7: レシピ解説 case of B・F・D (Big Fat Drive)
以前の記事(6: フィルタータイプ & BW の使いこなし #2 応用編 低温調理)
で、サウンドメイクアプリに搭載されているプリセット音色を例に、フィルタタイプ & BW を使いこなした音作りを解説しました。
今回は、つづけて、
お題となるプリセット音色:BFD Big Fat Drive。
![](https://assets.st-note.com/img/1686034326952-aCAEESvu8S.jpg?width=1200)
テーマ曲: ♪ Aint My Bitch by METALLICA(ゴリゴリのヘヴィロックです)
これらを用いて、お題となるプリセット音色の全体を解説していきます。
以前の記事(6: フィルタータイプ & BW の使いこなし #2 応用編 低温調理)、の中では、5つのバンドを使った低域の解説のみをしました。この記事では、のこり6つのバンドの設定を、最後まで続けて解説していきます。
(注意: 下記の操作の流れのなかで、音がうるさいと感じたら、その都度、マスターゲインを下げて調整して下さい。)
バンド6〜10で、中域〜高域の調整をします。
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バンド6は中低域を担当します。
<バンド6の設定>
Freq = 430 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 215 hz
Gain = 5
![](https://assets.st-note.com/img/1685689169896-c3j2C5OgDP.png?width=1200)
上記をひとつずつ設定していきましょう。
まず、Freq を 430 hzに変更。
次に、BW = 215 hz に設定し、
Gain = 5 にあげてください。
これが、 フィルタ・タイプ = BELL の時の音色、
そして、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
これが、 フィルタ・タイプ = HS にした変化ですね。
必要におうじて、マスターゲインを下げてください。
このバンドの変化を確かめたら、Gain = 0 にして、影響をゼロにし、
次に進みましょう。
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次にバンド7。
<バンド7の設定>
Freq = 800 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 400 hz
Gain = 2
![](https://assets.st-note.com/img/1685689193632-HkoKWLGYq3.png?width=1200)
例によって、
まず、Freq を 800hzに変更。
次に、BW = 400 hz に設定し、
次に、Gain = 2 にあげてください。
次に、音量に注意しながら、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
このバンドはゲイン2、のお守り設定(気持ちやっとくか、的な)、なので違いが分かにくいかもしれません。試しに、ゲインを6くらいまで上げてみましょう。変化を聞き取りやすくなりますね。
変化をチェックしたら、ゲインを0にして、次に行きます。
EQをフラットな状態に戻したら、次にバンド8。高域の調整。
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バンド8以降は、高域の調整です。
<バンド8の設定>
Freq = 4000 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 1500 hz
Gain = 2
![](https://assets.st-note.com/img/1685689239333-WQp01UvYEK.png?width=1200)
れいによって、Freq を 4000 hzに変更。
次に、BW = 1500 hz に設定し、
次に、Gain = 2 にあげてください。
次に、音量に注意しながら、そして、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
バンド8単体での音色の変化を聞いた場合、これなくてもいいんじゃない?
って思うかも知れませんが、バンド、9,10の設定と合わせると、
少し聞こえ方が変わると思います。
とりあえずここでは、バンド8のゲインを0にし、次に進みます。
バンド9と10,続けて設定してしましましょう。
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次にバンド9。
<バンド9の設定>
Freq = 8000 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 8000 hz
Gain = 4
![](https://assets.st-note.com/img/1685689268878-hkUCYiw5lT.png?width=1200)
まず、Freq を 8000 hzに変更。
次に、BW = 8000 hz に設定し、
次に、Gain = 4 にあげてください。
次に、音量に注意しながら、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
**コメント**
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次にバンド10。
<バンド10の設定>
Freq = 12000 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 12000 hz
Gain = 7
![](https://assets.st-note.com/img/1685689295156-iFyGwVXNxD.png?width=1200)
まず、Freq を 12000 hzに変更。
次に、BW = 12000 hz に設定し、
次に、Gain = 7 にあげてください。
次に、音量に注意しながら、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
さて、ここで、バンド8のゲインを設定値に戻してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1685689344647-QpmtdnMFYh.png?width=1200)
次に、上記の3つのバンドの混ぜ方(ぞれぞれのゲイン)を、いじってみてください。
バンド8: 2
バンド9: 4
バンド10: 7
バンド8 の4000hz付近は、シンバルなどの金物のアタック感を感じる帯域で、上げすぎるとオープンのハイハット(シャンシャンいうシンバル)とかが強調されすぎて不自然になっちゃいます。この帯域は、周りの帯域がブーストされている場合、それらに合わせて少し上げる、みたいな調整をしています。
バンド9の 8000hz付近が、ロックのドラマーがたくさん叩くシンバル類の芯をくってる帯域。ロックバンドのシンバル類は、この帯域中心に周辺を調整ということを、 BFD の開発者はやっています。
バンド10は「空気感」的な帯域です。
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さて、ここまでで、
お題となるプリセット音色:BFD Big Fat Drive。
のバンド1〜10、それぞれの設定を単体で、どんな音の変化になるか見てきました。
どういったパーツでこの音色が構成されているかを理解する総仕上げとして、それぞれのバンドのゲインを、設定値に戻していきましょう。(何度も注意書きをしますが、マスターゲインを適宜調整してください。)
お題となるプリセット音色:BFD Big Fat Drive、のコンセプトは、とにかく、低域を分厚くする、かつ、低音が効いている楽曲を再生した時にも歪まないギリギリをねらって作った、ライブ会場のでっかいスピーカーで爆音をならした時の様な音を聞きたくて作った音色でした。