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【第69回study page】
脛骨内側ストレス症候群(Medial Tibial Stress Syndrome:MTSS)
下腿内側縁遠位2/3に生じるオーバーユース障害でシンスプリントとして知られており、陸上競技やサッカーを始め多くの種目に多く発生する。
Yates and WhiteらはMTSSを
脛骨内側遠位2/3に運動に関連した疼痛がある
痛みの範囲が5cm以上に広がっている
押すと不快感があり、骨折や虚血性疾患を除外したもの
と、定義している。
<特徴>
①性差
男性と比較し、女性が多い。
②活動量
競技転向後や進学後、シーズン開始時などの環境の変化が関連することが多い。
③筋
長趾屈筋、後脛骨筋、ヒラメ筋腱の伸張ストレスは脛骨内側へ骨膜のストレスを増加させる。
近年、MTSS好発部位には長趾屈筋がヒラメ筋よりも高い割合で付着していることが報告されている。
またMTSS既往者と非既往者で下腿筋の弾性率を測定した研究では、MTSS既往者では長趾屈筋、後脛骨筋の弾性率が高いことが報告されている。
長趾屈筋はMTSS好発部位に付着する一方、後脛骨筋はMTSS好発部位に付着していないという報告があるが、隣り合う同士の筋膜のつながりが影響を受けていると考えられる。
<危険因子>
舟状骨高の降下
Navicular Drop高値
BMI高値
MTSSの既往歴
などが挙げられる。
<鑑別>
疲労骨折
末梢性血管障害
不顕性骨折
慢性運動性コンパートメント症候群など。
②〜④に関しては、下腿・足部の感覚障害の有無、足背動脈の拍動の健患側差を確認することによりMTSSと疲労骨折以外の疾患の可能性を除外することができる。
①に関しては圧痛の範囲が5cm未満である(痛みが限局している)ことが鑑別のヒントになる可能性がある。
<治療>
患部については安静処置や活動量の調整(骨リモデリング異常の管理)を行う必要がある。
また足部をはじめとした関節アライメントやキネマティクスが影響しているため、通院初期からそれらの修正をし、スポーツ活動時に再燃しないようにうすることが重要となる。
<まとめ>
今回はMTSSについてまとめていきました。
MTSSはスポーツ障害を診る先生方なら必ずと言っていいほど、お目にかかる疾患かと思います。
症状の鑑別や動作不良の確認を行い症状にあった治療方針を立てていきましょう。
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