【敢えて考えてみる】東京勤務・東京在住のメリット(学歴・職種・住居・恋愛・発達障害etc)
今回は敢えて東京勤務・東京在住のメリットを考えてみたい。
地方出身者が東京に進出して、東京で活躍していくのは本当に厳しく、乗り越えないといけない壁が多いため、筆者はこれまでは東京勤務のデメリットを語ってくることが多かった。
ただ実際には、「足による投票」と言う言葉がある通り、多くの人が東京勤務を希望するだけあって、他の都市と比較した際に明らかにメリットもあるというのは間違いない。
大学時代からずっと東京で過ごしているので、何となくであるが、若手時代しいては中堅の年代を東京で過ごすことの良さも悪さもある程度は理解しているつもりである。また筆者はある程度マッチングアプリの利用歴も長く、また周囲の友人の恋愛事情や結婚事情も理解しているつもりなので、その観点でも語ることが出来るのではないかと思う。
今回は敢えて東京勤務・東京在住のデメリットは無視して、メリットに絞って述べてみたい。
①選択できる職種の範囲が圧倒的に広い
これは他の都市にはない圧倒的なメリットであろう。
確かに大阪や愛知、福岡等のいわゆる政令地方都市でも求人は多く出ているが、職種が限定的であったり、そもそも出ている求人数が少なかったりする。東京にしか存在しない職種は多く存在する一方で、他の都市にしか存在しない職種なんてものは皆無と言って差し支えない。
例えばOpenWorkの求人検索でデータサイエンティスに絞って調べてみても、フルリモートOKの求人以外は殆どの場合、勤務地は大半が東京になっており、やはりこういった最先端の職種は東京にしか無いものだと考えて良い。(補足しておくと、それでもDS職はフルリモートの割合いが高めではあるため、まだ地方で就業できる可能性が高めの職種ではあろう)
大手企業の中で、地方で求人が出ているのは基本的に太宗が営業職であったり理系の技術職なので、大手企業に入ろうとするとどうしても選択肢が限定されてしまうし、そのような政令都市にある大手企業の求人は人気が高いので採用されるハードルも高い。
②転職が容易
①とつながってくる話ではあるが、東京であれば求人が多く存在するため、転職がしやすい。今の人手不足の状態が継続するのであれば、多少年齢が行ってしまっていたり、転職回数が多くなってしまっていたとしてもどこかしら転職先は見つかるはずだ。
これが地方になるとこうもうまくいかなくなる。
そもそもの考え方が東京から見ると遅れているため、どうしても属性の良い人(綺麗な経歴)が優先される傾向が強く、更には絶対的な求人数が多くないため転職したいとなると結局東京に来るしかなくなるといった状態に陥らざるを得ない。
また一度東京以外の企業に就職していると、東京基準では社格の低い企業に転職している可能性があり、このことは次の転職の選択肢を狭めさせる可能性がある。
例えば、その地の一番の企業に就職して、そこで終身雇用を全うするのであれば問題はないが、そうではなく次の転職を考えるのであれば、次の行き先がなかなか見つかりにくいというけとは問題だ。
結局東京に戻ってこないといけなくなるのであるならば、最初から東京でいいのではと言うことになりかねない。
東京にいれば、このような事態には陥りにくく、閉塞感を感じなくても良いのは明らかなメリットであろう。
③情報感度が高くなる
これはわざわざここで解説することではないと思うが、一応列記した。
④(同じ職種であれば)働き方改革が一番進んでいる
東京が全体的に労働時間が短いという事を主張したいわけではない。
あくまで同じ職種で比較した際に、東京の方が働き方改革が進んでいる可能性が高いということだ。
労働時間と言う観点で考えると東京にしか存在しない職種は、高学歴エリサラ向けの職種も多く、そういった職種の多くは激務であることが多い。
注意点は、こういった職種は一部大阪とか愛知にも存在するが、そういった職場は人員が限定的であることもあり、東京と比較しても更に激務になりやすいという事だ。
また先程も言及した通りで、地方には最先端の価値観が浸透していないこともあり、在宅勤務などの柔軟な働き方が浸透していない可能性が高く、現に在宅勤務を実施している比率は東京が一番高い。これは転職市場が発達していないので、在宅勤務と言う差別化要素を入れなくても人が集まるということもあるかもしれない。
見逃せないのは、地方にある職種の多くは、そもそもが前述した通りで営業職や理系の技術職だったりするので、在宅勤務が難しいという側面もある。
更にはパワハラやセクハラも地方の拠点の方が残っている印象だ。本社の意向や監視が物理的な距離もあるので行き届きにくいという事情もあるのかもしれない。
いずれにせよ、東京よりも働きやすいという思い込みを持って地方の企業に行ってしまうと後々後悔してしまう可能性があるのでそこはよく自分の職種や人生プランと照らし合わせてリサーチした方が良いと思う。
⑤恋愛市場と結婚市場の断絶が一番大きい(男性限定)
これは、自分の肌感覚でしかない。実態は分からない。
東京で恋愛するのは確かに難しい。恋愛は基本的に1対多(何なら多対多)が可能な形態なので、一部のハイスペックな男性が存在すれば、彼らが複数人の女性と同時進行で付き合うことも容易であるからだ。
特に東京であれば、これは容易である。繁華街が無数にあるので、浮気がバレる心配は殆どなく、また女性間でつながっている可能性も限りなく低いので、同時進行していてもバレようがないというのが実態である。
現に筆者の周りで見ても都心部に住み、若くから高年収を得られるような業界に勤めている若手社会人の中には、同時進行で5,6人と付き合っているような猛者も普通にいたので、これは当たり前ではないにせよ別にそのような存在がいても特段驚かないというのが東京の怖いところでもある。彼らは、芸能人のような特別のイケメンという訳ではない。勿論清潔感が無いとかそういう訳ではないが、見た目だけで言えばごく普通の男性のことの方が多い。ただ当然ではあるが、学歴や職歴などの経歴面はピカイチである。
(これは何となく多くの人が気づいていることであるとは思うが、東京は他の都市と比較して、学歴や職歴などのステータス面が他の都市と比較してより重視される傾向があるのかもしれない。他の都市ではそもそもそこまで学歴に拘る人は少ない。)
これが地方都市に行くと少々心理的なハードルもあるし、そもそもの母数が少ないのでなかなか難しいかもしれない。
繁華街は限定されるし、人の少なさから女性間のネットワークが繋がっている可能性もあるので複数同時進行は東京よりはハードルが高いと思われる。
このような実態があるので、東京では普通のスペックの男性が恋愛市場に参入するのは少々難しいかもしれない。
では、これが結婚市場になるとどうだろうか。
結婚はそもそも法的に1対1でしか成立しないので上記のような現象は生じにくい。そのような制約がある中で、東京の男性の中で特に上記に挙げたような男性はそこまで結婚願望が無いことが多いため、結婚願望がある女性の方が男性よりも多いことが東京の特徴である。また以前から他の記事でも指摘してきた通りで昨今では女性の方が東京に配属されるケースが多いため、ハイスペック層に限定すれば20代前半~30代前半までは、女性の方が男性よりも多いかもしれない。東京駅近辺で見ていても顕著であるが、20代に限定すれば男性よりも女性の方が圧倒的に多い。そもそも男性の方が都心に配属されるハードルが高いのでこのようになるのは不思議ではないと思う。
このような事情から男性の場合は、結婚願望さえあり、きちんと行動すれば東京においては女性よりも結婚しやすいかもしれない。
また別の観点であるが、男女ともに一番平均結婚年齢が高いので、未婚のまま売れ残ってしまったとしても、結婚出来る可能性がまだ残っているのが東京の特徴であろう。これが地方都市に行ってしまうと、若い段階から地縁を通じて結婚している可能性があるため、年増の男性にはもうチャンスが残っていないかもしれない。つまり結婚適齢期の寿命が他の都市に比べて若干長いのが東京の特徴であると考える。
⑥共働きの形成が容易
これは他の都市にはない特徴である。
東京勤務限定の職種は探せば多く存在するが、大阪や愛知勤務限定の職種、特に大手企業の職種は限定的である。
中小企業やベンチャーの場合は、地方都市限定の職種も多く存在するが、大手になると夫婦揃って地方都市限定の職種や企業を探すハードルはかなり高い。
こういったことから高年収の共働き夫婦を形成するのは東京が一番容易なのなので、世帯年収は東京が断トツで一番高くなりやすいのが特徴的だ。これゆえに東京では不動産価格の伸びが他の都市と比較しても断トツで高く、資産性も高くなっていくのである。
地方でこのようなパワーカップルを形成できるのは、医師夫婦くらいであろうか。
やはりこのような観点でも地方では医者と言う職種が最強なのである。
⑦住宅に実質無料で住める可能性がある
これは⑥とつながってくる話である。現状東京の不動産価格は右肩上がりであり、ここ数年の間に家を売却した人は実質利益を得ている可能性もあるだろう。
勿論自分の住宅が上がっている時は、同じ地域にある他の物件も上がっている可能性が高いので、利益を得ることが出来るのは都心から郊外や上がり幅が限定的な地方都市に引っ越す場合、マンションから戸建てに引っ越しするケース等ある程度限定的ではあるが。
ただこのようなケースで考えると、住宅には実質的に数年間は無料で住める可能性が高い。足元のインフレ局面がいつまで続くかは分からないが、この局面が今後も続く場合は、東京に持ち家を有していることはメリットが大きいかもしれない。
(実際問題として、足元のインフレは円安の影響が大きい一方で日米金利差は縮小傾向にあるので、激しく資産価値が今後も上昇することはないと想定されるが)
また見逃せない点として、都心に近い不動産を有していれば、転職のハードルも低くなり、人生の選択肢を持つことが出来るという点である。
イメージとして都心部または都心周辺に住んでいれば、東京駅や品川、新宿、渋谷、港区全般などの大企業が揃っている中心部に行きやすく、転職によって勤務先が家から急激に遠くなるというリスクが相対的に小さい。
⑧流動性が高く、リセールにも強い
東京の不動産は確かに高いが、その一方で上記で述べた通りで資産性が高く、値下がりしにくいという実態がある。
また人口が多いことから、流動性が高くリセールも比較的容易である。
持ち家を有していた場合には、当然であるが流動性が高く、リセールしやすいというのは、かなり重要なポイントである。
流動性が高く、リセールが容易であれば持ち家を有しながら賃貸の良さである選択肢の多さも享受できるためである。
⑨何をするにしてもアクセスが良い
これは敢えてここで説明する必要は無いだろう。
⑩土地の資産価値が高く、子供に残せる資産が大きい
これが東京を勤務地とし、東京に家がある点の一番のメリットかもしれない。
今後は少子化に伴う人口減少により、より一層東京一極集中や政令都市部への人口の集中が進むと考えられる。
人口が減少する地域では、人々の生活を支えるインフラの機能が低下するため、人口がより減少していく一方で、都市への人口集中が進みやすいというのが社会学でもよく指摘される点だ。
頑張って東京で一定程度の資産価値がある家を購入して現役時代に何とかローンを返すことが出来れば、それは大きな資産として次世代に残すことが出来るかもしれない。
因みにこの点が東大に来て一番驚いた点でもあるが、都内出身者の中には一部地主として都心の一等地を保有している者もおり、勿論相続税対策は必要なものの、それわざわざ東大出て、働く必要が無いのでは?と思われるケースが多かったことだ。土地信仰は昔の考え方なのかもしれないが、土地を所有していることのメリット、心に与える余裕は半端ないものがある。
⑪将来的に「子供が上京する」というリスクを背負わなくて良い
これも実は大きなメリットかもしれない。
これまでこちらのブログでも述べてきたことであるし、多くの方が指摘している通りで、現状の日本では東京にしか多くの職がないため、優秀な地方出身者はどこかの段階で地縁を捨てて東京に出てくる必要性がある。
ただそれが茨の道であることは多くの地方出身者が感じていることであろう。この厳しさは大学時代から始まり、就活して社会人になり、結婚して家庭を持つようになった後はより一層その厳しさを増す。人生が進むほど厳しくなるという恐ろしいゲームである。
もはや地方出身で東京で活躍しているだけでも十分に頑張っていると言っても差し支えないのではないか。
今回のブログではここはあまり深入りしないが、東京勤務で東京に住むことによって将来この「リスク」を子供に背負わせなくても良いというのは大きなメリットだと断言できる。
就職活動に強い有力大学も東京にあるケースが増えてきているが、東京在住であれば一人暮らしの費用が発生しないし、子供が人生のレールから外れてしまうことを未然に防ぐことが出来る。現に東大でも人生のレールから外れてしまうのは多くは、地方出身者である。
子供自身も学費や一人暮らしの生活費が無くてバイトに精を出さなくてよくなるのは大きなメリットであろう。所謂アングラな職種に大学生の内から就いているのは多くは地方出身者であることが地方出身者の置かれた厳しさを物語っているとも言える。
またこれメリットにもデメリットにもなるが、東京の中学校や高校を出ていれば、社会人になって全国に散っていき、友人関係が途絶えるということもない。
⑫発達障害にも優しい
これは従前から別の記事で述べている通りなので、そちらをご参照いただきたい。
ポイントを整理しておくと以下の通りに要約できる。
・発達障害と相性の良い(少なくとも相性の悪くない)職種が存在する
・大手であれば労働環境が整備されている
・発達障害の概念の浸透が進んでいる
・人間関係が希薄で、対人関係に悩む必要性が低い
・転職が容易で一からやり直せる
・気の合う人が見つかりやすい
・学歴や職歴によって評価される傾向が他の都市と比較して強め
このように整理して考えていくと東京に住んだり、東京で勤務することのメリットは想像以上に大きいのかもしれない。
ここでは言及していない、言及できていないポイントで東京が他の都市と比較して優れている側面は探せばもっと多く存在すると思われる。
今の若手が東京勤務を希望するのは、キラキラ感だけでなく、このようなもっと現実的な事情があるのかもしれない。
ただ東京でやっぱり生き抜くのは、特に地方出身者には過酷なので、もう少し都市部の分散を官民一体で行ってくれれば、全員が生きやすくなるのではないかと思うのんですが、今後の日本はどちらに向かっていくのでしょうか。