【日本語教師】斜め上の質問に心かき乱される話③
早いものでもう第3弾です。
①②はこちらから⇩
いや~今回の質問もだいぶパンチきいてました。
ネイティブじゃ絶対考えたことがない違い。
この質問を受けたとき「おぉ~きたきた!」とニヤニヤが止まらなかったです(嬉しくて😆)
「先生、"みんなで"と"私たち"の違いは何ですか」
とりとめのない質問に振り回されてはいけない
「先生、"みんなで"と"私たち"の違いは何ですか」
こんな質問をされて、すぐズバッと答えられる日本人っているんでしょうか。
全く繋がりのない言葉です。
日本語教師になりたての頃、こんな感じの全く繋がりのない2つの言葉の違いを聞かれ、困ったことが何回もありました。
質問恐怖症になりかけました😂
ただ、日本人にとっては違いを考えるまでもない全く別の言葉だと思っていても、学習者にとっては迷うポイントがあるのも確かです。
こんな感じの質問をされたとき、気をつけていることがあります。
すぐに答えを出さない
これは質問に答えないという意味ではなくて、迷うポイントを一緒に探すという意味です。
私たちもわかりやすい説明をするために頭の中を整理する必要があるし(この手の質問ならなおさら)、学生の頭の中もとっ散らかってることが多いので、一緒に探ります。
私「おもしろい質問ですね。じゃあ、"みんなで"を使った例文と"私たち"を使った例文を言ってみてください」
学「えぇと・・・・・・・・・・・・・・・・・」
質問をしてきた学生は例文が言えませんでした。
もちろん、いきなり「例文を言って」と言われてすぐに出てこないのもわかります。ちょっといじわるなことを言っていると自分でも思います。ただ、すぐに例文が出てこない場合、
学生自身も迷うポイントがはっきりわからなくて、ただただ漠然とした疑問である場合が多いです。
なので、迷うポイントをはっきりさせることが先です。
一緒に例文を考える
待っている間、私も頭をフル回転させて例文を考えます。
そしてZOOMのチャットに書いていきました。
私たちはリンゴを食べます。
みんなでリンゴを食べます。
これを書いて気づきました。
「状況同じじゃん!!!!(興奮気味)」
全く繋がりのない言葉だと思っていたけど、繋がる部分があった…!!
だから学生は疑問に思ったのか。
私たちはギターを弾くことができます。
みんなでギターを弾くことができます。
これは若干違いが生まれるか…?
いやでもまだ弱いな。
これも「状況が同じ」って言える…!
学生と状況を確認しながら例文を書いていきます。
私たちはリンゴを食べてください。
みんなでリンゴを食べてください。
「あ!!!!」と学生が気づきました。
私は心の中でガッツポーズ😎
学「"私たち"は命令や指示が言えませんね」
私「その通りです」
学「確かに…スペイン語でも言えないや」
説明より「気づき」を大切に
何かの違いを聞かれたとき、私が大切にしていることです。
グループレッスンの場合、時間の関係で気づくための時間をあげられなかったり、答えがはっきりわかっていたらすぐに説明して済ませてしまうこともありますが、本当は説明より学生自身が気づくまで一緒に答えを探す手伝いがしたいです。
説明ってやっぱり何か一方的だし、自分で気づいたほうが忘れないんじゃないかと思います。もともと、説明が苦手なのもありますが😅
気づく時間をあげられるのはやっぱり個人クラスの利点かなって思います。まぁ、一緒に探してても答えが見つからないときもあるんですが…😅
学習者の視点は本当におもしろいです。
それでは今日はこの辺で🤗