杉山晴紀厩舎2019-2020【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析(お試し版)

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ひとこと&厩舎ダイジェスト

【杉山晴紀厩舎2019-2020】
2020年桜花賞優勝厩舎。賞金高い特別戦で勝率を上げてくる厩舎力に注目。
今後の募集馬は人気殺到で買いにくいことが予想されるが、狙うなら厩舎得意の芝根幹距離に強い王道血統!

杉山厩舎1

・経営モデル
仕入れ数[多] - 出走数[多] - 残存率[標準] - [厩舎力>馬価格]
・モデル馬
ウインテンダネス…1勝C時に引き継ぎ。芝根幹距離特別戦4勝、目黒記念優勝。ウインRC。
ロードマイウェイ…破竹の5連勝馬。芝二千チャレンジC優勝。ロードHC。
・特注アイコン
【芝根幹距離】【出走数多い】【特別戦勝率】


厩舎特徴

杉山厩舎2

・2019年がキャリア4年目。データ集計期間外ですが2020年桜花賞をデアリングタクトで優勝しています。
・通算(2019年まで)の全体成績の芝ダートの傾向から見てみます。芝31勝:ダ37勝と通算では五分五分ですが期間を分けると見え方が変わってきます。2016~2018年(芝12勝:ダ27勝)→2019年(芝19勝:ダ10勝)となっており、2019年から一気に芝厩舎の傾向に変わってきています。
・特別戦は通算(2019年まで)で22勝。芝15勝:ダ7勝という分布です。距離面では、芝は千二~二四、ダートは千~千七と偏りは見られません。距離であえて特徴的なところを抽出すると芝根幹距離での強さが目立ちます。芝特別戦15勝のうち11勝が根幹距離(千二・千六・二千・二四)となっています。競馬場では札幌から小倉まで偏りなく勝ち星がありますが、なかでも東京競馬場で8勝しており東京での強さが際立ちます。
・JRA重賞は2019年までで全3勝。ウインテンダネス(目黒記念)・ケイティブレイブ(京都JBCクラシック)・ロードマイウェイ(チャレンジC)の3頭です。ウインテンダネスは1勝クラス時の引き継ぎ、ケイティブレイブは実績馬の引き継ぎ、ロードマイウェイは新馬から育成、と違う形態での馬で重賞タイトルを獲っている点は強調材料でしょう。
・杉山厩舎成績でもっとも注目したいのが特別戦での勝率です。2019年までの勝率比較をすると、平場.065:特別.126となっており賞金高い番組で勝ち切ることができています。下段でも見ていきますが出走数多い傾向なので、平場では出走数重視、特別戦では一戦必勝というように戦い方を変えている印象です。
・一頭一頭と向き合う馬づくりのようです。担当制にして一頭一頭に時間を注ぎ、調教メニューもそれぞれに合わせて組むスタイルです。「変化を感じ取ることが大事」と師は仰っています。2020年桜花賞優勝後日談でで出てきた話題ですが、デアリングタクトのローテ案で岡田牧雄氏(岡田スタッドグループ代表)に対してまったく譲ることがなく杉山師が主張している記事がでていました。一頭一頭を把握している自負・自信があってのものなのでしょう。


厩舎アーニング・インデックス

※各EI(アーニング・インデックス)は独自算出の数値で平均値が1.00です。用語説明はこちら
https://note.com/jra_trainer/n/nd2f94207f16d

杉山厩舎3

厩舎の勢力を感じる指数構成になっています。まず馬房数を年々増加させています。この馬房増のなかで、多めの出走数を維持(③出走EI)して、賞金を年々上乗せ(①厩舎EI)させています。馬房増のときには指数が小さくでる傾向があるなかでの指数上昇はかなりのものだと感じます。また、馬房増に合わせて仕入れ頭数(2歳馬年末時点登録数)も増加させており、営業力の強さも感じます。この仕入れた馬を平均値前後で残存させています(⑥残存率EI)。
キャリア浅い厩舎なので今後は傾向変化があることも予想されますが、すでに特別戦では一戦必勝型スタイルで実践できていることを考えても、変化するにしても楽しみな変化のほうが多そうだと予想されます。


今後の展望

2020年桜花賞優勝後の電話インタビューを聞いていても浮ついたところは感じられず冷静でした。引き続き真摯に馬づくりに取り組んでいくことと推測しています。調教師試験合格後に池江泰寿厩舎での研修経験があり、今後目標にしていくのは池江厩舎のようなトップステーブルも視野に入りつつある2020年春だと思います。それとここまでクラブ馬で成績をだしていますので、今後は長いお付き合いをできる個人馬主さん開拓にも注力していくように思います。厩舎経営の安定化には個人馬主さんの存在も大切です。
それと寺島厩舎の存在。杉山師と寺島師は同年齢で開業年も同じ、シーズン中の急開業も同じです。厩務員時代に菊花賞馬(杉山師:スリーロールス、寺島師:アサクサキングス)を担当していたのも同じです。厩舎急成長の過程も似たような曲線で、ご本人同士が意識されているかわかりませんが、励みになる存在だと思いますし情報交換もできると思います。

特注クラブ募集馬(狙ってみたい募集馬イメージ)

ノルマンディーTR(デアリングタクト)・ロードHC(ロードマイウェイ)・ウインRC(ウインテンダネス)・キャロット(ストライクイーグル)とすでに各クラブで実績をあげている。それぞれのクラブは育成や外厩が異なるので、そういうなかで結果を出している点は強調材料。どのクラブも預託馬質は上昇するはずでどこでもチャンスあると考える。一点、2019年からの厩舎傾向に伴って芝馬を推したい。芝根幹距離に強いこともあり王道血統で勝負するのもあり。
余談。デアリングタクト募集(2018年)時点での杉山厩舎はダート指向であり、筆者の考え方ではデアリングタクトへの出資はできません。デアリングタクト出資者のみなさまの先見性を称えるとともに桜花賞優勝にお祝い申し上げます。

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