好きな人の好きな人
先日部活の人間複数と飲んでいまして。そのうちにほどほどに仲の良い女の子が、酔いが回ったからかぼくに愚痴をこぼし始めました。
どうも彼女には好きな人がいたらしく。しかし、飲みに行ったその二週間前に、その彼には既に好きな人がいるということが判明してしまったのだとか。
飲んでるさなか、終いには泣き出してしまい。みんなで慰めて一緒に飲んでいたのでした。
当然ぼくが聞いていた話ですからぼくも慰めに入っていたのは当たり前。悲しい気持ちも良くわかる。しかし心のどこかで、酒が入っているとはいえ、一回のそんなことで泣くだろうかと思ってしまったのも事実です。
悲しむ彼女には悪いがそんな経験、ぼくにとっては日常茶飯事というか、ほぼ100%いつもそんな感じですから。
ぼくだって恋はします。女の匂いがしないとか恋愛してなさそうとか、よく言われますし、過去彼女がいなかったのも事実で積極的に作ってこなかったのも事実ですが。ぼくだって人間です。恋することだってあります。
ただ問題というか、他の人と違うところといえば、恋する相手が男の子である割合がかなり高いということで。
一応は、ぼくは身体的には男で、性自認はXジェンダーで、性的対象はパンセクシュアルということにしてます。別に嘘ではないしたぶん合っているとも思います。
しかし、どうもその中でも、ぼくは内的に女の子の面が強いのだろうと感じます。かわいいものが好きでスヌーピーグッズを集めるし、ケーキとかの甘いものには目がないし、メイクもします。そして、顔とか見た目からキュンとしてしまうのは、あるいはお喋りしていてドキドキすることがあるのは大抵男の子です。かわいい男の子は大好きだし、タイプのイケメンにはデレます。推しのアイドルは男の子です。
逆に、女の子に見た目から好意を持つことはほぼありません。少なくともそうなった記憶がない。女の子を好きになるのは、性格の好みであったり今までの積み重ねであったり、あるいはぼくを否定しないで受け入れてくれるだろうという期待感であったりします。
正直なところ、女の子の顔を見てかわいい等々の感情を抱くことがほとんどありません。顔を見て性格や行動は読めるし、顔が整っていてモテるのだろうな、ということも理解はできますが。しかし、それでぼくがかわいいと思っているかと問われれば、それはNOであることがほとんどです。
つまり何が言いたいのか。ぼくが好きになる人は、ほぼ確実にぼくを好きにならないということです。だって男同士になっちゃうから。
そして、そういう現実は、日々の行動や生活や会話の中で嫌でも眼前に突き付けられます。
好きだった彼がSNSに彼女の写真を上げるなんてのは序の口。
彼から「この中で一番かわいい女の子だれ~?」なんて聞かれてかわいい女の子トークに巻き込まれたり、誰か女の子紹介してよ~なんて言われたり。こういう会話が出る時点で男なんて眼中にないじゃないですか。
あるいは、彼がぼくに恋愛相談を持ってきたり、なんなら恋のキューピット役をやる羽目になったりします。ぼくが恋した彼の、その好きな女の子の話を聞いて、彼の恋愛の成就のために動くわけです。
正直かなりきついです。好きだった彼が別の誰かを好きだったというのもそうですが、そもそも男であるぼくは眼中にもなくて、恋愛の土俵にも上がらせてもらえないということを痛感させられることがきつい。
ぼくがどれだけ頑張っても、ぼくが男である以上は100%振り向いてくれない。ぼくがどれだけ彼のことが好きでも、彼がぼくを好きになることは100%ない。
そういう当たり前の悲しい現実が、日々の会話や生活の行動の中から止めどなく露わになるのです。
好きな人がいたから残念とかそういう次元ではなくて、そんなことは関係なく、ぼくは論外だと。日々ニコニコお喋りしながら、一人で勝手に失恋して傷ついてます。
泣き出した友人は結局、みんなに慰められて最後は笑って帰っていきました。ぼくはみんなと別れて、家で一人泣きました。
あの子にはもしかすると先があるかもしれないし、恐らく確実に次があります。
ぼくはいつだって門前払いだけどね。
はぁ。