化学繊維とプラスチック~最近の時事問題も含めて
化学繊維とは・・・
石油等を原料にして化学的に合成させた物質から作り出された繊維
前回の記事で、天然繊維は植物や動物から糸をつむいで製品となることを執筆しましたが、
化学繊維は低分子の製造原料から合成により作られた、高分子の組成の化学繊維です。
天然繊維のデメリットと逆で、量産が可能なので比較的安価、シワになりにくい、型くずれしにくいという点があります。
化学繊維は、以下の通り3分類されます。
『再生繊維』・・・木材パルプやコットンリンターを溶かしてから固めて繊 維状にしたもの。
『半合成繊維』・・・天然のセルロースやタンパク質を、化学的な処理をすることで繊維にすることから半合成繊維と呼ぶ。
『合成繊維』・・・石油、石炭、石灰石などの鉱物、天然ガスのようにまったく繊維になっていない原料から、化学的な処理によって繊維を合成してつくったもの。
原料や薬品の種類によって、ナイロンやアクリル、ポリエステルなどいろいろな種類の繊維ができ、量的には化学繊維のほとんどを占めている。
三大合成繊維は「ナイロン」「ポリエステル」「アクリル」
では、三大合成繊維について、特徴を見てみましょう。
【三大合成繊維】
①ナイロン
1935年にアメリカのデュポン社によって開発されたナイロン(ポリアミド)は、当初女性用ストッキングとして人気を集め、その後世界中へ広まっていきました。
摩擦に強い・軽い・伸縮性に優れている・吸湿性が低い・熱に弱い
アイテムは、ナップサック・巾着ポーチ・レイングッズ・お食事エプロンなど。
個人的にナイロンと聞くと思い浮かべるのが、小学生の時に学校指定だった、体育館シューズの袋です。
↓の写真はイメージです。
②アクリル
羊毛🐑に似せて科学的に作られたので、かさ高く、柔らかい風合いに特徴があり、主にステープルファイバー(短繊維)として使用される。
保温性があり、強度も強く、耐久性がある。虫食いなどの影響を受けない。
乾きが早い。鮮やかな染色加工が可能。
アクリルは羊毛との混合で、セーターやニット製品が作られることが多いです。
昔の話かもしれませんが、アクリル100%の製品(合成繊維100%)だと、価格は安くても、製品があまり暖かくなさそう、少し寒々しい印象があります。
羊毛が混合されるほうが、見た目に暖かさを感じるように思います。
最近よく耳にする、飛沫感染予防の「アクリル板」は、同じアクリル樹脂から作られています。
何故❓アクリルが使用されるか❓ということをリサーチしたら
透明度ゆえ、設置しても圧迫感を得にくい。
汚れが目に見えて手入れしやすい。長期的に使用できる。
アクリルは軽く、持ち運びが簡単。
割れにくい素材なので安全面でも安心して利用できる。
という点があるそうです。
③ポリエステル
大まかに分類すると、繊維としてのポリエステルと、成形品としてのポリエステルに分類されます。
熱可塑性(加熱することによって軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質のこと)があり、シワになりにくい。
プリーツ加工や織り目を付ける加工をすると洗濯してもとれにくくすることが出来る。
(制服のプリーツスカートは、プリーツ加工で作られている。)
ポリエチレンテレフタレート(PET)は成形品としてのポリエステルで代表的なプラスチック素材だといえます。
このポリエチレンテレフタレート(PET)で最も代表的な製品がペットボトルです。
ペットボトルのペットとはポリエチレンテレフタレート(PET)のPETが由来となっています。
以上が、三大合成繊維です。
ポリエステルと名前が似ていて混合しやすいものに、
ポリエチレンとポリプロピレンがあります。
ポリエチレンの布地の繊維はなく、ポリプロピリンの繊維も、日本ではほとんどないそうです。
ポリエチレンとポリプロピレンは「熱可塑性プラスチック」です。
【熱可塑性プラスチック】
①ポリエチレン(PE)軟らかい樹脂、半透明で乳白色
スーパーの買い物袋、おしぼり袋、ゴミ袋などに使用されている。
近年の「レジ袋有料化」によって有料になったのは、このポリエチレン製レジ袋です。
②ポリプロピレン(PP)硬い樹脂、無色に近く透明
引き延ばしや衝撃に強いので、ダイレクトメールの包装やパンやお菓子の袋、クリーニングの袋、電子レンジで使用する食品用タッパーなどに使用されている。
以下のような記事があります。
ポリプロピレンは、ポリエチレンよりも気体を通しにくいため、ニオイ漏れの予防になるそうです。
生ごみをレジ袋に入れても臭いが出てくるのですが、食パンの袋🍞に入れると臭いが抑えられるそうです。
食パンの袋を捨てずにいると、このような活用方法があるのですね👀
~追記~
このような絵本を発見❗👀
子供向けにしては、詳しい内容になっています📖