声優という肩書きの人について

ふと思ったことを文章にしているだけで中身はないです。それでも一個人の視点を把握したい人だけ読み進めてください。

『君の名は』や『鬼滅の刃』のアニメブームにより、所謂オタクではない普通の人でもアニメを見ることが一般的になり、これまで以上に声優という肩書きの人が注目されるようになったと思います。
「注目されるようになったのはもっと前だろ」と思った人もいるかもしれませんが、今したいのはその話ではないのでそこは追求しないでください。
2023年の声優名鑑に男女合わせて1706人掲載されていて「声優が増えた」と少し話題になったと思います。この1706人って感覚的に“多い”と思いますか?

まずは僕ら側(限界キモオタク側)からこの人たちに対する認識を語りたいと思います。
例えば、ラブライブやウマ娘、アイマス等のアイドル系コンテンツに出演する“声優という肩書の人”はラブライブだけで50人くらいいますし、ウマ娘なら100人、アイマスなら230人くらいいて、その中でも頻繁にアニメ等で名前を見る人は数十人に絞られるので、1706人は多すぎると感じます。
そして彼女らの中には“声優”という肩書きを自称しているにもかかわらず、他のアニメやゲームのキャラクターを演じることもなく、TV番組等でナレーションをするわけでもなく、ネット配信の個人番組に出演したり、写真集やカレンダー、雑誌等を発売して“お渡し会”というイベントでファンと会話したり、SNSで趣味の話などを投稿し、いかにもファンとの距離が近いように感じさせている地下アイドルもどきの人が大勢います。

そもそも“声優”の定義って何だと思いますか?アニメやゲーム、外画(日本以外で作成した映像作品)の吹き替え等に出演したり、TV番組等のナレーションをすれば“声優”なんでしょうか?
例えば、『名探偵コナン』では俳優や芸人、歌手やサッカー選手等が“ゲスト声優”として映画に出演していたりします。これは“ゲスト声優”であって“声優”ではないという見方もできるでしょう。
でも冒頭で話題に挙げた『君の名は』なんかは俳優の神木隆之介さんや上白石萌音さんが主役を演じていますよね。
バラエティ番組のナレーションをよく担当しているお笑いコンビ南海キャンディーズの山里亮太さんは“声優”ですか?
『ハヤテのごとく!』や『トニカクカワイイ』で有名な漫画家の畑健二郎先生についてご存じでしょうか?彼は『さよなら絶望先生』や『かってに改蔵』のアニメで畑さん役やアシスタントH役で出演しています。概ね本人役とはいえ、この前提で「畑健二郎先生は声優か?」と問われたらあなたはどう答えますか?

何が言いたいかと言うと“声優”って、公的な資格が必要な仕事でもないし、ある日突然「やれ」と言われてできてしまう、言ってしまえば“誰でもできる仕事”に見えるんですよね。広義の“声優”は映像作品やゲーム等の制作における一工程の実施者であって、肩書きや職業として語るものではないと思うんです。例えば普段は配達業務をしている人がパソコンで勤怠入力をしただけで「俺は事務員だ」なんて自称しないですよね。だから1,2役ほど声を充てただけで自分の職業を声優だと自称する謎の人は馬鹿にしていいんじゃないかと思ったりもします。

少し話は変わりますが“作家”という職業の定義は何だと思いますか?文章を書くだけなら僕にだってできます。ですが、書いたからといってそれが伝わるかは別ですよね。そもそも僕が書いた文章を読みたいと思う人がいるかわかりませんし、ここまで読んでくれた人もいれば、冒頭で切ったり、タイトルだけ見て読まなかった人もいるでしょう。そして最後まで読んでもらえたとしても、僕が伝えたかった通りに読者に伝わるとも限りません。僕とプロの作家との違いは伝えたいことを的確に文章で伝える“技術”の有無だと思います。
伝える技術というのは、文章の読みやすさや面白さもあれば、取り扱っているテーマだったり色々あると思います。そもそものネームバリューも読ませるきっかけの一つですが、読ませることができても内容が良くなければその文章が評価されることはありません。何かを伝えることができて初めて作家として成立するんだと思います。入口は文章を書くという“誰でもできること”であっても、プロとして成立させるのは簡単ではないというのが僕の伝えたかったことです。

声優の話に戻しますが、キャラクターを演じる声優の役割は、そのキャラクターの感情や背景を声で伝えることだと思います。ナレーターの役割も同じで、文章の雰囲気と内容を正確に声で伝えることだと思います。そういう“技術”を持った専門家のことを職業としての声優と言うんだと思います。
そんなキャラクターの感情等を視聴者に伝えるという“本来の仕事”を蔑ろにして、アイドルもどき活動に精を出している人ほど自分の職業を“声優”だと語っている気がします。もちろん自ら語っている場合だけでなくメディアがそう語らせている部分もあるんですが、彼らは声優という職業を何かの免罪符かのように扱っていないでしょうか。「(アイドルじゃなくて)声優だから恋愛禁止じゃない」という主張は、その人が声優としての実力、実績があるなら全く以てその通りだと思います。恋愛に限らず人生経験なんて豊富なら豊富なほど表現の幅が広がるはずだから、本当に声優なら犯罪以外は何をしたって認められるべきです。つまり恋愛に関してファンから色々と言われてしまう時点でその人は正しく声優という職業をできていないのではないでしょうか。

最近蔓延っている「推しの幸せを祝えない奴は本当のファンじゃない」という論については、正解でもあるし不正解でもあると思います。人生経験が豊富であることが声優としてのあるべき姿だと前述しました。これに則ればその人の幸せを祝うのが正解だと思います。
しかし、ファンとしてその人の仕事ぶりを見てきて、その上でその人の幸せを祝えないのなら、それもまた正解だと思うんです。というより、ファンが幸せを祝えないような仕事しかやってこなかったその声優もどきが不正解なんだと思います。

本題に戻す前に、東京大学って知っていますか?日本で一番偏差値が高いとされている大学です。京都大学も似たような扱いなのでこの際どっちでもいいです。どちらが高偏差値なのかはどうでもいいので語りませんが、東京大学あるいは京都大学に入学した人って、感覚的に結構凄い人だと思いますよね?じゃあその東京大学や京都大学に毎年何人入学しているか知っていますか?東京大学は約3000人、京都大学は約2600人です。卒業できるかは別として、毎年その人数が増えるということです。
本題の声優1700人が多いか少ないかですが、東大や京大に入学した人が凄い人なら、全年代で合計1700人しかいない声優という職業の人って超凄い人じゃないですか?
日本で資本金額1億円以上であり、かつ従業員100人以上の企業、即ち大企業と呼ばれる会社の数は約1.2万社あります。つまり、社長という役職の人数も約1.2万人ということになります。確率的な話をするなら大企業の社長になるより声優名鑑に載る方が遥かに難しいということです。

結論、声優という職業は難しくて凄いんです。だから本来の仕事を蔑ろにしてオタクに媚び売ってるだけで人気声優ぶってる奴は淘汰すべきだし、そういう奴が彼氏バレとかした時に「声優は恋愛禁止じゃない」とか言って擁護してはいけないと思うんです。
声優が彼氏がいたことないふりをしてオタクに媚びを売るというのは、大企業がゴルフボールで車をへこませて修理費を稼いでいたのと大差ないと思います。本当に彼氏がいなかろうがオタクが付き合えるわけじゃないとか修理費は保険会社の負担だから消費者に不利益はないとかそういう話ではないんです。本来の仕事をしなくなったらその業界は終わりなんです。
声優を自称するなら小細工せず、ナレーションやキャラクターの演技で勝負すべきという話でした。

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