メイケイエール 馬具変更 シルクロードステークス2022
photo by Rumi Enokida
橋浜保子です。
シルクロードステークスでは、馬装具の変更があったメイケイエール(牝馬 4歳 武英智厩舎 父ミッキーアイル 母シロインジャー 母の父ハービンジャー 生産者ノーザンファーム 放牧先ノーザンファームしがらき 馬主: 名古屋競馬)が見事な変わり身で勝利を手にしました。
4つの馬装具からレースを振り返ります。
1 ビットガードを外す
今回は桜花賞からスプリンターズステークスまで装着していたビットガードを外してきました。
ビットガードはハミ身に装着するゴムの頬あてです。
口を開けた時にハミ(かん)が口の中に入ってしまうような馬に装着します。また、口角が傷ついているような馬にも使用します。
ビットガードを装着することで、口角への口当たりが柔らかくなり、馬は心地よくハミを受け入れることができます。
しかし、その反面、気性が勝った馬や、口向きに問題がある馬などは引っ掛かる危険性があります。
2 チェリーローラーハミを装着
チェリーローラーハミ(Cherry Roller Bit)を装着していました。
ハミ身にさくらんぼの形をしたローラーがついています。材質はsweet Iron。甘味があるので唾液が分泌され、馬が心地よくハミを受け入れる効果があります。
ローラーの形や数、素材などは商品によって異なります。
ハミに敏感な馬などに効果が高く、今、注目されているハミです。
3 ホライゾネットを装着
今回はホライゾネットを装着してきました。
ホライゾネットは目の周りをネットで覆ったカップ状の馬装具で、走行中に砂が目にかかるのを気にする馬に使用します。
また、馬の視野を狭めて暗くするので、パドックや返し馬で煩い馬を落ち着かせたり、レースで気持ちを集中させる効果があります。
4 折り返し手綱を装着
今回は折り返し手綱も装着してきました。
折り返し手綱は、一端を腹帯に固定し、ハミ鐶(はみかん)を通して使用する手綱です。
通常、折り返し手綱はハミ鐶の内側から外側に通します。
メイケイエールの場合は折り返し手綱をネックストラップに通していませんが、ネックストラップに通す装着方法もあります。
折り返しは乗馬の馬具で手綱が長いので、池添騎手は短く結んでメイケイエールの首にかけていました。黒いのが折り返し手綱です。
レースのVTRを見ると、折り合いに専念している前半は、首に掛けている折り返し手綱を確認できません。これは、通常の手綱と、折り返し手綱の二本をつかんでいるからです。
ゴール前の映像では、首に掛けた折り返し手綱が映っています。これは、二本の手綱を持っていては追い辛いので、折り合いに問題がなくなったり、追うことに専念する場面では折り返し手綱をつかんでいないからです。
なお、「使用制限の特殊馬具」に折り返し手綱は掲載されていません。
陣営の馬装具の試行錯誤に、池添騎手とメイケイエールがしっかりと応えたレースでした。
注意点
折り返し手綱と見間違えやすい馬装具に、ネックストレッチャー(ネックスットレッチバンド)などあります。
ネックストレッチャーは一端を腹帯に固定し、ハミ鐶(はみかん)を通して馬の頭頂部に固定します。手綱ではありません。
2021年12月28日 阪神1R 優勝馬 アテンパーティ
返し馬まで装着しているケースです
ネックストレッチャーは、過去も現在も使用されている馬装具です。
この後も、この記事の写真や説明を更新していく予定です