七草にちかのモンスターペアレントだった3年間
※この記事は「アイドルマスター シャイニーカラーズ」noteシャニマス感想コンテストに投稿している記事です。
「モンスターペアレント」-学校や教育委員会に対して理不尽な要求や苦情を繰り返す保護者をモンスター(怪物)にたとえた語。(デジタル大辞泉より引用)https://kotobank.jp/word/モンスターペアレント-743586
J@Qです!初めまして。
皆様は誰かのモンスターペアレントになったことがありますか?
自分はアイドルマスターシャイニーカラーズに登場する「七草にちか」さんに対して「あ~~~~今思えばそうだったなぁ~~~~~」と考えてました。
1.七草にちかとの出会い
にちかと出会ったのはシャニマスに追加されたとほぼ同時の2021年4月でした。3年前ですね。
その頃はシャニマスをあんまりやってなくてお隣のシンデレラガールズに集中していたオタクでした。
そんな時にTLへ「にちかがすげー」「なんだこれ」という感想が次々流れるようになりました。
先程シャニマスを殆どやっていないと書きましたが、色んな方のサポートもあって3年くらいずっと敗退させていた風野灯織さんをようやっとW.I.N.G.の優勝に漕ぎつけて、「シャニマスこんな感じか~」とワクワクしていたのもあってにちかのプロデュースを初めて見る事にします。
当時は「とにかくしんどいコミュ」と聞いていたので、そんな劇薬があるんか・・・、なんて事を考えながらプレイ。
キレてる?
負けてんじゃねーよ
またなんか言ってる
優勝した!
とまぁこんな感じで、見事ドハマりしていた様子でした・・・。
多分この時の僕は「何故七草にちかだけがこんなにも言われなきゃいけないんだ?」と思っていたんだと思います。
僕達ユーザーはシャニマスから「ダンス・歌の上手さ」を受け取る事が出来ません。
だからコミュの中でハッキリと「ダンスが上手い」と言われなければそのまま「アイドルやれるくらいは上手いんだな」と位置付けます。
ただにちかはそうじゃないらしい。あのシャニPが、アイドルの可能性を信じてやまないシャニPが「くすんで、何かのコピーになる」と言っていて衝撃を受けました。
なみちゃんの真似をしている、だったら「誰かに似ているなぁ」とかで終わるはずのセリフに「くすんで」という言葉が加わるという事は、にちかに期待していたダンスとは程遠いものを目の前で見たのではないでしょうか。
自分は恐らく この描写=にちかはセンスがない と捉えられてしまうのが嫌だったんだと思います。
そもそも、ダンスのセンスがそうでもないなら練習すれば良いのです。あの島村卯月は養成所で延々と練習してましたし、シャニマスでも真乃がそれを見せてくれたはず。
「その子達は元々センスがあった」と言われればそれまでですが、センスを努力で何とかして来たアイドルなんてどこにもいたはずでしょう。
そんな事を思って、僕はどんどんと「にちかに才能が無いという奴、マジで酷いだろ!!!」とモンスターペアレント感情を剥き出しにしていきました。まさにモンスター誕生譚ですね・・・。
2.シャニマス運営の出すメディアへの反発と、それに沿わないメディアから受ける救い
は?と思うタイトルかもしれませんが、乱暴に言えば「シャニマス公式は『にちかと美琴の今の差を見て!』という割には紫月杏朱彩さんのステージとかあり得ん凄いし、そんな二人に差があるのか・・・?」と思っていたよ、という感じです。詳しく書きます。
「OO-ct. ノー・カラット」をマジでみんな見てた!
Vtuberさんから霜降り明星の粗品さん、オモコロブロスでライターさんや歌人さんなどを交えて感想を言い合ったりしていましたね。ノーカラットでYoutube検索すると凄い数の鑑賞会動画がアップされています。マジで大人気コミュだ。
ただ、僕はこの風潮が正直怖いなと思っていました。それは「自分の好きなにちかの良い所が100%見られるコミュではない」という事です。
ノーカラットコミュで見られる七草にちかの良い所はアイドルになりたいという強い気持ちから出る行動だと思うのですが、僕としてはそれだけじゃないと思ったんです。
福神漬けを残すガキっぽさであったり、アイドルオタクでかなり早口になっちゃう事だったり、ゲーム内でレッスンに成功したら「お姉ちゃん見てるー?」とか言っちゃうところだったり。
僕は「あんまり完璧じゃないのにいざアイドルになるとかなり真剣になれる七草にちか」が好きだったので、美琴さんとのコミュニケーションが上手くいっていない状態の二人をずっと繰り返し見られて、それが二人のデフォルトにようになってしまうのがかなり怖かったのです。
PANOR@MA WING CDの特典のドラマが出た2022年の終わり頃には共同作業をどちらも進んでやるくらいに関係性もすっかり近くなっていたのですが、それでもMOIW2023ではSHHisを初見~そこそこ知ってる方の間で「SHHisって二人の関係があんまり上手くいってないんだっけ?」という声が残っていたような気がします。
これを「オタク分かってねぇなぁ」というのは簡単(時々そう言ってたから僕は全然良い人じゃない)ですが、今思えばあれだけコミュニケーションが上手くいっていないストーリーを沢山の人が見た状態であればむしろ当然だったとも思います。実際あそこで起こった事は二人の間で起こった紛れもない事実ですし。
「その続きが実はあってね!にちかと美琴さんはこうなってね!」という声が中々浸透しなかったのはそこから続くモノラル・ダイアローグスがルカとにちかと美琴の一言では言い表せない&2024年現在あんまり会話もできていない関係の話でもあった事も要因としてあると思います。ノーカラットの後がモノラルだと「この子達ずっとこうなの???」と思いますよね。
しかし!そんな「にちかの才能の不足」「美琴さんとの差」を跳ね返してしまったのもまた七草にちかでした。本編の努力によってストーリー上その差が埋まってきたのはモノラルダイアローグスの後のストーリーであるセヴン#スでしたが、ことシャニマスのライブにおいてはどうだったでしょうか。
「え?七草にちかめっちゃ凄いやん」という感想ばかりだったと思います。声優さんを務める紫月杏朱彩さんのパフォーマンスは自分がライブに参戦するようになったクリスマスパーティーから異次元フェスに至るまで何度も話題になってきました。ブレないダンス、伸びやかな歌声。4thライブで一度こそ歌詞を間違えてしまった事を紫月杏朱彩さんは大変悔やんでいましたが、MOIW2023では圧倒的パフォーマンスを誇るZWEIGLANZとのコラボでFly and Flyを歌い上げ、異次元フェスでも場を圧倒していたではありませんか。
少々熱が入りました(MOIW2023でラスサビ前に入るパートで声が伸びすぎてて皆がどよめいてる時に、嬉しすぎて大大大ガッツポーズをしてしまった)が、七草にちかというアイドルが今我々が生きている世界では山根綺さんが演じる美琴さんと最初からとてつもないチームワークを発揮していたように思えます。上げた足をくぐるダンスって何???
なので、「七草にちかに才能がない!」という声があっても「いやいや、皆さんもっと見てやってくださいよ」と思ってニヤニヤできた部分もシャニマス運営にお出しして貰った救いの部分だと思います。
凄く暴力的なまとめをすると、運営が少々プレッシャーが強く印象が付きやすい一部コミュのプッシュをしたから僕は「もっと他の部分を見て欲しい!」と思って、運営から出された別のコミュやパフォーマンスを見て安心する、という・・・。何だか籠の中でバタバタしていただけのようにも思えます。良い客。
モンスターペアレントだとしたら「子供の良い所をもっと見て欲しい!」と言いながら子供の良い所をビデオにして送ってもらっていたみたいな・・・。何だそれ!
自分なりに「にちかはもっとやれる子なんですよ!」って言ってきましたが、モヤついても公式から出されるアンサーが常に良すぎてひっくり返るを繰り返していた3年間だったようにも思えます。
良かったら2022年に書いたこの記事とか読んで😢
3.モンスターペアレント、落ち着く。
そんなモンスターは今どうなったか、というと本当に身勝手ながらすっかり落ち着いてしまいました。
皆が七草にちかの良い所をどんどん発信するようになったからです。
2021年からにちかの事をじっと見ていた方達なら分かると思うのですが、にちかの創作って結構カロリーの高いもの多かったじゃないですか???なんか辛そうな顔してたり・・・。それは公式で出ていたコミュの大半がどうしてもそういうものになっていたからだと思いますが、「いやいやそれだけじゃないでしょ!」と僕ことモンスターは檻を揺らすしか無かったのです。とは言え、にちかを創作などにしてくれる=にちかの事に興味があるという方に間違いないのでめっちゃいいねはしていたんですがね!!!(話が逸れるけどシャニマスの二次創作は高いクオリティに対してどれもいいねとRTが一桁足らんだろって作品ばかりで尊敬しかしていない)
それが今は彼女のストーリーの進み方によっていわゆる「よしよし」する方向のものが増えた気がします。自分が見て欲しかったにちかがとてもよく流れるようになってきたのです。マジで最近嬉しすぎる・・・。
勝手な言葉の解釈で大変恐縮ですが、僕ようなモンスターペアレントが落ち着く時は、子供が報われる時なんだと思います。
「子供はもっとやれるんじゃい!!!」と殴り込んでいたペアレントは「もっとやれる!」と子供が自分で言っていたり周りがそう言ってくれるのを見るとシンプルに言う事が無くなりますよね。
この記事をシンプルに要約すると「にちかが自分の好きな像とちょっと違う愛され方をしていてなんか寂しい!と思っていたオタクが勝手に落ち着いた話」になるんだと思います。
自分が彼女の事を最初から全て分かっていた訳でも何でもありません。
それでも、今「七草にちかは凄いアイドル」と言ってくれる方が凄く増えたのは僕のような「七草にちかって凄いアイドルなのよ!」と3年前から言って来た方々からしたら嬉しいでしょ、嬉しいですよね?と思うわけです。
きっとこの話は、七草にちかじゃなくても「何となく周りから微妙に評価されていない気がする人」でも成立するのでしょう。そんな人が次第に愛されていく、という平凡で誰にでもある体験を、僕は愛おしくて仕方のない七草にちかというアイドルを媒体にして3年間じっくり経験出来たのが嬉しくてたまらないのです。
七草にちか、今はかなり幸せに近いんじゃないでしょうか。
最後に2022年4月に七草にちかに送った音源でも貼っておきましょう。
キモい。ありがとうございました。