☆医療系学科は面接弱者の救済になり得るのか。

最近俺は、就活における学歴の無力性を嘆く記事を書いている。

今を生きる若者の俺の価値観では、現代社会の就活においては学歴なんぞよりも「コミュニケーション能力」の方が評価される。

面接の場での、聞こえの良いエピソードや、上手な立ち振舞いや、豊かな表情なんかの方が、多少の学歴の高低なんぞよりも重要だ。少なくとも俺はそんな認識をしている。

じゃあ、俺みたいな「面接弱者」はどうしたらいいんだよ!

高校生の時に、「今、受験勉強頑張ったら将来が楽になるよ、偉くなれるよ」みたいに言われた言葉は幻想だったのかよ!

真面目に勉強頑張ってなかった陽キャが調子の良いこと言って良い会社に入って、方や真面目に勉強を頑張ってた俺は面接で何もアピール出来ず社会から弾かれる。こんなこと‥‥許されるのかよ‥‥!

まるで明治の時代に刀を奪われた侍のようだ。(今の時代、「一般入試」のために学力を鍛えるのって、刀の持てない時代に剣術を学ぶのと同じような意味合いなのかもな)

だが待って欲しい。どうやら今の時代でも、大学受験で身分が決まる機関があるらしい。

それは、「医療系学科」だ。

医学部、歯学部、薬学部、看護学部、(獣医学部)はその職業に就くための実質的な選抜が大学受験のタイミングで行われる。

医学部に行かないと医師にはなれないし、歯学部に行かないと歯科医師にはなれない。

面接を課している大学も多く、実質的には就職活動のようなものなのだろう。

無事に卒業し国家試験に受かれば、国家資格が得られ、身分が得られる。大学受験はそのための第一歩である。

歯学部でめちゃくちゃ成績が良いなら医師になれる訳という訳ではないし、その逆も然りだ。

その学科に入った瞬間に将来なれる職業は「確定」する。

そして、同じ大学の同じ学科なら、全ての学生で学歴も将来取れる資格も同じだし、給与もそこまで差がつかないだろう。(他の一般的な学部と比べると。就活でのブレが小さい)

うーん、「コレ」じゃん?

面接で下振れることが確定しているオタクくんこそ、医療系学科に入るべきなんじゃね?

薬学部を例に挙げて少し話そう。

そうはいうものの、医療系学科は基本6年制だ。他の一般的な理工系学科に進んだ場合、修士を出るまでと同じ時間がかかる。

正直、国公立の薬学部の場合、同じくらいの難易度帯の理工系に進んで一般企業に入る方が給料が高いだろう。

国公立薬学部は、中期の公立薬も含めて、おおよそTOCKY〜地方旧帝辺りの難易度帯である。

これらの大学の理系院卒であるならば、おそらく高い確率で、薬剤師よりも待遇の良い、収入の高い企業に入ることが出来るはずだ。

というか、薬剤師になれてコスパ良かった!というのは、受験勉強全然出来なくて底辺私立の薬学部に入ったけど、大学では心入れ替えて真面目に勉強して薬剤師免許を取った場合なのだ。

そのケースなら、大学入学時点での相場よりは、高い待遇を得ることが出来ているだろう。

薬学部は、その学生の頑張りを触媒する機関として有意義に働いた訳だ。

しかし、国公立薬の場合は、むしろ普通に理工系院卒として就活した方が良いんじゃないか?となってしまう。難しい話だ。

‥‥‥。(ここから話題が一気に変わります。)

だがちょっと待ってくれ。今この記事で話したいのは、その辺の「一般人」、つまり平均的な人間の話ではない。

誰しもが認める社会不適合者、神域の男、「あおい」さんの話がしたいのだ。

あおいさんがTOCKYや旧帝の理系院卒なら薬剤師よりも高い待遇が得られる企業に入れるか?いや、入れない。

何故なら俺は「面接弱者」だから。

確かに期待値は理工系の方が高いのかもしれない。でもそれは、面接能力が標準レベルの「普通の学生」の場合。

俺のような終わったコミュニケーション能力の人間は、余裕でその期待値理論を「割る」。 

正直俺は、自分に「東京大学の理系院生」という肩書が与えられたとしても、その辺のよく分からない中小企業の内定すら取れるとは思わない。

俺にとって、学歴があったところで意味がないんだよ。どうせ就活の段になったら怖くてエントリーすら出来ないんだから。気が進まなくて企業説明会すら行けないんだから。

だったら、医療系学科で「身分」を貰う。それが完全に理に叶っている。

俺のような人間が勉強を起点に人生を立て直すには、これしかないのだろう。

(再受験の勉強を始める前、公認会計士試験か医学部再受験か少し迷ったが、結局どっちが良かったんだろうな?)

だが、よく考えて欲しい。こんな人間が、医療従事者として使い物になるだろうか。

こんな経路で目指した者が、患者とのコミュニケーションが上手く出来るだろうか。

絶対出来ない。出来る訳ない。

だが、じゃあどうすれば良かったんだ?

俺が就職出来なくて実家の子供部屋に引き篭もる。これは凄く自然なことだ。でもその様を見た他人はきっと言うだろう。「ちゃんと働け」と。

だから俺はちゃんと働くために、医療系の知識を付けるために、資格を得るために、職に就くために「行動」した。これもとても自然なことだ。職業訓練校に通う元ニートの息子みたいなもんだ。

でもこんな奴に医療従事者としての「適正」はあるか?

お前は何も出来ないんだから家に引きこもってろ!

はい、引きこもってます。

これで人生が終わるなら楽なもんだ。

でも最初にこう言った奴らはその後こんなことを言ってくる。

家に引きこもってないで、ちゃんと働けと。

だから俺はちゃんと「行動」した。職を得るために自分が出来る一番の行動をした。

だがこの「行動」すら一部の人にはまだ不快らしい。

まあ健全な目標で医学部に入っているとは言い難いからな。それくらい俺にも分かる。

じゃー、逆にお前らに聞きたいよ。俺はどうすれば良かったの?

家に篭っても駄目。社会に出ようとしても駄目。じゃあ僕はどうすればいいの?泣

もう完全に振り切れちゃったんだよな。

俺だって、俺に「富士通のSE」(日本の伝統的な大企業を想定)の身分を与えてくれたのであれば、それに満足して社会生活を送ってましたよ?多分。

でも、このnoteで何度も書いているように、大学受験であり得ない失敗が起こり、それすら学歴的に無理になってしまった。

もし、この国の国公立大学の入試様式が「前期・後期」の形態を取っていなかったのであれば、俺は学力相応の学歴を手に入れて就活に向かえたはずなのだ。

(前期落ちたら、後期には1〜2ランクくらい下がった所を実力的に受けることになる流れはご存知の通り。俺は事情があって5ランクくらい下がった気がするが)

俺はこの国の杜撰な入試選抜により溢れ落ち、学歴すら手に入らなかった。これ、今でも恨んでますからね。(多分後期入学者はみなこう思っていると思う)

ついでにSEですら、女尊男卑の採用基準だ。

学歴も不当に下げられ、女さんに枠も奪われ、面接は下手くそで、僕はこの国の就活を恨んでいます。(逆恨み)

(ここ、この記事内にある「俺にとって、学歴があったところで意味がないんだよ。」と矛盾してるんだよなぁ。やはり俺は心の底では自分の実力証明としての学歴を捨てきれないのだろう)

若干話が逸れたが、こんな経緯があり、俺は完全に「振り切れて」しまった。

俺が医者に向いていないのは分かっている。というか、俺はその仕事をやっても何も楽しくないし、何も得るものはないし、自分も辛いし周りにも迷惑をかけるだけ。きっとそうなんだろう。

でも、だからと言って引きこもったら、社会に出て働けと言われる。

じゃー、どうすれば良いんですか?

医学部再受験に逃避してた時は良かった。これをクリアすれば未来は明るいと思えていたから。

でも、冷静に考えればやる前から分かってたけど、適正のない道に行っても本人も周りも辛いだけだよ。

俺は破滅の道を進んでるのだろう。そもそも、一般のルートから弾かれて医学部再受験に逃げ込もうとしてる奴、それ、本質的に意味ないですよ。医学部でも「馴染める」のは面接強者や普通の奴だけだから。

面接弱者で異常な価値観の俺は社会でどうやって生きていったら良いんだよ。

医療系学科は面接弱者、ひいては社会不適合者の「救済」になり得るのか?

答え、なりません。いや、俺たちに救済など何処にもありません。

追記

医学部再受験に向いている条件を考えてみた【学力、年齢、属性、経済環境等】|東大卒の人生を考える会 (note.com)

最近読んだこの記事によると、どうやら俺は医学部再受験に向いている属性だったらしいです。

でも、再受験に向いているというのは、これまでの社会的積み上げや守らなければならないものが無いことの裏返し。

果たしてこんな人たちが医療従事者に向いているのでしょうか。僕には疑問です。

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