第53回皐月賞【1993年】
忘れもしない1993年の皐月賞
1993年の皐月賞、注目していたのは『ウイニングチケットが何着になるのか?』という点だった。
ウイングチケットはシンボリルドルフの再現馬。
当時、『ウイニングチケットはシンボリルドルフとクリソツだよね』と仲間内で話をしていたが、ウイニングチケットが日本ダービー馬の最有力候補だと思っていた。
当時の力量では、皐月賞で何着になれば日本ダービー馬になるのか?というのが全く解らなかったが、少なくとも優先出走権は絶対必要だとは思っていたのである。
そして皐月賞の私の予想はビワハヤヒデを連軸だった・・・。
1着ナリタタイシン、2着ビワヤハイデで軽く馬連的中。
と思いきや・・・・。
まさか・・・
1993年 皐月賞動画(レース後の審議から確定までの映像あり)
電光掲示板には審議ランプがつき、1着14番ナリタタイシン、2着18番ビワハヤヒデ、3着5番ガレオン、4着1番シクレノンシェリフ、5着4番ウイニングチケットが映し出される。
『ウイニングチケットは5着か、ダービーの優先出走権は取れなかったんだぁ』
ずっと続く審議ランプ。
番組では4コーナからスロー再生で競馬の神様、大川慶次郎氏が解説。
『真正面の写真だからわかりますよ。ナリタタイシンが外に出てきますね。ここなんです。今一番外に出たのがナリタタイシンです。ガレオンも入ってきています。あの辺でモタモタしていたら前に来れませんからね。これも勝負にはしょうがないですね。これぐらいはね。』
女子アナ『武豊(ナリタタイシン)の心情も非常に複雑だと思いますが』
番組ではナリタタイシンが降着かもという流れとなっていた。
『うわ~、ナリタタイシンが降着? ガレオンの馬券は持っていないわ~』
審議が長くドキドキ。そして場内アナウンスが流れる。
『第3位に入選したガレオン号は最後の直線走路で急に外側に斜向し13番ステージチャンプ号の進路を妨害したため第8着に降着とし着順を変更の上確定いたしました』
この瞬間鳥肌立った。
馬券は的中したが、それよりもガレオンが降着になったことが驚いたのだ。
この降着により、ウイニングチケットが5着から4着に繰り上がる。
『ウイニングチケットが日本ダービーの優先出走権を取った』
ウイニングチケットは皐月賞の優先出走権がなければ日本ダービー馬にはなれない。
ああ、競馬ってこういう事をやるんだと怖さすら感じたのである。
恐らくガレオンの杉浦騎手は騎乗ミス。
その後、ガレオンの騎手は替わり、日本ダービーを最後にガレオンの姿は消えるのである。
そして、この降着事件でウイニングチケットが日本ダービー馬になることを確信した瞬間でもあった。
冴羽拳史郎へのお問い合わせはコチラ♪