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おすすめの本~医療者のためのリーダーシップ30の極意~

本日は、リーダーシップを学びたい人の入門書としてオススメな「Thirty Rules for Healthcare Leaders 医療者のためのリーダーシップ30の極意」をご紹介します。

専門医資格を取得する、またはチーフレジデントを務める医師6年目前後に、リーダーシップについて学びたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、Business School内のMaster of Business Administration (MBA)を取得することも一つの選択肢です。しかし、その前に本書を手に取って読んでみてください。本書は類書にはない特徴があるのです。

一つ目は、「セイントとチョプラの内科診療ガイド」でおなじみのSanjay Saint先生とVineet Chopra先生が著者であることです。Saint先生はミシガン大学医学部内科教授です。患者安全、リーダーシップなどをテーマにした研究を多数行い、New England Journal of Medicine、JAMAなどの医学雑誌のみならず、ウォールストリートジャーナルやハーバードビジネスレビューにも多数論文を発表されている世界屈指の医師です。Chopra先生はSaint先生の所属するミシガン大学を経て、現在はコロラド大学医学部で教授をされています。Chopra先生はBMJやJAMAなどで医療の質改善やメンターシップをテーマにした論文を多数発表されています。米国の医療者であれば、誰でもがその名前を知っているお二人の著書です。臨床能力も高く、現場でもリーダーをしている医師の著書が面白くないはずがないのです。

二つ目は、その少ない分量と読みやすさです。本書にはリーダーシップ30の極意が記載されていますが、極意ひとつひとつは1行にまとめられ、その説明が3ページ、末尾に著名人の金言がついています。加えて、ミシガン大学にいらっしゃる訳者の和足孝之先生が著者とこまめにディスカッションすることで、文化が異なる米国のリーダーシップやメンタリングが分かりやすく日本語で表現されています。極言を恐れずに言えば、本書は「流し読む」こともできるわけです。

私もかつて、メンターの一人に「リーダーシップを学ぶにはMBAコースに入って学んだ方がよいのでしょうか?」と相談したことがあります。彼は「MBAを持っている人より現場でリーダーシップを発揮している人から学ぶべきことが多い」と教えてくれました。
本書は、現場でリーダーシップを発揮している著者・訳者のパールが詰まっています。リーダーシップやマネジメントに悩んでいる医療者の皆様に手に取ってもらいたいと思います。

文責:片山皓太(聖マリアンナ医科大学 内科学 総合診療内科)

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