6: フィルタータイプ & BW の使いこなし #2 応用編 低音調理
フィルタタイプ & BW を使いこなした音作りを、プリセット音色で使用している設定をベースに解説をしていきます。
今回のお題となるプリセット音色:BFD Big Fat Drive。
テーマ曲: ♪ Aint My Bitch by METALLICA(ゴリゴリのヘヴィロックです)
Amazon Musicなどの、バックグランドで音楽再生を継続できるアプリで再生しながら、サウンドメイクアプリのメイク画面で音をいじっていきます。
では、MY-EQ で新規作成の状態からスタートします。
ここでは、EQフラットなすっぴんの音です。
(注意: 下記の操作の流れのなかで、音がうるさいと感じたら、その都度、マスターゲインを下げて調整して下さい。)
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まずは、バンド1を設定しましょう。
バンド1は最終的にはこうなりますが、
Freq = 30 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 5 hz
Gain = +12
![](https://assets.st-note.com/img/1685688525895-VanVsICCWv.png?width=1200)
ひとつずつの設定を順番にやっていきます。そうする事で、音が変わっていくのが分かります。
Freqは、初期状態の 30 のままで、 Gain = +12 にしてください。
ここで、低域がモコ、って持ち上がります。
次に、音量に注意しながら、、、
Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更してください。
はい。めっちゃ音がデカくなりましたね。
すぐに、Master Gain を下げてください。
お耳のコンディションに合わせて。
次に、 BW = 5 hz に変えてください。
低域の持ち上がり方が変わるのが分かると思います。
BWを小さくすると、 Freq 周辺にピンポイントな効果になります。
試しに、BWの値を変えてみましょう。違いが分かるはずです。
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次に、バンド2。
最終的にはこうなりますが、
Freq = 30 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 5 hz
Gain = +10
![](https://assets.st-note.com/img/1685688617702-I4Do9JrD0g.png?width=1200)
ここでも、一つずつ。
まず、Freq を 50 から 30 hzに変更。
この時点では音は変わりません。Gain がゼロのままなので。
次に、BW = 5 hz に設定し、
(ここでも、まだ音は変わりません。Gain がゼロのままなので。)
次に、Gain = +10 にあげてください。
低域のもこもこ感が増えるのを聞きながら、
次に、音量に注意しながら、
そして、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
さらに音量がバカでかくなりましたね。
再び、マスターゲインを下げてください。
ここまで、重低音マニアにはたまらない音色になっていますw
一度イヤホンを耳から外してください。
おかえりなさい。
イヤホンを外した瞬間、爆音の世界から戻って来た感覚を味わえませんでしたか?w
ここでお気づきの様に、バンド1と2は、複数のバンドで同じ帯域をあげる、という荒業を使っています。この方法を使うと、劇的な効果を得られます。この場合、Master Gain による音量調節を忘れずに行ってください(そう言われるまでもなく、ものすごくラウドになるので忘れようがないとは思いますが。。。)
重低音スキな人であれば、これだけで戦力になる設定かもしれませんが、もう少しいじっていきます。
次にバンド3、、、
その前に、バンド1,2のゲインをゼロにしてください。
バンド1,2の影響をゼロにした、
EQフラットな状態で、バンド3の設定をします。
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バンド3は、最終的にはこうなりますが、
Freq = 50 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 25 hz
Gain = 4
![](https://assets.st-note.com/img/1685688655155-u75KcBtXxp.png?width=1200)
また、ひとつずつ、耳で変化を確かめてみましょう。
まず、ゲインを4 まで上げます。
次に、Freq を 50 hz、BW = 25 hz に設定し、
次に、Gain = 4 にあげてください。
低域が持ち上がるのが分かりますか?
次に、音量に注意しながら、
そして、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
この変化はわかりやすいはずです。
バンド4に行く前に、バンド3のゲインを0にしてください。
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<バンド4の設定>
Freq = 100 hz
Filter-Type = Low-Shelf (LS)
BW = 25 hz
Gain = 4
![](https://assets.st-note.com/img/1685688720346-bt4ZdvQrSE.png?width=1200)
Freq を 100 hzに変更。次に、BW = 25 hz に設定し、
次に、Gain = 4 にあげてください。
バンド3と同じ様に、低域を持ち上げる設定ですが、バンド3の時とは微妙に少し違う感じが分かりますか?
次に、Filter-Type = Low-Shelf (LS) に変更。このフィルタ・タイプ変更で、ガラっと低域の厚みが変わるのが分かるはずです。このプリセット音色のキモの一つです。
バンド1〜4は、全て、低域を調理する合せ技の設定でした。
ここで、ゼロまで下げているバンド1、2,3のゲインを、それぞれの設定値に戻してみましょう。
バンド1: 12
バンド2: 10
バンド3: 4
![](https://assets.st-note.com/img/1685688763610-MXZ9LiM0Vi.png?width=1200)
※ これらを全部やる途中で、マスターゲインを下げる必要があるかもしれません。スマートフォンの音量が50%程度なら、おそらく、マスターゲインは、 -30 くらいにさげないと、結構うるさいです。
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次にバンド5、続けていってしまいましょう。
<バンド5の設定>
Freq = 125 hz
Filter-Type = High-Shelf (HS)
BW = 62.5 hz
Gain = 2
![](https://assets.st-note.com/img/1685688791389-uO0X6c6oBI.png?width=1200)
最初に、Filter-Type = High-Shelf (HS) に変更。
Freq を 125 に変更、BW = 62.5 hz に設定し、
最後に、Gain = 2 にあげてください。
バンド5は、ゲイン=2、と控えめな事から分かる様に、もうちょっとだけ上げとくか、、、的な 「スパイス的」設定です。
以上、プリセット B F D をもとに、バンドを5つ使った低域を中心に厚みを出す設定の解説でした。