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進撃の巨人に心臓を捧げる話

開いてしまいましたね。

もうあなたは「進撃の巨人」から逃れることができません。
捕食されるのを待つだけの身です。
でも安心してください。
「進撃の巨人」を読まないことで生じる著しい機会損失を免れることができるのですから。

申し遅れました。
私、進撃の巨人大好き芸人のドラゴンです。
いや、芸人ではないか。
似た何かです。

この記事は「進撃の巨人」への愛
そして天才・諫山創への想いを語るものです。

普段はここ(note)で、JRA競馬のサイン解読を記事にしています。
今週の日曜日(2021年5月2日)に行われる天皇賞春と「進撃の巨人」がコラボするということで、進撃サインを記事にする予定です。
それに先だって、昂ぶる気持ちをおさめるべくこの記事をUPすることにしました。

進撃ファンの皆様へ
最終回まで読んだ方は第二章だけ読んでください。
(第一章はあなたにとっては長いだけで無駄です)

サイン競馬派の皆様へ
サイン解読に直接関係する記述はありません。
(間接的にはあり)

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この記事の構成

プロローグ 人生で一番の漫画作品は?(ネタばれ度0)
第一章 進撃の巨人がナンバーワン(ネタばれ度0)
第二章 諫山創の魅力(ネタばれ度MAX!)

進撃未読の方は、第一章の最後まで読んだら引き返してください。
アニメ勢の方も同様です。
第二章で壮大なネタばれが炸裂します。

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プロローグ 人生で一番の漫画作品は?

「今まで読んだ(観た)漫画(アニメ)の中で一番の作品って何?」

こう訊かれたら、たいていの人は答えるまでに時間がかかります。
そして出てくるセリフはというと

「一番というか、トップ3を挙げるとすれば……」
「そうだな、SF部門だと……」
「好きな作品という意味でなら……」

こんな前置きをつけてしまう。
一作だけを挙げるというのは難しいものです。

ですが私は即答できます。

進撃の巨人です!

これ以上の作品を私は知りません。

「どこがどう面白いの?」

すみません。
最初はその問いに答えるような記事を書いて、微力ながら進撃に貢献しようと思っていたのですが、私の拙い筆力では伝えられそうもありません。

いろんな人がブログなどで理路整然と分析し語っているので、そちらをお読みください。
無責任やなぁ。

なので方針を少し変更しました。

第一章では、私がどれくらい進撃好きかを語ります。

第二章では、ネタばれ全開で熱い(暑苦しい)想いを語ります。

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第一章 進撃の巨人はナンバーワン

進撃の巨人は私の読んだ漫画(アニメ)の中でダントツのナンバーワン作品です。

さっきも言いましたが、即答できます!
完全に、ダントツに、2着馬を50馬身ほど離して勝っているからです。

「比較する漫画やアニメがほとんどない人?」

いいえ。
そんなことはありません。
子どもの頃、手塚治虫に直接サインを書いてもらったほどの漫画キャリアの持ち主ですよ、私は。
えへん!

「年食ってるだけ?」

そうでもありません。
結構読んでいるほうだと思います。
まあジャンルに偏りもありますし、私の何倍も詳しい人は大勢います。
でも、若葉マークではありません。
車の運転でいえば、それなりの経験を積んだベテランドライバーです。
レーサーにはとうてい敵いませんが、藤原とうふ店とバトルできるくらいの腕はあります。

その私が断言します。

「進撃の巨人」はナンバーワンです!

どうですか?
読んでみたいと思いませんか?

あなたのナンバーワンと私のナンバーワン。
どっちが凄いかちょっと戦ってみませんか?

今すぐ本屋に行って1巻~6巻まで買ってきてください。
進撃はそこまで読んでもらわないと困るんです。
最初は下手なんですよ、絵が。
ハンパないくらいに……
そこが、無敵を誇る進撃の唯一の弱点といえるでしょう。
「進撃のうなじ」ってとこです。
あ、意味分かんないですよね。

もし私が勝ったら、あなたは私に感謝することになります。
もし私が負けたら「ごめんなさい」と言います。
お金は返しません。
あしからず。

「お金を払うのはちょっとなー」

お任せください。
下の「進撃の巨人作品公式サイト」ではなんと!23巻分を無料で読めます。
ずっと無料というわけではないと思いますので、お早めに!

アニメでもいいですよ。
いやむしろアニメがいい!

アニメを先に観てから漫画をじっくり読む。
これが私の勧める進撃スタイルです。

漫画は二度三度と読み返すことになるからです。
絶対にそうなります。
なので、最初はアニメならではの動きと表現を楽しむのがいいと思います。
原作に忠実に作っていますが、ただストーリーをなぞるだけではなく、きちんと演出がされているので安心して観てください。

アニメは、AmazonプライムやNetflixにあります。
入っていなければ、Amazonプライムなら30日間の無料トライアルがありますよ。
タダですから一度観てみてください。

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第二章 諫山創の魅力

ご注意ください。
この先、ネタばれMAXです。
漫画未読の方はここで引き返してください。
アニメ勢もダメです。
読んだら卒倒しますよ。
最終回まで読んだ人しかこの壁を越えてきてはいけません。
「これは絵ではない」どころの衝撃ではないですからね。

私が感じる「進撃の巨人」の魅力。
あなたと同じです。
いまさら言うまでもない。
進撃ファンは道で繋がっているようなものですからね。

ただ……
「う~ん、同じことに言及している人はあんまりいないなぁ」と感じていることがあるんです。
今回はそれを書いてみようと思います。

「進撃の巨人」の魅力

それは……

最後の警告です。
未読の方、アニメ勢は立ち入り禁止。
立ち入る資格のある方は、下スクロールしてください。




















主人公が全人類の8割を虐殺したこと

おーい。
大丈夫か?
アニメ勢、入ってきたらダメだと言っただろう。
もう知らんぞ。

世界を破滅から救う主人公は大勢います。
結果的に世界が滅ぶ作品もあります。
世界が滅ぶことを選ばざるをえないという展開もあります。
あるいは再生のための滅びという「王道」もあります。

ですが

自分の仲間と世界の8割を天秤にかけて
後者を皆殺しにすることを選んだ主人公

って見たことないわ!

「いやいや、目的は差別のない世界やろ」

違います。
それならジークの安楽死計画でよかったはずです。
仲間の命は救われます。
限定的な地鳴らしは発動するのでマーレ人の被害は出ますが、あそこまでの大量虐殺にはなりません。
エルディア人という人種は長い時間をかけて静かに消えてていきますが、生きている個々の命は寿命を全うできます。
ユミルの民がいなくなるのですから、そこに起因する差別はなくなります。
(まあ新しい差別が生まれるでしょうし、世界から争いはなくなりませんが)

パラディ島の仲間は救うで
これから生まれてくるパラディ島の子どもの命も奪わせへんで
そのために世界の8割の命を頂戴します

これがエレンのしたことです。

仮に、その行為の結果として差別のない平和な世界がもたらされるとしても、人類8割虐殺なんて行為が許されようはずがありません。

しかしあの結末は多くのファンに受け入れられています。
クソと言っている人も少数いますが……
まあいろんな意見があって当たり前ですね。
衝撃の結末ですから。
しかし酷い炎上は起きていない。

なぜか?

エレンがただそうしただけのことだから

進撃の世界に生きていた登場人物は、みな違った目で世界を見つめていました。

ジーク、リヴァイ、エルヴィン団長、ハンジ、シャーディス教官、ニック司祭、ケニー、ウーリ、サシャの父、グリシャ……

それぞれに違った人生があり、それを背景に生まれる異なった考えを持っていました。

諫山創はそのどれも否定しませんでした。
現実の人間が誰にも否定されないように。
いや、違いますね。
現実の世界では、他人からの否定はたえずついて回ります。
ですが、神から否定されることはありません。
そう言い直しましょう。

創作の世界では異なります。
たいていの場合、作品の神である漫画家は主人公に正義を持たせます。
主人公は肯定され、相対的に対立者(敵など)は否定されるのです。
主人公と異なった主義主張を持つ登場人物が用意されるのは、主人公への対抗軸として利用するための配役にすぎません。
「敵にも正義がある」という構図の場合であっても同じです。
「すべての主義主張には同じ価値がある」と表面上みせかけた演出も、一皮むけば主人公に自分(作者)の正義を背負わせています。

しかし進撃世界の神・諫山創は違いました。

登場人物それぞれが、自らの信念に従って行動した
諫山創は、それが正しいかどうかのジャッジをしなかった

「その人物なら当然そう考えるよね」
「だから、こういう行為にはこう応えるよね」
「結果、こうなっちゃうよね」

ただあるがままに、その人物がするであろうことをさせた。
それが諫山創の「進撃の巨人」でした。

エレンは進撃した。
人類の8割が死んだ。
あの世界には、そういう歴史が刻まれた。
それだけです。

正しいか正しくないかを諫山創は提示しない

その俯瞰した目線があるからこそ、エレンのイカれた行動も非難されないのでしょう。
(書き直しを要求する運動が海外であるそうですが)

「進撃がハッピーエンドかバッドエンドか、そういう視点で考えたことはなかったですね」

諫山創はそう語っていました。

なるほど。
そうだろうなと思いました。

あるTV番組では「諫山先生は、進撃のキャラでいうと誰に似ていますか?」とファンが質問していました。

「オルオかな」という答え。

謙遜でしょう。
いや、本心も混ざっているかもしれません。
ですが、私にははっきりと見えます。

諫山創はリヴァイに似ている

超人的なフィジカルのことではありません。

「何が正しいかなんて分からない。自分自身で選べ」

部下を統率する立場にありながら、リヴァイはこの姿勢を最後まで崩しませんでした。
諫山創もまたそういう人物だと思います。

物語を紡ぐ天才であるだけでなく、リヴァイに似た作者。
惚れてまうやろー!

もし将来、諫山創に会えたら。
サインを貰うことができたら。
ハンジを描いて欲しいとお願いするでしょう。
私、激推しなんですよハンジの。

132話、良かったですよね。
「飛行艇は!?」
「飛び立ったよ」
「え…?」
「ハンジ、お前は役目を果たした」
「まったく…団長なんかに指名されたせいで大変だったよ…エレンのバカがさぁ…」
「ああ…大変だったな ゆっくり聞くよ」

いやほんとにハンジらしい。
最高の締めくくりでした。

そして最終回リヴァイの前に現れたハンジの悲しげな顔。
そりゃそうでしょう。
ハンジは人類虐殺はダメだと思っていたのですから。
「エレンのバカがさぁ」と言っていたときはまだ地鳴らしを止められる可能性があったので明るいトーンでした。
でも最終回では人類の8割が殺されていますからね。
最後の心臓を捧げよも忘れません。

諫山創に会ってみたいですね。
天才を間近に見てみたい。

「最初から最後まで呼び捨てにしやがって。諫山創先生だろ」

いやいやいや、これは最大級の敬意の表し方なんやで。

岡本太郎
イチロー
武豊
宮崎駿
藤井聡太

巨大すぎる才能には「さん付け」はせんのやで。
そやからこれでええんや!

ということで、これからも私は「進撃の巨人」を愛し続けます。

最後に「進撃の巨人」という世界を創造し、それを世に送り出してくれたふたりの巨人に敬意を表します。

ありがとう諫山創。

ありがとう川窪慎太郎。

オレ達の戦いはこれからだ!!!