蹄鉄図鑑 ~落鉄(らくてつ)~
橋浜保子です。
photo by Rumi Enokida
落鉄とは、蹄鉄が蹄から外れて落ちてしまうことを言います。
原因として挙げられることを、以下に列挙します。
調教・レース
・裂蹄(れってい)や蟻洞(ぎどう)などで蹄壁(ていへき)が傷んで亀裂(きれつ)が入ったり、欠損している状態で走っていると、蹄釘(ていちょう)が緩みます。
・左前肢と右前肢がぶつかる(交突・こうとつ)
・後肢で前肢を引っ掛ける(追突・ついとつ)
・一緒に走っている他の馬の脚とぶつかる
・芝とダートの切れ目などで躓(つまづ)いた時の衝撃
・不利を受けた際、急激に態勢を立て直そうとして脚に無理が掛かる
馬房(ばぼう)・洗い場
・他の脚で蹄を踏んでしまう
競走馬は、トップスピードになると全ての負重を一肢=蹄で支える瞬間があります。
このため、例えて一肢だけであったとしても、勝ち負けできる能力があって状態が伴っていても、落鉄しているとレースで力を発揮することは難しいです。
また、レース中に落鉄すると、蹄底(ていてつ)や蹄壁(ていへき)を傷めてしまうことが多々あります。
次走以降に影響を及ぼすケースも多いので、パドックでは蹄の状態に問題がないかを確認します。
なお、レース前に落鉄した際は、興奮するなどして蹄鉄の打ち変えができなかった時は、蹄鉄を装着せずに裸足(はだし)で出走することもあります。
いつもサポート(投げ銭)していただき、ありがとうございます。 おかげさまで、とても励みになります。