高校生が受験勉強を頑張り続ける理由はなんだろう

大学受験において、noteで語られるキャリア論と現実に起こっている現象の両者で大きな乖離があると感じる。

noteでは、従来の学歴社会的なキャリア(大学名を看板に、JTCに入社し、ジェネラリスト的な働き方を通して社内での出世を狙う)は令和の社会に合わないと論じ、学歴を身に付けるよりむしろ、手に職を、ジョブ型の働き方が出来るような進路(国家資格職など)を勧める論調をよく見る。

最近も、激務的な職場と親和性のある東大文系という進路は、現代の若者のニーズに合わず、時代と合っていないみたいな記事を読んだ。

そこで代替案として勧められるのは、医学部などの資格が取れる学科への進学や、大学在学中の難関国家資格の受験であることが多い。

まあ要するに、子供に教育課金をして、画一的な受験レースに乗っけて、会社の中で頑張らせる進路よりも、資格みたいな手に職系の専門的な勉強を幼いうちからさせて、職業を早期に確定させた方がコスパが良い、ということがnoteではよく語られている。

しかし、実社会でその動きが現れているかは怪しいところだ。

俺は比較的最近2度目の大学受験をした訳だが、その時に感じたことは、東大理系や東工大の難易度の上昇だった。

高校生の時の大学受験と比べると、東大、東工大のランクというか難易度感というかレベル感というか、そういったものが急に上がっているなと驚いた。数年の間に、体感だがここまで変わるのかと。

noteなどのインターネットで「東京大学、人生のコスパ悪い論」がこれほどまでに流布されても、むしろ現実では東京大学の難易度は鰻登りとなっている。(まあ正確には理系に流れているだけかも知れない)

医学部に関しては、noteで有名な福井大学医学部は、全統記述の偏差値で60のようだ。これは福井だけの話ではなく、地方医はどこも同様に入学難易度の易化が進んでいる。(これも再受験時に身をもって感じたことだ)

ここまで下がるとは、正直、俺の1度目の大学受験の時には考えられなかった結果だ。

このように、インターネットにおける言説と、現実にはあまりにも乖離がある。(と、俺は感じられる)

その理由は何故なのだろう。

個人的には、首都圏の教育レベルの上昇で、近辺の国公立大学全体の偏差値上昇が起きていると思っているが、よくよく考えてみれば、その高校生の保護者たちは社会について解像度の高い層。

所謂、ビジネスエリート達だ。

俺はインターネットでしか知識を入れてないから、「今後は学歴より資格なんだよ!この先の社会では受験勉強の価値は下落の一途なんだよ」と思ってしまうが、どうやら首都圏のエリート一家はそうは思っていない様子。

だからこそ、受験産業への課金は止まっていないのだろう。

俺にもし子供がいるならば、中学受験からの学校教育ガリ勉ルートなどは辿らせず、幼少の時から、法律、会計、英語、IT、テクノロジーといった実社会での需要の高い分野を独自で学ばせると思うが、そんな動きは全く見られない。

むしろ首都圏の最難関大学を目指す場合、更に受験熱は加熱しているように伺える。

これって、noteで言われる、コスパの悪い進路選択なんじゃないの?

結局のところ、俺はインターネットと現実、どちらを信じていれば良いのだろう。

俺は自分の頭で考え、今の年齢・環境なら医学部を再受験した方が予後が良いなと判断して動いたが、ここまでインターネットと現実が違っていると、流石に不安になってくる。

そんなに医学部医学科が人生において優位な進路選択なら、人気も更に上がり、その結果偏差値が上がってなきゃおかしいだろ!

まあ、勿論医学部の偏差値低下の理由を挙げた記事も存在する。それらの理由は全て納得出来る、妥当な記事だった。

だが、俺はそれでも釈然としない。俺の信じているインターネットの情報と、リアルで起こっていることがまるで真逆のように見えてしまう。

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