![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153795350/rectangle_large_type_2_26ea30054c256ca720516fccc6755db0.png?width=1200)
中国人=爆買いという概念はもう古い! 中国の伝統文化と日本文化財の融合による上質なインバウンド戦略
中国伝統文化のリバイバル
中国初AAAゲーム「黒神話悟空」は圧倒的な経済効果が図っているだけでなく、中国各地文化財観光地の実景をスキャン技術で、古い建築物や彫刻などをゲームに落とし込んだことによって、文化財と観光が一層つながることになり、唐の時代の古建築一番集まっている山西省ではゲーム巡礼動画を公開し、山西文化旅行の内容はWeiboの関連検索トレンドの総閲覧が約5000万PV以上を記録しました。山西省観光地の入場チケット売り上げ3倍になった場所もありました。
背景
・30年間の経済急成長
中産階級の拡大
中国の急速な経済成長により、中産階級が大幅に拡大し,これにより、教育や文化、レジャーに対する支出が増加し、文化的活動への関心も高まっています。裕福な層は、伝統文化の保存や復興に積極的に関与し、文化財への投資や文化関連商品の購入が盛んです。経済的余裕を背景に、自国の文化や伝統に再び目を向けるようになってます。
都市化と文化需要
近年の中国は都市化が進む中で、都市住民は多様な文化体験を求めるようになっています。特に上海では、伝統的な文化をテーマにしたイベントや芸術祭、博物館巡りなど、文化に関連する活動が増え、これが文化への再関心を促進しています。
さらに、2008年北京オリンピックあとで経済急成長とともに生まれれた若者たちは外国のもの対しての追求が減り、自国への愛国心は以前の世代よりも高まり、その結果は文化自信につながっています。
文化自信
近年、政府や教育機関も、「文化自信」という概念を強調し、国民に対して中国の伝統文化の重要性を再認識させる取り組みを進めています。
その中で、歴史と文化をテーマにした番組やエンタテイメント企画のお陰で中国千年前の文化がさらに注目が浴びていました。
中国国家中央テレビ局では中国古代の典籍をテーマにした文化番組「典籍中の中国」は、劇、舞台公演、専門家による解説など様々な形式を通じて、中国古代の古典書籍に描かれた物語や文化的な内容を生き生きと視聴者に伝え、中国古代の文化的な知恵を紹介するだけでなく、現代の視点や手法を通じて、視聴者が古代の典籍の魅力をより理解しやすく感じられるようにしていることで、視聴者から高い評価を受け、視聴率も比較的好調で、特に文化や歴史に興味を持つ視聴者層に支持され、SNSやネット上でも多くの話題を集め、視聴者からのポジティブなフィードバックが寄せられています。シリーズ2を放送された時点で、視聴者規模は2477万人、都心部の視聴率は2,12%、シリーズ1と比べて23%増となってました。
![](https://assets.st-note.com/img/1725162273145-lBW4icjyKs.png?width=1200)
中国の文化と観光(文旅)の発展
中国の伝統文化のリバイバルの中で、特に文化と観光(文旅)産業は近年大きく発展し、目立つ要素として浮上しています。
中国政府は文化と観光を一体化した「文旅融合」の政策を推進しており、国内外の観光資源を活用して文化的な価値を高めると同時に、観光業の成長を促進しています。コロナ前から中国文化産業の規模が毎年増加しており、中国国家統計局による2023年では前年比8.2%増の129,515億元でした。
その中で、最も注目されているのは地域文化のブランディング。
コロナ禍の中で、海外旅行に行けなくなり、中国国内旅行市場の繁栄が始まり、中国各地では地域特有の文化資源を活用し、独自の文化ブランドを形成する動きが増えてきてます。2023年、中国InstagramにあたるSNS「小紅書」の年間データを見ると、旅行カテゴリーは「旅行」ではなく「文化旅行」で記載するようになりました。その結果、旅行だけではなく、文化関係の産業の成長が加速させました。
例えば、文化への関心が高まる中、漢服は中国の歴史と文化を象徴するものとして再評価され、漢服を通じて自分たちの文化的アイデンティティを表現しようとして若者が増え、着物と同様に漢服愛好者たちは、漢服をテーマにしたイベントや集まりを開催し、コミュニティが形成され、特に、中国の伝統的な祝日や文化祭での漢服の着用が一般化してきています。
![](https://assets.st-note.com/img/1725162102283-iMvKYI88h7.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1725162107709-Zs3Cmm9NtH.png?width=1200)
また、漢服の伝統的な形を保ちながらも、現代的なアレンジが加えられ、日常的に着用できるように「新中式」という新しいデザインでファッションの一部として日常ファッションにも取り入れられるようになってます。
![](https://assets.st-note.com/img/1725162232731-d7Gtnp347O.png?width=1200)
なぜ中国文化ブームのリバイバルで上質な富裕層誘致可能か?
・遣唐使による千年前の日中文化交流
中国と日本は、長い歴史の中で互いに影響を与え合ってきました。
千年以上前に遣唐使による日本と中国の間で文化、政治、経済の交流を大いに促進し、日本の文化に深い影響を与えてました。
例えば、日本の仏教や茶道、漢字文化は中国から伝わったものであり、これらの文化的要素は現在も日本文化に深く根付いています。
したがって、中国伝統文化が再び注目されると、日本でもその影響を受けた文化や文化財が再評価されやすくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1725361198735-hAebnXkq5P.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1725361506942-tV4bflcOp5.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1725361607875-yE7qKHLAGX.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1725361751113-tXbl89ptaF.jpg?width=1200)
・上質な富裕層が旅行の文化体験や高品質なサービスを求める傾向
中国人は自国の伝統文化や歴史に対する再評価が進んでいる中、その影響で、日本の文化財や歴史的建築物に対する関心も高まっています。
また、中国の仏教は、道教と儒教とともに儒釈道として道徳的・倫理的な指針として多くの人々に受け入れられています。特に富裕層や経営者の中には、仏教信仰がビジネスや個人の人生において精神的な支えとして活用する人も多いです。
また、経済成長とともに、海外旅行に関しても物質的な満足よりも個人的な成長や文化的な学びを求める旅行者が増えています。
よって中国の上質な富裕層旅行者は、ショッピングや観光地巡りだけでなく、文化的で特別な体験を求める傾向が強まっています。特に中国文化に影響されている日本の文化財、特に歴史的価値が高い寺院、神社、城、庭園などは、こうした旅行者にとって非常に魅力的です。
実際、旅行商品として日本禅宗体験ツアーの問い合わせが増えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1725363118615-byc0YdNjpm.png?width=1200)
日本文化は、その独自性と多様性から、世界中の人々にとって理解しがいのある豊かな文化でありますが、歴史や言語の背景から見ると中国人が他の国の人々よりも日本文化を理解しやすいと思ってます。その理由として、両国の間に存在する深い歴史的繋がり、言語的・文化的共通性、そして千年以上の交流にあります。これらの要素が、中国人にとって日本文化をより深く理解するための強力な基盤を提供しているのだと思います。
パーソナライズされたサービスやデジタルプロモーションを活用することで、長期的に日本文化財を活用した中国上質な富裕層を効果的に引きつけることができると考えます。