5.5thのSHHisが圧倒的じゃなくてなんか良かった
この記事はSHHisの最新ストーリーコミュの「not enough」のネタバレが含まれます。
5.5th幕張、星が見上げた空のDay1に行ってきました。箱こそ大きくはありませんがそれを生かした様々な演出が多く、個人的には大満足なライブとなりました。
その一因にこの記事のタイトルの通り「SHHisが圧倒的じゃなくてなんか良かった」というものがあります。
今回はそう感じた理由をまとめる記事です。
私が最初にSHHisの2人を現地で見たのは4th前のクリスマスパーティーでした。そこから先日のソロパフォーマンスライブの我儘なまままで、駆け抜けたSHHisでしたが、そのどのパフォーマンスも圧倒的であり、場を支配するような力があるように感じました。
4thでは七草にちか役の紫月さん本人も「悔しかった」と語るミスこそありましたが、そこからほとんどミスもなく演じ切り、MOIW2023(合同ライブ)では圧巻のパフォーマンスで最早誰もSHHisの2人の実力を疑わなくなっていたと思います。
今回はそんなSHHisが緩んでいたのか、と言われればそうではありません。というか「演出上そうなっている」と思っています。
今回のライブを振り返りましょう。
最初に2人が歌ったのは新加入のコメティックによる無自覚アプリオリの後の「Fashionable」、こちらはセンターステージの上で幕張イベントホールの最も高いステージで歌い上げられました。
ここまではいつもの「圧倒的なパフォーマンスでねじ伏せるSHHis」という感覚を覚えました。コメティックの後という事もあり、熱をそのままに力の入った様子を見て取りました。
しかし、その次の「Color days」でテンション感はかなり変わります。Color daysはSHHis加入時に追加された楽曲であり、私自身も思い入れが強い全体楽曲だったのですがSHHisの2人のみで歌い上げるのは異例の事です。
そしてこの曲はセンターステージで歌い上げられ、ファンサービスもありながら跳ねるような振り付けもあるなど今までのSHHisの振る舞いとは全く違う様子が見受けられました。
私はこのパフォーマンスがいつものSHHisの「高得点を目指す」ようなものではなく「2人が楽しいかどうか」に振り切ったものだった事にとても心が動かされました。
not enoughのコミュでは「モノラル・ダイアローグス」から連綿と描かれていた2人の距離感に関してのストーリーが続いていたのですが、このコミュの特徴的な部分は「プロデューサー、芸能関係者以外の周りが2人で居ることを受け入れ始めた」という点だと考えています。
「高いレベルを目指す美琴はにちかと組む必要があったのか?」「にちかは美琴と組んで苦しんでいないのか?」こういった声が多かった中で2人が周りに”出させた”答えが「2人が一緒に居たいのなら良いじゃないか」という事がコミュ内に出てきた登場人物から明かされています。
確かに、2人のコミュニケーションにはまだまだぎこちない部分があります。ただ、モノラル・ダイアローグスのメンタルクリニックのお医者さんやセヴンスのダンサーさん、not enoughでは劇の総監督など、2人の関係を心配して話し合うことを提案したり仕事の上で接する機会を増やそうとするなどして支えてくれた方が多く居ました。プロデューサーも当然その1人です。
そんな人々に見守られつつ、段々と距離を近づけていく2人のあたたかい関係があまりにも感動的であり、今回のライブのColor daysではそれが具現化されたような風景が見られたのが本当に嬉しかったのです。
SHHisを見守ってきたプロデューサーの方々、それを受けて安心してステージで飛び跳ねるSHHisの2人、これがずっと見たかった景色だったのだと私は思いました。
勿論その後の「OH MY GOD」「Fly and Fly」「SWEETEST BITE」も素晴らしかったですが、多くがトロッコ上の歌唱でありいつものダンスパフォーマンスというよりはファンサービスの側面が大きかったと言えるでしょう。
SHHisの圧倒的なパフォーマンスを見たい!という気持ちは当然強く持っていますが、2人の関係が更に近づこうとしている時にこうしたある種「余裕を持った」LIVEが挟まった事は大きな意味があるのではないか、と私は結論付けます。
きっとこの経験を経てSHHisは今まで出来なかったことを1つ2つと出来るようになっていくのだろうと思います。
最後に「虹の行方」から一番好きな歌詞を引用して締めさせていただきます。
『正解を捨ててみたり 嬉しいのに泣いて たくさん矛盾したら 遠くへ飛べた』
以上です。