何故ICS組織にしたのか?
日本暗号資産市場はICS(インシデントコマンドシステム)という強力な標準化された管理システムを創業当初から採用しています。
ICSを採用した理由は
1、意思決定の速度を上げたかった。
2、単一障害点を可能な限り減らしたかった。
3、急拡大しても組織を変更したくなかった。
からです。
何故、意思決定の速度を上げなければならないのでしょうか?
意思決定の速度が遅いと競争に負けて死ぬからです。
緊急事態(ここでは大地震とします)があった時その場に留まるか、逃げるかという意思決定を考えましょう。
大地震があった時、津波の可能性を分析して逃げるかどうか判断する人と、津波が来るかどうかわからない段階ですぐ逃げる人とどちらが生存確率が高いでしょうか?
勿論すぐ逃げる人のほうが生存確率が高いのです。
この時普通の組織であれば上司に逃げるかお伺いを立てて、上司の許可により逃げるか、上司が逃げろと指示を出して逃げます。
しかし、このやり取り自体が無駄だというのがICSの考え方です。
まず、通信網は遮断されている可能性があります。
上司は先に逃げているかもしれません。
上司はあなたがいるところの状況を分かっていないため間違った判断をする可能性があります。
現場の状況が一番わかっているのはその場にいない上司ではなく、現場の責任者のはずです。
どうすれば現場の責任者が意思決定できるでしょうか?
ICSでは現場の責任者のことを現場指揮官(インシデントコマンダー)
と言って、あらかじめ逃げるかどうかや応援を要請するかも含めて、現場の全ての指揮権限が与えられています。
上司は勿論、社長でも現場指揮官の決定を止めることはできません。
止められるかもしれないと思うと現場指揮官の判断に迷いが生じるからです。
例外的に安全監督官を置いた場合は安全監督官が安全上の理由によってのみストップすることができ、現場指揮官の権限をバイパスすることができます。
よって、ICSでは現場指揮官は自分の判断のみで逃げるか?どこに逃げるかを決定することができます。
尚、経営陣は現場指揮官からの応援要請を受けて足りないリソースを提供する等現場に対する支援を行うのが仕事です。
次回はICSによって単一障害点を可能な限り減らせることについて説明します。