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おすすめの本~フレームワークで考える内科診断~

 診断学を勉強するにはどの本を読めばよいでしょうか?

 私ならこの「フレームワークで考える内科診断」を勧めます。総合診療をされている読者の皆様なら、一度は学生や研修医からこの質問されたことがあると思います。良書はたくさんありますが、本書は類書にはない特徴があります。

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 一つ目は、病態生理に対する深い造詣です。類書ではあまり触れられない病態生理が、フレームワークそのものになっています。例えば、「呼吸困難」であれば循環器由来、呼吸器由来、それ以外の原因で分類されます。呼吸器由来の疾患は気道、肺実質、血管系、胸膜と病態生理に準じて分類されていきます。膨大な鑑別疾患がこのフローチャートを眺めるだけで整理されていくのです。鑑別疾患毎に大切なキーワードや病態生理がコンパクトにまとまっています。一歩進んだ診断を体験したい方におススメです。


 二つ目は、チョークトークです。チョークトークとは板書をしながら指導医と研修医や学生がディスカッションすることを指します。教育する側に向けて書かれた第13章は、チョークトークのコツが7つにまとめられています。「短くまとめる」、「関連付ける」、「相手に合わせる」などどれも当たり前ですが、なかなか言語化できないものばかりです。指導医講習会でもカンファレンスの進め方は取り上げられますが、より実践的な内容になっています。

 私は10年目の総合診療医ですが、診断学がとても苦手です。10年前にこの本があれば嫌いにはならなかっただろうにとそう思わせる一冊です。

(文責:片山 皓太 国際医療福祉大学成田病院 総合診療科)

※当記事の内容は、所属する学会や組織としての意見ではなく投稿者個人の意見です。
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