日本トップクラスの天才・秀才は東京駅周辺にはいない【東京駅周辺にはどのような人がいるか】
今回は、東京駅周辺に勤務する人の学力レベルに関して考えてみたい。毎度のことであるが、東京駅周辺:丸の内・大手町・日比谷・八重洲・日本橋と定義しよう。
次に日本トップクラスの天才・秀才をどのように定義するかであるが、ものすごく短絡的ではあるが、1世代の中で全国模試でトップ1000(同世代で上位0.1%、約1000人に1人レベル)に入るようなレベルとしよう。(頭の良さは、受験学力で測れないという批判はここでは流すことにする。何故ならそれ以外に客観的な指標がないから)
東京駅で勤務して長年経過するが、そこで筆者が感じることがある。
東京駅周辺で勤務していると世間的には、いい大学を出て大企業に就職して、更にその本部で働いているエリートという見方をされることが多い。
その見方に間違いはないのだが、同時に感じることが、「この街には、筆者が高校時代とか大学時代に見てきた一緒にいるとワクワクするような本物の天才・秀才は殆どいない」ということである。
どういうことか言うと、これについてはさっきの全国模試の話に戻って考えてみたい。
筆者が受験生であった頃の話に戻ってしまうが、全国トップ1000(大学冠模試ではない例えば、駿台全国模試のようなものを想定)に入るような天才はどこに進学していたかと言うと、それは恐らく以下のどこかである。
・東大理三
・京大医学部医学科
・阪大医学部医学科
・東大理一
・東大文一
・その他(旧帝医学部、東大他科類)
トップ1000に入るような学生の95%は上記のどこかに進学しているはずである。最近では、理系人気が上昇しているので京大工学部や東工大の情報系に進学するものもいるかもしれない。
上記のような進路の中で、まず医学部に進学した者は、99%東京駅近辺にはいないはずだ。クリニックも殆どない上、医学部を出て民間企業に入るものはレアだからだ。一部東大理三からマッキンゼーに行くものは一定数いるが人数としては多くないし、マッキンゼーはそもそも東京駅近辺ではない。
医者はどちらかというと地方都市(大阪・愛知・福岡)周辺や更にはもっと田舎の病院にいる可能性が高い。
首都圏にも勿論医者は存在するし、数では一番多いと思うが、エリサラほどの首都圏一極集中ではないはずだ。また首都圏の医師は他の都市と比較して自由診療の割合が高くなるイメージである。美容クリニックのHPを見ると医師の経歴が出ているが、結構な割合が都内の私立医学部卒のイメージである。私立でも学力トップクラスの慶応、順天堂、慈恵医大はあまり見ない。医師の金銭目的での自由診療流れは批判されることも多いが、国立医学部や私立トップクラスの医学部の卒業生は、自由診療ではない保険診療の道に進んでいるので、まだまだ日本も捨てたものではないと思う。
上記のような事情があるので全国トップ1000の中で東京駅近辺で働いている可能性があるのは、東大の非医学部と京大・東工大の情報系くらいだろうと考えられる。
上位1000人となると、東大文二・文三、理科二類に進学した者の数は圧倒的に少数派のはずである。この三つに進む学生はトップ1000の中では合計で100人もいないだろうし、その殆どが理科二類が占めると推測される。
このことから、トップクラスの学力を有した学生で医学部に進学しないものの進路の太宗は東大の理一と文一が占めることになる。
では、このような学生が果たして東京駅に本社を置くレガシー系の大企業に就職するかと言われると割合としては高くないだろう。
いても以下のような職種で数としては限定的だ。
・四大弁護士事務所(東大文一)
・金融機関のクオンツ・アクチュアリー・トレーダー(東大理一の優秀層で何人か見たことがあるが、別に東大でなくても行ける)
ちなみに外資系の戦略コンサルティングファームには東大理系院卒が多数進んでいるのだが、東京駅近辺ではなくトップファームはいずれも港区周辺に在する。
この中では、四大事務所が一番多く、後の二つがポツポツいるくらいだと思う。
筆者の時代であれば、東大文一の優秀層は順当に官僚(霞が関を中心にその他全国転勤がある)になっていたし、理一の天才たちはメーカーの研究職(メーカーの研究開発は東京駅では行われない)や学者コース、一部は起業の方向に進んでいた。
では東大の中でどのような人材が東京駅にいるのかというと、答えは東大文二、文三、理二出身のどちらかと言えば東大の中でも二流、三流の人材である。(補足しておくと筆者も文二出身である)
東大文一の秀才は前述した通り四大事務所の弁護士に、文三の天才(奇人)は学者になるかニートになっているので、東京駅勤務の太宗は東大文二の出身者であり、恐らくその殆どは全国トップ1000には入っていない。
しかもその3~4割は入試本番で少しでも調子が悪ければ、他の大学(慶応経済、早稲田政経、後期一橋)に進学していた可能性がある、いわゆるボーダー層だ。
東大理一出身の方は実は殆ど見たことが無い。いても前述した通りでクオンツ・アクチュアリー・トレーダーくらいである。
特にクオンツに関しては、たまに東大数学科博士課程や東大計数工学科卒の大天才が存在するが例外的な存在だろう。
東大理一出身であれば、完全なエリート扱いである。
どちらかというとよく見るのは理科二類の方である。しかも太宗は農学部出身で、ゴリゴリの理系という感じではない。
東大出身というと頭がいいというイメージがあるかもしれないが、会社員の周囲にいる東大卒は上記のような感じで多くが東大の中では上位層ではなく、正直恐れる必要はない(恐れていないかもしれないが)
東大の上位層が東京駅周辺の大企業に入ってブルシットジョブをするのは、正直勿体なさすぎるのでこれはこれで正解なのだ。
昨今では、理系の上位層は情報系に行く流れが強いので首都圏で勤務しているものの割合が高くなっているだろうが、ひと昔前までであればむしろ地方の割と辺鄙なところにそのような理系の優秀層はいたのではないかと思う。
少なくとも東京駅近辺には殆どいなかったであろう。
結局いくら東京駅周辺の大企業勤務であっても高級労働者の枠から出ることはないし、全国上位0.1%の頭脳の持ち主であればどちらかというとオーバースペックである。東大であっても少々オーバースペックだ。それよりもコミュニケーション能力や容姿、人脈、要領の良さと言った学力以外の側面の方が重要な世界である。そのため、これらの大企業で活躍するのは、それらの能力に秀でた慶応や早稲田を筆頭とした私立文系層なのではないかと思う。
恐らく東京のサラリーマンの多くは、(少なくとも学力面、頭脳面での)自分の立ち位置や限界が分かっているので、今日も特に違和感なくブルシットジョブに励んでいるのだと思う。(更にもっと酷いことに経済的にも資本家階級には全く敵わないという意味で色んな面で中途半端な存在である)