【NEW ERA】まさにキメラ…レンジャーズの特別キャップについて

米国メジャーリーグ(MLB)では数年前から「City Connect」と銘打ったシリーズが開催されている。

これは毎年数球団ずつ実施しているイベントで、そのシリーズ期間中はホームタウンである州・町をイメージした特別なユニフォームを着用して試合を行うものである。

普段着用しないだけあって、なかなか攻めたデザインのユニフォームが揃っており、「これは良いね」と思うのもあれば、「これはちょっと……」と思ってしまうものもある。

今回はその中でも個人的にセンスが光ると感じる、「テキサス・レンジャーズ」のユニフォーム・キャップをご紹介したい。

温故知新を思わせるデザイン

レンジャーズの「City Connect」ユニフォームは2023年シーズンに発表された。

生地は真っ白ではなくクリーム色に近い。全体的にレトロな雰囲気を醸し出し、ディティールにも意味が込められている。

画像は SportsLogos.Net より
https://news.sportslogos.net/2023/04/17/dreaming-the-big-dream-texas-rangers-unveil-new-city-connect-uniforms/baseball/

SportsLogos.netの記事からかみ砕いて説明すると、
「テキサス・レンジャーズ誕生以前に存在したチームへのリスペクト」
が大きなテーマとなっているそうで、テキサス州のダラス、及びフォートワースにて活動していた3つのマイナーチームをモチーフにしているとの事。

胸部分の「TX」はかつてテキサス州ダラスで活動していた「ダラス・イーグルス」のロゴを元にデザインされた。同チームのキャップが復刻モノとして販売されており、下記ショップで取り扱っている。

たしかに今回の「TX」ロゴとイーグルスのロゴを見比べると、「T」と「X」を合体させて「E」に見えるようにしている気がする。

ちなみに上記ショップのキャップ製造元はAMERICAN NEEDLE社という企業。NEW ERAとは同業他社にあたるメーカーであるが、古き良き時代のMLBやマイナーリーグなどのキャップをその当時の素材感で再現しており、こちらもお勧めのメーカーである。

目を今回の「City Connect」ユニフォームに戻すと、袖部分には何やら見慣れない生き物のロゴがあしらわれている。

「PEAGLE(ピーグル)」と呼ばれるその架空の生き物は、先に触れたイーグルスと、1888年~2014年まで同じくテキサスで活動していた「フォートワース・パンサーズ(後にキャッツ)」の両チーム名を合体した言わば「キメラ」である。

肝心のキャップ

このブログでは基本的にキャップについてご紹介している為、このままユニフォームのご紹介だけで終わってしまうわけにはいかない。

今までのは予備知識として。ここからが本来書きたい記事である。

この「City Connect」におけるキャップはユニフォームと同様、「TX」が描かれたデザインとなっている。

先に説明した通り、かつて活動していたイーグルスへの敬意あふれるデザインであり、温故知新を感じさせるデザインとなっている。

さらに、何度もこちらのNoteでもご紹介しているが、MLBには別注で制作されたオリジナルデザインのキャップが数多く存在する。
今回のレンジャーズにおけるCity Connectも例外ではない。

上記ショップのように、ピーグルがフロント部分に刺しゅうされたバージョンもいくつか販売されている。
だんだんどこのチームのキャップなのか分からなくなってくる。

オリジナリティあふれるロゴをユニフォームへの刺繍だけで留めておくのは勿体ないと思うし、キャップであれば気軽にファッションとして取り入れられる機会は多い。こちらもまたセンスが光るキャップになっていると思う。

こういう変化球なデザインこそマニア心をくすぐるキャップであり、レンジャーズ、ひいては野球ファンにウケるものではないだろうか。

「City Connect」シリーズはまだ未実施の球団も残っており、個人的にはあのヤンキースは一体どんなデザインで売り出してくるだろう、と思っている。
しかし近年の同イベントは何かとやっつけ感があるデザインが多い気がしていて、シリーズ初発のような凝ったデザインがもっと出てほしいと感じている。

最後までご覧いただきありがとうございました。
貴方に良いことがありますように。


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