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お金じゃ解決できない、ストックホルムでの賃貸探しをすり抜けた話

こんにちは、れみです。新卒でスウェーデンの会社に就職し、ストックホルムに住んでいます。
お金じゃ解決できない賃貸事情のストックホルムでは市内のアパートは20年待ち、などもあるのですが、なんとかアパートメントを契約することができました。

なかなか難しく、色々と学びになることも多かったので、記録していきます。


コネと運と気力が必要なアパート探し

今まで住んでいた家から、8月末までに引越さなければいけなくなり、6月末から本格的に始めた家探し。話には聞いていましたが、コネと運と気力が必要でした。
ストックホルムは、日本とはかなり異なる住宅事情を持ちます。慢性的な住宅不足で、日本のような不動産屋さんでアパート探しは聞いたことがありません。そのため、基本的には自力で家を探すことになります。

家探しの条件

私の家探しの条件は以下のようなものでした。

条件
・地下鉄で中央駅Tcentralenから15分以内 or レッドライン沿い
・治安の良いエリア
・駅徒歩10分以内
・予算は最大で13,000SEK(10,000SEK程度を希望)
・25 平米以上
・一人で住む(ルームシェアはなし)
・家具付きなしどちらでも
・ペット、タバコなし

2024.7

まず、ロケーションについて、オフィスに近いことが大事だったので、中心地にしました。また、予算は13000sek 日本円で 18万円前後と、ある程度覚悟を決めていました。ルームシェアではなく、自分一人で住むアパートで、ペット飼育やタバコはしません。ストックホルムでは家具付きアパートも一般的なのですが、そこに拘りはありませんでした。

契約の種類

ストックホルムでは、Firsthand(直接契約) と Secondhand (又貸し契約)の2種類のアパートがあります。

Firsthand

  • 直接契約 = 日本でも一般的な会社や家主から借りるもの

  • 契約期間が無期限な場合が多い

  • 基本的に住宅会社や仲介システム(後述)に登録し、長い時間待たないと契約できない

  • 電気やインターネットなど自分で契約する場合が多い

  • 家具なしの場合が多い

  • 家賃が比較的安い

Secondhand

  • 又貸し契約 = Firsthandで借りている人から借りるもの

  • 契約期間が決まっている場合が多い(最長で2年)

  • 待ち時間なく契約できる

  • 電気やインターネットなどが含まれている場合が多い

  • 家具付きの場合が多い

  • Firsthandよりは家賃が高い

お互いの事情

Firsthandは需要が高く、契約を解約してしまうと、次にいつ借りれるかが分からないため、契約を保持したまま、使わない間はSecondhandとして貸す場合が多いです。
ただし、Secondhandとして貸してお金を儲けることは制限されています。「お金じゃ解決できない」というのはこのためで、貸す側は賃料の10-15%しか家賃の上乗せができません。そのため、「多く払うから良い家に住む」というのが難しいのです。
また、Secondhandとして貸せる期間が決まっていて、一定の期間を超えるとFirsthand契約が剥奪されるため、貸す側も最長で2年程度しか貸せません。

コネで探す→失敗

ストックホルム育ちの友人たちに聞くと、何人かは、コネを使ってアパートを見つけているようでした。
ルームシェアが一般的なため、空いてる一部屋に住まわせてもらう場合を多く聞きました。
私も友人にアパートを探している旨を伝え、いくつか物件の情報を聞きましたが、ロケーションや予算が合わず、コネの運はありませんでした。

オンラインで探す→成功

Firsthandの契約を取るには、基本的に住宅会社や仲介システムに登録する必要があります。
Secondhandの契約は、Facebookのグループや、下記のウェブサイトを使って見つけることができます。Facebookでは、詐欺もあるようで、心配だったので、私は使いませんでした。ただし、大きなアパートのルームメイトの募集はFacebookの方が活発なようです。私の友人もFacebookにだけルームメイト募集の投稿をしていました。

Firsthand契約のアパートを探す → 成功

私は BostadsförmedlingenHomeQ というサイトを使いました。Bostadsförmedlingenは、ストックホルム地域で利用可能な賃貸アパートを1947年から仲介している市営のサイトです。
このサイトに登録すると、その日から待ち時間カウントが始まります。登録料は年間200SEKです。そして住みたいアパートをサイト上で見つけ、入居希望登録し、広告期間終了時に一番待ち時間が長い人が契約できます。それぞれのアパートの広告期間はだいたいだいたい3−4日くらいです。
18歳以上でパーソナルナンバーかコーディネーションナンバー(交換留学生など)を持っていればすぐに登録できます。

https://bostad.stockholm.se/

入居希望を出す時に、今の自分が何番目か見ることができます。10番目以内に入っていればチャンスありだと思います。例外ありですが、5件しか希望を出せないので、注意してください。
また、サイト上でそれぞれのアパートに入居希望登録している待ち時間の長い人3人を見ることができるのですが、基本的には、市内のアパートは10年以上待っていないと土俵にすら立てない感じです。人気エリアだと、1980年から待っている人などを見ます。

それでは若い人にチャンスがないかというとそんなことはなく、TypeからYouthやStudentを選ぶことができます。Youthは30歳くらいまで専用のアパートです。(入居時にその年齢であればOK。)アパートによって、18歳専用や27歳専用などもあれば、18-27歳など、条件が異なりますが、こちらは比較的待ち時間が短いです。

また、Short Termという契約もあり、これは再開発予定地など、なんらかの理由で長く滞在できないアパートです。こちらも待ち時間が比較的短いです。他にも中心地から少し離れたエリアだと、1年くらい待つとアパートが見つかるように思います。

私は、市内で待ち時間が短くてもチャンスのある、Youth x Short term のアパートに入居希望を多く出し、そのうちの一つで契約を取ることができました。

基本的に常時300以上のアパートが掲載されていて、新しいアパートも毎日たくさん追加されるので、毎日チェックすることが大事です。

HomeQというサイトも似たようなサイトですが、こちらは民間のサイトで、利用料は無料です。誰でも登録できるので、スウェーデンに行く人は登録しておくと良いかもしれません。Bostadsförmedlingenに比べると、物件数が少ないですが、新築のアパートが多いです。時々、待ち時間ではなく「抽選制」のアパートもあるので、チェックしてみると良いと思います。

他にも、市内から少し離れてしまいますが、hasselbyhem というサイトではhässelbyエリアのアパートが見つけられます。待ち時間が大幅に短くなります。

Secondhand契約のアパートを探す → 成功

Qasa と Samtrygg を使いました。どちらも似たようなサイトです。

Qasa はSamtryggに比べて物件数が多いです。フィルターも色々かけられて、アパート全体かルームシェア、家具ありなし、家賃、広さ、ペット可、借りられる期間、などを選べます。時々Firsthandの物件もあります。
家主にサイト上で直接チャットできますが、返信が帰ってくる確率は体感30-40%くらいです。軽い自己紹介と質問を投げると返信をもらえる可能性が高まったように思います。

また、このサイト上では、テナントとして自分を広告に出すことができます。探している部屋の条件や自己紹介、写真を載せると、家を貸したい人から連絡がきます。実際に私も5件ほど連絡が来ました。

私はQasaでいくつか良い物件を見つけ、内見に行きました。契約直前まで行きましたが、前述の通り、Firsthandの物件が見つかったので、契約しませんでした。

Qasaで契約を見つけた場合、毎月家賃の5%程度のシステム使用料を払います。オーナーとQasaを通さずに契約してシステム使用料を払わない手もありますが、その場合、家賃1か月分のデポジットを払うことになると思います。Secondhandが一般的なため、契約書などは文房具屋さんなどで販売されているため、詐欺の心配などは高くないとは思いますが、Qasaを通すか通さないかは個人の判断です。

Samtrygg もQasaと似ていますが、こちらは内見が重要視されています。内見の予約をし、そのチャットで自己紹介をするようなイメージです。Qasa同様にシステム料がかかるので、Samtryggを通すか通さないかは個人の判断です。物件の数が少ないですが、エージェントが一軒一軒部屋を確認しているので、より安心して使うことができます。

契約を結ぶ

Bostadsförmedlingenで見つけたアパートに決めました。

見つかったアパート
・最初の条件にすべて当てはまる
・Firsthand契約
・短期(1年半程度を予想、短くも長くもなり得る)
・家具なし

最初入居希望を出した時は3番目の待ち時間だったのですが、前の人がキャンセルしたのか、私に回ってきました。Bostadsförmedlingenには9か月前に登録しておいたのが吉でした。
自分が何番目なのかはマイページで常に確認できます。

契約手順

契約を進めるのですが、手順としては、

  1. (内見ありの場合)内見:
    広告終了後、入居希望者のおそらく待ち時間の長い10人程度に内見の案内が来る

  2. オファー依頼
    内見後または広告終了一定期間後まだ興味があればオファー依頼

  3. オファー受け取り
    待ち時間が1番長ければアパートメントオファーがメールに来る

  4. 必要書類を送信
    Landlord = 家主により異なりますが、雇用契約書や直近3ヶ月の給与明細、家族証明書(子供の有無を確認するもの)を集め、Bostadsförmedlingenに送信

  5. Landlordから連絡
    Bostadsförmedlingenの審査を通過すると送った書類がLandlordに送信され、最終確認

  6. 契約書にサイン
    メールで送られる契約書にBankIDでサイン

  7. 家賃の請求書が届く
    銀行振り込みで家賃を払う

  8. 電気やインターネット・保険の契約
    水道(温水込み)は含まれている場合が多いよう。電気とインターネット、スウェーデンで一般的な Home Insurance の契約は各自で行う

  9. Skatteverketなど、住所変更登録をする
    Skatteverketや登録しているサイトなどの住所変更をする。転送サービスもあるので利用しても良い

です。

契約にかかる時間やお金

オファーを受け取ってからのどの手順も基本2日以内に完了しなければならず、かなりスムーズに進みました。3から7まで1週間もかかりませんでした。
お金も家賃以外にはかからなそうです。引っ越しも自分でやるのがスウェーデン流ですが、今の家から徒歩でなんでも運べる距離なので、車も必要なく、随分と安く住みそうです。

以上、ストックホルムのアパート探しをすり抜けた話でした。

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