発、エリアマネジメントに携わる。

早川実尋(中央)
2021年入社 大学・大学院では主に建築を専攻。
当社では主に浅草橋エリアと総武線市川駅~西船橋エリアなどを
担当し、新規開発やテナント管理、コトニア西船橋での多世代
交流活動の企画などに携わる。

松村叡英(左側)
2022年入社 大学・大学院では主に都市計画を専攻。
当社では主に浅草橋エリアと亀戸・平井 エリアなどを担当し、
新規開発やテナント管理に携わる。

(この記事は当社webサイトから再掲したものです)