ホープフルSへ出走数の多い厩舎(2021年版)~出走しやすいG1の厩舎傾向~
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今回は「ホープフルSへ出走数の多い厩舎(2021年版)」です。
厩舎の最新の傾向を知るために、今年を含む(G1昇格後)直近5年でのホープフルSへ出走数の多い厩舎を調べるものです。最新の厩舎傾向(今回で言えば2歳牡馬中距離戦線に強い厩舎)を知り、次世代での出資戦略の参考になればという考え方です。
翌年のクラシックを意識する馬の出走も増えつつある重要な一戦、ホープフルS。
仮の話ですが、クラシック狙いでの募集馬(牡馬)を出資検討している際に、今回の「ホープフルSへ出走数の多い厩舎」が預託予定であれば積極的に出資検討していくようなイメージで活用いただければ幸いです。(※ホープフルSは規定上、牝馬も出走できますが出走馬の多くは牡馬なので上記表現にしています。また、騙馬は出走できません。)
では本題に入っていきましょう。
まずは今年を含む直近5年の出走厩舎一覧です。
上記の一覧表を見て最初に気づくのが、下のほうの枠が空欄になっていることです。つまり、フルゲートに満たない出走頭数でここまでのホープフルSは施行されてきています。
別な表現をすれば、(多少の条件はつくものの)ホープフルSは出走意志があれば出走しやすいG1競走という見方もできると思います。(「ホープフルSは出走しやすい」という背景もあることを認識しつつ読んでくださればと思います。)
続いて、上記一覧を纏め、直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものが以下です。
今年も、友道厩舎・矢作厩舎のワンツーとなりました。
今年「も」と書きましたが、実は前年版の同じ記事で以下のように書いておりまして、
・友道厩舎=2歳牡馬マイスター
・矢作厩舎は、ホープフルS・阪神JFと2歳牡馬牝馬G1全方位型
今年も同様な見方を継続でよいかなと筆者は感じています。(前年版記事は以下です。)
前年版と同じ内容だけでは面白くないので、友道厩舎・矢作厩舎に加えて高木厩舎を含めた3厩舎のホープフルS関連の話題も書いていこうと思います。
友道康夫厩舎とホープフルS
友道厩舎の年毎の2歳勝ち上がり頭数(牡メス合計)を調べてみました。ホープフルSなど2歳G1へ出走数が多いということは、当たり前ですが勝ち上がり頭数も多いということだと思います。具体的には、12月G1へ出走が可能な「11月末までの勝ち上がり頭数」を調べてみました。
友道厩舎(年毎の2歳11月末までの勝ち上がり頭数)
2017年 6頭
2018年 11頭
2019年 7頭
2020年 10頭
2021年 10頭
これだけ多くの頭数を友道厩舎が2歳早期(11月末まで)に勝ち上がらせているということがわかります。(加えると、11月末までに二桁頭数を勝ち上がりに導く年が複数あることが驚異的だと感じます。)
さらに付加情報です。
各年の年末時点での2歳登録頭数も加筆して見てみましょう。(年末時点での2歳登録頭数は筆者調べです。)
友道厩舎
2017年 6頭(2017年年末時点2歳登録頭数:20頭)
2018年 11頭(2018年年末時点2歳登録頭数:21頭)
2019年 7頭(2019年年末時点2歳登録頭数:28頭)
2020年 10頭(2020年年末時点2歳登録頭数:29頭)
2021年 10頭(2021年12/27時点2歳登録頭数:31頭)
友道厩舎は、毎年、登録頭数のうちだいたい25~30%を早期に勝ち上がらせ、その後ホープフルSや朝日杯FSに送り込んできているような構図だと推測できると思います。
ということは「早期デビュー」は友道厩舎のキーワードになりそうで、最近の友道厩舎クラブ活躍馬レッドジェネシスも2歳7月デビューでした。友道厩舎の牡馬募集馬へ出資検討する際には早期デビューできそうか?を検討材料のひとつに入れるとよさそうな感触を持てます。
※レッドジェネシスは勝ち上がりは12月に入ってからで2歳G1出走はありませんでしたが、重賞優勝~ダービー出走という一口馬主的には憧れる路線を歩んだことから事例として挙げさせていただきました。
矢作芳人厩舎とホープフルS
続いては矢作厩舎です。
矢作厩舎については直近5年のホープフルS出走馬4頭とその出走歴を見てみましょう。
矢作厩舎 ホープフルS出走馬4頭とその出走歴
2017年 ステイフーリッシュ(新馬1着→ホープフルS3着)
2019年 コントレイル(新馬1着→東京スポーツ杯1着→ホープフルS1着)
2019年 パンサラッサ(未勝利1着→エリカ賞6着→ホープフルS6着)
2020年 テンカハル(未勝利1着→葉牡丹賞11着→ホープフルS6着)
注目すべきはコントレイル以外の3頭です。
コントレイル以外の3頭はすべて1勝馬によるホープフルS出走です。
ホープフルSがフルゲートに満たないことを冒頭で触れましたが、こういう出走しやすいレースにきちんと管理馬を送り込んでくるあたりに矢作厩舎らしい出走戦略を感じますし、隙のない厩舎だからこその現在の成績なのだろうと思います。
余談ですが、もしフルゲート未満の出馬表を見たら、出資者目線で「出走枠があるのなら自分の出資馬もホープフルSに出走してほしい!」と思うこともあると思います。こういう部分にもきちんとケアできていているのが矢作厩舎なのでしょう。1勝馬によるホープフルS出走がすべてクラブ馬というのも偶然ではないようにも見えてきます。
こうやって、調べながら書いていると矢作厩舎の素晴らしさというか恐ろしさ(ほめ言葉として)も感じるくらいです。素晴らしいと思います。(矢作厩舎は、朝日杯FSへも阪神JFへも出走数上位厩舎であることも補足致します。記事リンクは最下部に貼ります。)
高木登厩舎とホープフルS
最後に、出走頭数第3位に入りました高木厩舎についても書いて締めたいと思います。
高木厩舎と言いますと、最近ではアナザートゥルースやサウンドトゥルーのようなダート上級馬が思い浮かびますが、実は世代限定の芝重賞での実績も複数持っている厩舎です。
高木厩舎 世代限定の芝重賞優勝実績
2014年 毎日杯(マイネルフロスト)
2014年 ラジオNIKKEI賞(ウインマーレライ)
2018年 札幌2歳S(ニシノデイジー)
2018年 東京スポーツ杯2歳S(ニシノデイジー)
上記実績を見るとわかりますが、芝中距離での実績が豊富であることがわかります。一口馬主的には「芝中距離血統の高木厩舎募集馬でホープフルSを目指す」というプランもアリだと感じます。
高木厩舎 ホープフルS出走馬とその父馬
2018年 ニシノデイジー(父ハービンジャー)
2019年 ディアセオリー(父サムライハート)
2021年 グランドライン(父ドゥラメンテ)
並んでいる種牡馬名が芝中距離以上を意識させますし、素直に芝中距離血統募集馬を狙っていく手法が良いように感じます。(特に、エアグルーヴ系種牡馬産駒は注目でしょう。)
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冒頭で「ホープフルSは出走しやすい」と書きましたが、この点は再度認識を持っておきたいと思います。今後、環境変化が起こって除外馬も発生するようなホープフルSになったとすると出走厩舎の傾向や戦略も変わってくると思います。
そういう動向変化にもアンテナを立てつつ、今年最後のJRA開催を満喫できればと思います。
みなさまにとっても楽しいJRA開催最終日になることを願っています♪
今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
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