【漫画レビュー①】ちひろさん
漫画レビュー1発目はこれしかない!
「ちひろさん」
※あらすじなどは書きません。ちひろさんと作者の安田先生への愛をただただ綴ります。
私は漫画が好きだ。
寝る間を惜しんで漫画を読むくらい漫画が好きだ。
本当に面白い漫画は「寝るのがもったいない」と思わせてくれる。
「ちひろさん」は「寝るのがもったいない」と思わせてくれた漫画のひとつだ。
私の漫画の好みとして
より暗く
より重く
より現実味があるものを好むけど、そればっかりじゃあ疲れるときもある。
生きてりゃいろいろある。
「嬉しい楽しい疲れたしんどい」がジェットコースターになるときもある。
しょうもないやつ見て消したくなったり、人間3週目みたいな人見て消えたくなる時もある。
1回休もう。
1回休んで「ちひろさん」を読もう。
「ちひろさん」を読んで巻末にあるカレーなんか作ったりして、休憩しよう。
私が思うこの漫画のすごさは
「ドラマチックな描き方をしていないのになんか刺さる」ところだ。気づいたら泣いてる。
見開き2ページ使ってドーーーン
画力勝負ぅぅぅぅぅぅ!!!!!
空間の美ぃぃぃぃぃぃ!!!!!
みたいなのは一切なく、
ただ、淡々と日常が過ぎるだけ。
漫画の帯にもあったけど「生きづらさを抱えている人」にぴったりだと思う。生きづらさを自覚していなくても、この漫画を読むと気づくことが山ほどある。私にとってこの漫画は人生の教科書だ。
安田先生はボールペンを使って漫画を描くらしい。
同じペンでも筆圧を変えると太さが変わることを嬉しそうに(?)巻末に書いていた。
私は安田先生の字が好きだ。
漫画や絵はもちろんだけど、単行本の巻末にある「あとがき」が大好き。
「ちひろさん」を読んで私の生活が劇的に変わったわけではないけど、間違いなく刺さるものがあって、生きる上での意識を変えてくれた。
ちなみに「ちひろさん」の過去が知りたいなら
上下巻あります。
時系列や出版は「ちひろ」が先。
安田先生が描く漫画は主人公はいわずもがな、登場人物がすこぶる魅力的である。「ショムニ」が安田先生の漫画原作と知ったときは本当にびっくりした。「ショムニ」がドラマでやってた頃は小学生だったけど、大人になってから漫画を読んで「ちひろさん」とは全く違う毛色でこれまたおったまげたけど、めちゃくちゃおもしろかった。
話を「ちひろさん」に戻そう。
「ちひろ」や「ちひろさん」は今、日本の家にあるので原文ママをここに書くのは難しいけど、私がこの漫画を読んで最も刺さった言葉が
「血が繋がってるからって、心まで繋がるわけじゃなにのにね」だ。
私はこのページを読んだとき、しばらく次のページに進めなかった。思い当たる節がありすぎたから。涙が出ない代わりに体の内側がぎゅうっとなって手が止まってしまったのである。
ちひろさんは家族を見限っている。その理由は漫画で詳しく書かれてないけど、会話の節々に感じるところはある。
今現在、私は家族とうまくいっていないわけではない。でも、高校生の時、母親に覚えたての言葉を使って「離縁してください」と泣きながら訴えたくらいには家族に嫌気がさしていたのだ。
虐待を受けたわけでもないし、存在を消されたわけでもない。うちが貧乏だと思ったこともない。それでも日々一緒に過ごす中で「無理」と「違和感」が日常的にあった。
それが「ちひろさん」のあの言葉で一気にあの頃の自分に戻り、ページをめくる手が止まってしまったんだと思う。実家を離れてだいぶ経っていたが、あの言葉は一生忘れないと思う。
全く違う話になるが、
私は5年前、2019年
生まれて初めて「ちひろさん」の作者安田弘之先生にファンレターを書いて出した。ドキドキした。ファンレターなんて書いたことがないからどこ宛てに書けばいいのかわからなかったが、出版社宛てに安田先生の名前を書いて出したと思う。
何かが溢れ出てしまい、どうしても伝えたくなったのだ。
そして、どうしても私の字で気持ちを伝えたかった。
数週間後、
私はポストを見て「えっ!?」とひっくり返った声が出た。
返事が来た!!!!!!!!
え!?こんなことってあるの!?!?!?!?
しかも「お土産」付きだった。
このお土産は家宝だ。もちろんメキシコにも持って来ている。
そして、図々しくも今、5年越し、2回目のファンレターを書いている。
今回この記事を書くにあたって、Wikipediaを見返したら「ちひろさん」の新しいエピソードだと!?!?!?!?知らなかった!!!
布教してるくせに宣教師失格じゃん!!!見なきゃ!!!
現代人こそ「ちひろさん」を読んだほうがいい。
必ず何かに気づくはず。
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