2021.04.28【Interview】シャポー市川 好きなまちで、暮らそう
シャポーが思い描く〝未来のまち〟と〝未来のくらし〟
JR総武線の駅直結ショッピングセンターとして親しまれているシャポー市川。5つのシャポーの中でも最大の120もの店舗が出店する大型ショッピングセンターです。開業は1972年、昭和の時代。鉄道が高架化された高度成長期の頃です。それから半世紀にわたって、幾度もの改装、増床を重ねながら、市川のまちと共に成長してきました。
2019年6月の「むすぶば・たべるば」の開業からおよそ2年。これまでの歩みをふり返り、めざす未来像を語っていただきました。
まちの人の心をとらえたSNSプロモーション
鷲沼:今まで最高にバズったツイートですか?「達筆さん」という呼び名で、駅のお知らせを投稿したものです。その頃のリツイートは市川で歴代2位!
永田:鷲沼さんは、市民の気持ちになってプロモーションしてくれるので、押し売り感がまったくない。面白そうだから、行ってみようかなという気持ちになりますよ。
鷲沼:わたしは生まれも育ちも市川なので、まちで起きたことはすぐ気がつくし、まちの人はどう感じているのか、温度感がよくわかります。まちの人目線の方が、気持ちが伝わりやすいと思っています。
福澤:僕たちはローカルを個人という意味で考えています。「多様なローカル=個人が集まって、グローバルになる」。これは社名の由来にもなっています。
マスクポストに教えられた市川のシビックプライド
福澤:初の緊急時代宣言が解除されてまもない頃、「むすぶば」の前にマスクポストを設置しました。まだマスクが不足して品薄な時期でしたが、最終的には3037枚の未開封・未使用マスクが集まり、千葉県を通じて医療・福祉関係機関にお送りしました。当初はこんなに数多くのマスクを寄付してくださるとは思ってもいませんでした。
鷲沼:衛生面の管理体制など、いろいろ大変な点はありましたけれど‥‥思い切ってやって良かったです。
永田:自分のできることで地域に貢献しようと、実際に行動する地域の方々が、こんなにも大勢いらっしゃることに勇気づけられました。地域のみなさんの気持ちを大切にして、広げる場所でありたいと心から思いました。
理想と現実がせめぎ合うルールづくりの難しさ
永田:イベントを企画する際に、テーマはコンセプトに合っているのか、地元意識の醸成に役立つのか、その判断はすごく難しいです。すべての企画を市川に関連して仕立てるための、知恵出しに苦労しています。他にも、政治や宗教、営利や非営利をどう考えるかなど、理想と現実がぶつかって、堂々巡りをしたこともあります。
コンセプト、安心安全、コンプライアンスを守り、あれもこれもダメではない面白いものが生み出せるように、悩みながら折り合いをつけてルールとガイドラインを作りました。
また、ショッピングセンターとしては全体のバランスも考慮しないといけないので、柔軟性や機動力に欠けることがあります。そこは福澤さん、鷲沼さんにフォローしていただいて助かっています。
「むすぶば」と「たべるば」めざすイベントの未来形
福澤:今は消費の仕方が少しずつ変わってきて、作家性があるモノづくりとか、いいモノを長く大切に使うとか、エモーショナルな消費になっています。市川エリアにある〝ストーリーのある商品〟を独自の視点でセレクトして、自分たちで伝えていく。それができれば、ここはもっと面白くなる、もっとかっこよくできると思います。僕らなりにコンセプトをブラッシュアップしていきます。
永田:「むすぶば・たべるば」の存在感は、これからさらに大事になると思っています。ECでは味わえないお買い物の楽しさがあり、まちの誇りになるヒト・モノ・コトが発見できて、地域や社会に貢献するエシカル志向も満たせる。そんなスペースを目指していきます。
前編「地元のヒト・モノ・コト 新発見!」
取材編集/くらしづくり・まちづくり室
※本記事は2020年の取材に基づいて構成されています。
むすぶば・たべるば運営スタッフ 鷲沼 一花
市川市で生まれ、市川市で天寿まっとう予定。好きなもの・最近気に入っていることは、ハライチのターン(TBSラジオ)。
<市川のまちと人について>
市川創業の企業や通販大手の配送拠点があり、また大学や学校が多い文教都市でもあるので、市川駅はいつも通勤通学客で賑わっています。駅周辺は住宅地が広がり、戦前の豪邸や別荘地、名所旧跡など、古くからの歴史と文化があります。まちの人の印象は、ひとりひとりがカラフルで、個人として主張するイメージ。お店や作家さん、モノづくりをしている人たちを見ていると、「個が強い」と感じます。
ショッピングセンター事業本部 市川ショッピングセンター 永田拓路
<あなたにとって、くらしづくり・まちづくりとは>
学生の頃は、まちづくりとはハードをつくることから始まると思っていました。でも、まちにとって大事なのは、ヒト・モノ・コトがつながること。つなぐ役目のひとつに、シャポー市川のような商業施設があるはずです。「むすぶば・たべるば」がソフト面でのパワーになって、〝市川っていいよね、温かいよね〟という人の思いにつながれば‥‥まちづくりは、そういうものであってほしいと思います。
関連リンク
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(この記事は当社webサイトから修正、再掲したものです)