大志を実現した女性のさきがけ
時は1933年、アメリア・イアハート(Amelia Earhart 世界で初めて大西洋単独横断飛行した女性パイロット)はホワイトハウスのイベントに招待された。晩餐会の最中、イアハートとエレノア・ルーズベルト(第32代ルーズベルト大統領の妻)は目立たないようにホワイトハウスを出て、飛行機で遊覧飛行に出かけた。ヴァージニア州アーリントンのフーバー・フィールドで、イースタン・エア・トランスポートの双発機カーチス・コンドルを操縦し、ふたりは大空に舞い上がった。学生パイロットの免許を取得したばかりのエレノア・ルーズベルトは、飛行中に一時的に操縦席に座った。彼女は後に『ボルチモア・サン』紙にこう語っている。「イブニングドレスを着てスリッパを履いた少女が夜間に飛行機を操縦できるなんて、画期的なことでしょう?」
最近になって、イヤーハートが夫のジョージ・パトナム(アメリカの出版プロデューサー、作家)との公開結婚にこだわったことを知った。結婚に先立ち、彼女は自分の気持ちを綴った手紙を書いた。
「私たちが一緒に生活する上で、私はあなたに中世のような忠誠の掟を課すつもりはないし、私もあなたと同じように、縛られるとは思っていないことをご理解いただきたい」
結局のところ、パットナムは自分でも進歩的な考えを持っており、妻の飛行を「阻止」しているのではなく、むしろ奨励しているのだと明らかにした。結婚して1年後、パトナムはこう書いている。"塩を稼いだ女性には、塩をかけたいものを手に入れる権利があるのです"