🔸「展開（位置）データチェック」の使い方

JRDB 競馬アラカルト

2020年1月3日 18:00

こんばんは。村山弘樹です。

「展開(位置)データチェック」の使い方をまとめました。

こちらは19年有馬記念の「展開(位置)データチェック」です。

「うわ、難しそう...」

そう思われた方でも大丈夫！

一度理解できれば、読み解いていただけます。

「○」や「最内」など、各種記号の意味も解説いたしますので、どうぞご安心ください。

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1.レース情報と残り３Ｆ地点図

まずは、この部分から説明いたします。

画像上部に、レース情報を掲載しています。

有馬記念は11Ｒに行われて、15時25分の発走予定。

芝2500ｍ戦で16頭立て。

ですね。

続いて、画像下部の赤く囲った部分。

ここからは少々、ＪＲＤＢデータの知識が必要になってきます。といっても、そう身構える必要はありません。

「内」「中」と書かれた２×５のマスに、数字が収納されています。

これは、ＪＲＤＢの展開図における、残り３Ｆ地点図をグリッドに落とし込んだものです。

「内」は先頭から15、6、4、8、10、5

「中」は先頭から11、2、9、14、7、1

同じ並びになっていますね。

「展開(位置)データチェック」５番手以内を対象としているので、「内６番手」の５番と、「中６番手」の１番は表示されません。

この残り３Ｆ地点図では、①どの馬が逃げているのか②道中はどのような隊列で進むかを抽象的に把握できます。

この”抽象的に把握する”ことが「展開(位置)データチェック」最大の利点です。

このあたりは、後程深く掘り下げていきます。

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2.レース情報と残り３Ｆ地点図の全景

続いてはこちらの部分を説明いたします。

「最内」「内」「中」「外」「大外」の５×２マスです。

これは、ＪＲＤＢの展開図における、ゴール図をグリッドに落とし込んだものです。

ゴール図の「最内」「１番手」にいるのは４番スティッフェリオ。

ゴール図の「外」「２番手」にいるには８番レイデオロ。

「展開(位置)データチェック」とＪＲＤＢの展開図が一致していることがおわかりいただけるでしょう。

「展開(位置)データチェック」では２番手までを表記し、３番手以降は切り捨てています。

これは、好走率が高いのは２番手の馬までだからです。

また、「展開(位置)データチェック」の位置取りは、この「最内」「○番手」という表現を用います。

アーモンドアイは外１番手だから～

このレースは最内の２番手がよく来るので～

というように用います。

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3.馬番と馬名

これはフィーリングでご理解いただけるかと。

5　10　サートゥルナーリア

これは、５枠10番サートゥルナーリアという意味です。

５枠10番であるのに、「内」に位置しているのがミソですね。

枠番横の三角形は、上にある時は昇級初戦を、下にある時は降級馬を表します。

2020年の競馬に降級制度は存在しませんが、2019年5月までバックナンバーをご覧になる際にお役立てください。

４ジュンスターホースと５グッドラックサマーに注目。馬番に下線がついています。これはこの２頭が４歳馬だということ。

また、３歳以上条件の際は３歳馬に下線がつきます。

ちなみに、１～３枠＝内枠の馬は、枠番に□の囲みが。

７～８枠＝外枠の馬は、背景がグレーになっています。

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４.騎手名・厩舎名とランク表記、およびＩＤＭ印

上段が騎手名、下段が厩舎名です。

厩舎名横の１～４は「京介式厩舎ランク」です。厩舎ランクの説明は↓から。

要約すると、今勢いのある、活躍している厩舎をランクで表したものです。
・ピンク　→　１
・オレンジ　→　２
・黄色　→　３
・白　→　４
・それ以下　→　表記無し

アーモンドアイの国枝厩舎は「１」なので、最上位評価のピンク色です。

他の厩舎も「１」「２」ばかりなので、有馬記念らしく上位の厩舎が集まっていることがわかります。

続いて騎手名横の「騎手ランク」について。

騎手ランクはＡ～Ｆの６段階で、実際に表示されるのはＥまで。Ａが最も優秀です。注意が必要なのは、Ｅランクの騎手でも十分上位の成績を収めていること。

↓の画像では、丸山騎手や池添騎手がＥランクです。2019年の騎手リーディングでは20位以内に入っている両名ですから、「Ｅでも十分上位」と覚えていただければ幸いです。

その右の記号は、ＩＤＭ(インデックス・メモリー)の順位を表します。ＩＤＭとは、ＪＲＤＢの能力指数のこと。つまり、ここに印が入っている馬が、このレースにおける能力上位です。印は上から◎○▲注△▽の順番。上位６頭に印が入ります。

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５.激走馬と展開記号

「激」マークは、「激走馬」につきます。「激走馬」は、激走指数が高く、かつ、人気薄という条件に該当した”妙味ある穴馬”です。

「激走指数」は、ＩＤＭや騎手、情報指数などの各種データに加え、「馬具変更」「騎手乗替」「馬体気配」などから算出します。

どうしてこの馬が好走できたのか？

このような場合、終わってみれば激走馬に該当していたというのはよくある話です。混戦模様のレースでは押さえておいて損はしません。

次に各種記号を見ていきます。

「+印」

+は以下の条件に該当した場合に表示されます。

・展開図の予想着順が１～２着
・展開図の予想着差が0.2秒以内

２番目の条件には、３頭以上が該当する可能性あり。すなわち、+マークが多いほど、そのレースは混戦が予想されます。

「テン記号」

テン指数は、前半３Ｆをどれだけ速く走れるかの指標です。

上記の５頭では、リスグラシューが「テン指数２位」に該当。宝塚記念の内容から、有馬記念でも先行できると評価していました。

ちなみに、テン指数４～５位には、シンプルな○マークがつきます。

「上がり記号」

上がり記号は、テン指数の後半バージョンです。

今回のメンバーで、どれだけ上位の上がり３Ｆタイムを使えるかを表します。

19年有馬記念ではサートゥルナーリアが上がり１位。リスグラシューとアーモンドアイが２位３位でした。

つまり、リスグラシューは「先行できて上がりも速い馬」と分かります。展開記号からは、完勝を十分に予想できたと言えるのではないでしょうか。

また、上がり指数４～５位は▲マークが入ります。

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６.前走の前半３Ｆ・上がり３Ｆ順位

前走で「前半３Ｆタイム順位」および「上がり３Ｆタイム順位」が３位以内であった時に表示されます。（前走がＪＲＡの場合のみ）

上段の数字は「前３Ｆタイム順位」
下段の数字は「後３Ｆタイム順位」

前走が海外だったリスグラシューには、何も表示されていません。

アーモンドアイは、前走の天皇賞秋で上がり３Ｆタイム２位だったことがわかります。

また、スティッフェリオは、前半３Ｆタイムが２位でした。

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７.基準オッズ（順位）

ＪＲＤＢ作成の「基準オッズ」です。言い換えれば推定オッズですね。

左が人気順で、右がオッズ。

フィエールマンは「５」番人気「13」倍となる予想です。

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８.その他

左の９、６、10、８、５は、ＪＲＤＢの「展開印」上位馬を表します。

◎○▲注△の順に、１～５位の値が振られています。

このゴール図の順番ですね。先頭から９、６、10、８、５と並んでいます。

３Ｆラップ差は後述します。

Ｓ・Ａランクとは、前走～３走前のレースレベルが高かった馬を示しています。表示されるのは１着馬だけです！

レースレベルがＳ・Ａランクで勝ち上がった馬は、１つ上のクラスでも通用します。昇級初戦でも馬券圏内に好走する可能性は高いです。

１走前が高ランクの９はアーモンドアイ（天皇賞秋）で、７はワールドプレミア（菊花賞）。有馬記念で３着だったワールドプレミアは、前走で高レベルの戦いを演じていたのです。

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以上が、「展開(位置)データチェック」の各項目の説明です。

９.成績版

レース後に更新する「成績版」は以下のように変わります。

レース前日版

レース成績版

「道中図」に着順が反映されます。

６リスグラシューが１着＝白抜き。背景が黒。

10サートゥルナーリアが２着で、７ワールドプレミアが３着＝白抜き。背景がグレー。

前後半の３Ｆラップ差が更新されます。

19年有馬記念は、前半３Ｆ通過が35.1秒。上がり３Ｆが37.6秒だったので、

35.1-37.6=-2.5

３Ｆラップ差は-2.5となります。

確定オッズと着順が更新されます。

レース前日版では、ＪＲＤＢの基準オッズでしたが、成績版では「確定オッズ」を表記しています。

アーモンドアイは、１番人気1.5倍の確定オッズ。結果は９着でした。

リスグラシューは２番人気で6.7倍。見事１着で有終の美を飾りました。

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10.「展開(位置)データチェック」のメリット

先述したように、「展開(位置)データチェック」最大の利点は、ＪＲＤＢ展開図を”抽象的に把握できる”ことにあります。

このような展開図を見ると、

９アーモンドアイが抜けている。次点も６リスグラシュー、10サートゥルナーリアでいいだろうと、つい考えてしまいます。

しかし、「展開(位置)データチェック」では、１列目の５頭、２列目の５頭がすべてフラット。

重要なのは、「最内」～「大外」のどの位置取りであるかだけ。強い弱いという先入観を破棄し、レースを俯瞰できます。

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11.「展開(位置)データチェック」の使い方

「展開(位置)データチェック」は、レース当日の傾向をつかむに便利なツールです。

・今日はステイゴールド産駒がよく走っている

・今日の小牧騎手は度々穴をあけているな

このような”その日の流れ”を、各馬の位置取りからつかむのです。

こちらは、19年マイルＣＳ当日の成績版。

傾向をつかむために赤色を入れると、、、

10Ｒ終了時点で、

・「中１番手」は、２Ｒの10番人気だった馬以外は、好走できている。

・「外１番手」「大外１番手」は今ひとつかも。

・２列目の馬は、外目の位置取りが有利か。

と考えつくと思います。

ここまでイメージできれば、マイルＣＳで「中１番手」ペルシアンナイトと「大外２番手」ダノンプレミアムを評価し、「外１番手」ダノンキングリーと「大外１番手」レイエンダの印順を１つ下げることができたでしょう。

実際のレースにおいて、ダノンキングリーは馬場の最内を通りましたが、大事なのはそこではありません。

これまでのレースでは、「どの位置取りが有利だったか」

これだけです。

レース結果を抽象的にとらえるからこそ、普通では考えつかない馬をピックアップすることにもつながります。

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11.「展開(位置)データチェック」の種類

前日版・成績版にはそれぞれ、「レース順」「芝ダート別」の２種類があります。

「レース順」は、１レースから12レースまでが順番に並んだもの。

「芝ダート別」は、芝だけ、ダートだけをそれぞれ集めたもの。傾向をつかむためには、こちらがオススメです。

19年有馬記念のＰＤＦを無料でダウンロードいただけますので、確認なさってみてください。

「展開(位置)データチェック」のご説明でした。

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