北海道地震 震災レポ。2回目
僕の住む地区は、幸いにも停電が起こっただけでしたが、数キロ離れた区では地盤沈下や地割れなど、被害は甚大。
それを踏まえた上で、僕の地域のお話を書かせていただきます。
北海道全域が真っ暗になった。
近隣のおばちゃん達が外に出てきた。
最初のうちは不安そうに話をしていたが・・・・・・
「あっはっはっは!そーなのよー」
世の中では「母親は強し」とか言いますが、それは違うと思います。
それは「母親」ではなく、「かーちゃん」という別の生物です。
かーちゃんは、天災にも怯まない、世界で最強の生物。
そんなかーちゃんたちの、暗闇の中にこだまする明るい声に、大きく勇気づけられる僕ら夫婦でした。
街の様子を見るため、ベランダに出る。
飲み込まれるような暗さだ。街灯が無いと、街はこんなにも暗いのか。
ベランダから他の家の窓を眺めていると、皆が地震で叩き起こされたのか、ライトの光がチラチラしていた。
ちょっと綺麗。
その中で異質な動きをする光があった。
円を描くようにリズミカルに光が跳ねる。・・・どこかで見た動きだ。
オタ芸か!!
明るくなってきた。
僕はパンツ一丁でベランダに出て、タバコに火を灯す。
目の前のマンションでも、ザ・オヤジという感じの方がパンツ一丁でタバコをふかしていた。
当然目が合う。
なんとなく心が通じ合った感じでニッコリ会釈をしあった。
道民はのんびり屋が多いのかもしれない。
家の中はまだ何も見えないほど暗い。
僕はろうそくに火をつけた。
心配してくれたのか、飼い猫のコメがそっと僕にすり寄ってくる。
「あぶないよ、ダメ。」
コメを火から遠ざけようとした。
・・・が、ピンと立てたしっぽに引火。
僕は慌ててしっぽを掴み消火。
しっぽを燃やしながら、嬉しそうに僕を見上げるコメの顔を、僕は一生忘れないだろう。
慌てて消すと、なんか臭いぞ?と鼻をスンスンさせながら匂いの元を探しだした。
燃えたのは君だよ。
僕はロウソクを消し、釣り用のLEDライトを探した。
もうちょっと続きます。
次回をお楽しみに。
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